昨年度のWリーグのファイナル(第1戦、第2戦、第3戦)と同じ顔合わせとなった。
(今大会の準決勝はこちら…JX-富士通【その1】・【その2】、デンソー-トヨタ自動車)
この時と比べて、JXは完調ではないが吉田が復帰している点がプラス材料。マイナス材料は寺田が故障中、準決勝を見る限り、大沼が不調、木林は不出場という状態。
デンソーは伊集がチームを引っ張る存在に成長し、高田汐織も成長著しい。他のレギュラーの高田真希、牛田、伊藤も充実している。大庭が故障中、藤原も完調ではないが、チーム力はアップしている。
第1ピリオド
スターティングメンバーは、JX…吉田、岡本、宮澤、間宮、渡嘉敷。デンソー…伊藤、伊集、高田汐織、牛田、高田真希。
立ち上がり、互いに相手ディフェンスを破ることができず、開始2分半余りまで伊集が吉田を振り切ってドライブシュートを決めたのみ。
しかし、その後は硬さが取れ、徐々にオフェンスがディフェンスを上回り始める。JXは渡嘉敷、間宮にマークが集まる間隙をついて宮澤がミドルシュートを決める。それほど楽なシュートではなかったが、タイミングさえ合えばシュートを決める選手だ。
デンソーは伊集を中心に思い切りよく攻める(3ポイントシュート(高田汐、伊藤、伊集)を含む。伊集が7得点)。5分弱経過して、JX8-13デンソー。
この後の5分は、互いのオフェンスが停滞し、JXは宮澤のゴール下のシュートと渡嘉敷のフリースロー1本の3点、デンソーも伊集のミドルシュートの2点のみで、第1ピリオドはJX11-15デンソーで終了。
スチール→ドリブルシュートミス→リバウンド→イージーシュートミスというガックリするJXのオフェンスもあったが、デンソーはツインタワーを、JXは間宮が高田真をよく抑えていた(高田は0得点)。
故障上がりのJX・吉田が6分12秒でベンチに下がった(新原がインコート)。吉田は動きにややキレがなく、フィールドゴールは0/3、アシスト1、リバウンド1。代わって入った新原だが、攻守の切り替えが早かったので、攻撃を組み立てる機会がなく評価は下せない。
宮沢が4/8のフィールドゴール。意識的に宮澤で攻めているのか、デンソーがツインタワーを優先してディフェンスしているのか私には判断がつかない。ただ、ツインタワーの攻撃機会が少なすぎるように感じた(ふたり合わせて1/2)。
デンソーは、伊集がフィールドゴール4/5で9得点を上げたが、2ポイントシュートが0/6と全く入らなかった(3ポイントシュートは3/7)。ディフェンスはよくツインタワーを押さえていた。
JX・佐藤HC
「相手スリーポイントが4本入っている。しっかりチェックに行ってドライブをさせろ。そうすると、シュートのリズムも狂ってくる」
と指示。
いや、第1ピリオドのままでいいのではないだろうか?
そもそも、3ポイントシュートは3本しか入っていない。まあ、ドライブへの対策がしっかりできているのなら、そういう指示もありなのかもしれないが、JXのディフェンスは有効に働いていたように思う。
第2ピリオド
開始直後は、ファンブルなど互いにターンオーバーの後、シュートをミスした高田真が自らリバウンドを取ってシュート。この試合、初得点。
JXは新原が起用されたが、デンソーディフェンス・伊藤は、シュート力のない新原から離れ気味のポジションで渡嘉敷をマークして守る。このディフェンスを打開できず、開始1分17秒で早くも吉田を投入。ここはもう少し新原を使って突破口を探るか、宮崎を投入してオフェンスを変えるかすべきだろう。(JX、新原→吉田、岡本→大沼、 デンソー、伊集→阿部)
吉田に代わっても、デンソーの変わらずペイント重視のディフェンスで得点を防ぐ、この間、高田が24秒ギリギリで3ポイントラインの付近からジャンプシュートを決め、JX11-19デンソー、8点差。JXは開始3分過ぎても無得点。
ようやく渡嘉敷がオフェンスリバウンドからシュートでファールをもらい、2スローを成功させる。高田真の2回目ファール。
この後、互いにシュートが入らず膠着状態。JXは吉田の2本のジャンプシュートは外れ、間宮がようやくペイントでボールをもらいステップで高田をかわしてシュートするが外れる。デンソーはパスを回してフリーでジャンプシュートを放つが入らない。
このピリオド5分経過して、JX2点、デンソー4点のロースコア。JXは未だにフィールドゴールなし。
5分12秒、吉田をベンチに下げる。オフェンスが停滞していたので良い判断。(JX、吉田→新原、阿部→藤原、高田→伊集)
新原がフローター気味のバンクショットを決め、JX15-19デンソー(5分22秒)。
しかし、新原、伊藤のドライブで簡単に置いていかれ、JX15-21デンソー(5分45秒)。
タイムアウト、JX。
「デイフェンスはしっかり1対1で守る。オフェンスはドライブしてキックアウト」と指示。これに対し、解説の萩原美樹子氏か大山妙子氏か分からなかったが、「デンソーはインサイドを固めているので、ドライブするスペースがない」と疑問視。
ゲーム再開、JXはドライブの隙を窺いながらパスを回すが、突破口を見いだせず24秒オーバータイム。
デンソーもオフェンスが機能せず、オーバータイムになりかけたが、伊集が苦し紛れの3ポイントシュートを放ちネットに沈める。
JXも宮澤がデイフェンダーをかわしドライブシュート。JX17-24デンソー(6分54秒)。
ディフェンスリバウンドを取った新原に、デンソー・藤原が衝突(どちらかというと新原の方からぶつかった)。フリースロー2本中1本決める。
デンソーのジャンプシュートが外れ、JXは素早くボールを運ぶ。ペイントゾーンでボールを受けた間宮が高田真をかわしてシュートJX20-24(7分55秒) 。高田は2ファールなので厳しいチェックはできない。だったら、先ほどのタイムアウトで、間宮で高田真を攻める指示を出せばよかったのでは。
今度は高田が間宮と1対1で攻めるが、間宮がこれをよく防ぎシュートミス。
解説者「デンソーは上の方でしかパスを回してばかり。切り込む縦の動きがあれば、オフェンスが機能してくるのでは」と指摘。
この後も、互いにターンオーバーを犯し、デンソーがタイムアウト。(残り1分)
デンソー・小嶋HC
「ボールの逆サイドの選手がもっと動くように。高田のスクリーンを利用してドライブしろ」
ゲーム再開、しかし、デンソー吉田がトラベリング。
JX新原がドライブからサイドの岡本にキックアウト。岡本の3ポイントは外れたが、渡嘉敷がリバウンドからシュート。JX22-24デンソー、2点差(残り26秒)デンソータイムアウト。
ここでJX、吉田を投入。
え?なぜ?残り26秒でデンソーボール。確かにデイフェンスは新原より上手いが、吉田の消耗を少なくする方が重要ではないのか?デイフェンスだけなら宮崎でもいいだろう。
期待に応えて、吉田は24秒バイオレーション間際でボールをもらった伊集を押さえ切ったが……
吉田は前半のプレータイムは10分33秒とほぼ予定通り。佐藤HCにしては辛抱した。
フィールドゴールは0/5で0得点。アシストも1、リバウンド2。動きにキレを書いていた。前半終了後、控室に戻る際、若干、足を引きずり気味だった。
JXオフェンスは、デンソーのインサイドを固めたディフェンスを攻略できず、デンソーオフェンスもパスを回してフリーを作りシュートを放つが、肝心のシュートが決まらない。縦の動きからのインサイドアウトのパスがないのもシュートがずれる一因だろう。
フィルドゴール成功率は、共に約30%、個人スタッツはJXは宮澤10点、渡嘉敷5点・デンソーは伊集12点、伊藤5点。好調の伊集を第2ピリオド、4分間もベンチに下げていたのは疑問。
JX・渡嘉敷と間宮、デンソー高田真、ともに押さえられていた。後半はそれぞれのディフェンスをどう攻略するかが見所である。
第3ピリオド
スターティングメンバーに変更は無し。
開始直後、吉田の機敏なパスを受けた渡嘉敷がゴールを決め、ワンスロー(牛田のファール)。JX25-24デンソー、JXが初めてリードを奪う。
デンソーはペイントで高田真がジャンプシュートを放つが、間宮に加え、渡嘉敷もブロックショットで防ぎ、外れる。
JXは岡本、吉田が3ポイントシュートを放つが外れる。吉田に対してはやはり引き気味ディフェンスでインサイドを固める。これが奏しているが、リバウンドを立て続けに取られてしまう。吉田がシュートを外した後も、渡嘉敷リバウンドからシュート、さらにリバウンドを間宮が取り、結局、間宮に対し牛田がファール、これが牛田3つ目のファール。フリースローは1本成功でJX26-24デンソー(57秒)
ハーフタイム後、デンソー小嶋HCが「リバウンドやルーズボールを取られてしまっているのが気になる」と話していたが、嫌な展開だ。
この後も、互いにシュートミスやターンオーバーを繰り返すが、デンソーオフェンスの方が機能不全の重篤度が大きい。それでも、ディフェンスは間宮にボールが入ると、素早く収縮しスティールするなどして踏ん張る。
互いに辛抱の時間だが、3分2秒、吉田がゴール下の渡嘉敷にパスを高く通したプレーに対し、牛田が4つ目のファール。デンソー吉田をコートに入れるが、スローインにボールを受けた渡嘉敷が難なくゴール。JX28-24デンソー(3分4秒)。
デンソーのオフェンス。しかし、依然、JXのディフェンスを攻略できず、高田の苦しいシュートが外れる。第3ピリオド、4分近く経過して未だに得点なし。
JXは岡本のスリーポイントを間宮がリバウンドからゴール。30-24(4分9秒)、このピリオドここまで、早くもJX6本のオフェンスリバウンド(デンソーは1本)。得点も8-0と、完全にJXペース。
デンソーは高田真がジャンプシュートを決め、ようやく得点。続いて、厳しいディフェンスで伊集がパスをスティール、流れを変えるかと思われたが、吉田が猛追、伊集のシュートを阻止、さらに、フォーローに入った伊藤にも間を詰め、オフェンスファールを取ったかに思えたが、惜しくもディフェンスファール。しかし、この辺りはさすが吉田である。結局、この後のオフェンスはデンソーのターンオーバー。
JXも宮澤がトラベリング。ここで、デンソー・吉田がドライブから逆ステップでの見事なシュートを決め、踏みとどまる。JX30-28デンソー(5分30秒)。
しかし、オフェンスリバウンドを取った間宮に対し、高田真が3つ目のファール。牛田4ファール(ベンチに)に加え、高田真3ファールと苦しい。間宮が2投とも沈め、JX32-28(5分40秒)。
デンソーのオフェンス、ペイントゾーン中央付近でもらった高田真がジャンプシュートを決めJX32-30デンソーと2点差に(5分54秒)。先ほどのジャンプシュートもそうだったが、ゴールを背にしてボールを受け、振り向いてシュートは難しいと思うが、ネットにスポスポ入れる高田、シュートが上手い。
6分36秒、ここまで8本連続シュートを外してきた吉田が、3ポイントを決める。JX35-30デンソー。吉田にシュートタッチが戻ると、デンソーのディフェンスも難しくなる。
この直前、新原が交代の為スタンバイしていたが、吉田のシュート成功を見て佐藤HC、交代を思いとどまる。しかし、ここは5点リード、ピリオド残り3分なので、吉田を休ませるべきだろう。
デンソー、高田が柔らかいタッチでジャンプシュートを決め、JX35-32デンソー(7分22秒)。この直前、デンソーは伊藤に代え阿部を起用。伊集をポイントガードを任せたが、見事なパスだった。
間宮も負けずに高田真を攻める。3ファールの高田は積極的にディフェンスできない。37-32(7分31秒)。
デンソー・吉田の3ポイントシュートが外れ、JXは岡本がペイント内へ巧みなパス。これを宮澤がうまく合わせそのままシュート。39-32(8分2秒)。
デンソー・伊集の3ポイントシュートが外れる。デンソーの外のシュートがほとんど入らない。
8分25秒、JX吉田が新原とようやく交代。デンソーも阿部を下げ、伊藤をコートに戻す。
伊集が、ドライブからバンクシュッとを決め、39-34(8分55秒)。「宮崎でなく新原を使うのは、宮崎の守備に不安があるから」と解説者は言うが、デンソーは新原をドライブで攻めてくる。高田真のスクリーンを利用してはいたが、新原のディフェンスは良くないと思うがどうなのだろう。
JX・岡本がターンオーバー。デンソー・伊集、今度は宮澤相手にドライブを決め、39-36と3点差に詰め寄る(残り35秒)。
さらに、JXゴール下の渡嘉敷への新原のパスがターンオーバーになり、このピリオド、最後のオフェンス、デンソーは伊藤でなく伊集がボールを運ぶ。そして、そのまま、高田真のスクリーンを利用して、またも新原を振り切り、ブザービーターのドライブシュート!JX39-38デンソーと1点差で第4ピリオドへ。
このピリオド、JXは間宮7点、渡嘉敷5点。デンソーは高田真、伊集が6点。
第3ピリオドまでの通算得点は、JXは宮澤12点、間宮11点、渡嘉敷10点、吉田、新原3点。
デンソーは伊集18点、高田真10点、伊藤5点、高田汐3点、吉田2点。
JXでは岡本が無得点、デンソーは牛田がファールトラブルもあって無得点。
それにしても、完全に7点差でJXペースだったが、吉田がベンチに下がった残り1分35秒で1点差に詰め寄られてしまうとは。
第4ピリオド
デンソーは牛田、高田汐に代わって吉田と藤原がコートに。
お互いターンオーバーの後、岡本が3ポイントシュート。しかし入らず、これをJXがリバウンド。吉田がジャンプシュートを決め、JX41-38デンソー(57秒)。
デンソー・藤原が3ポイントシュートを放つが、外れる。そろそろ、3ポイントシュートの優先順位を下げてもいいのではないだろうか。
吉田がボールを運び、マークが甘いのを見て、再びジャンプシュート。43-38(1分24秒)
たまらずタイムアウト、デンソー。
ここでの小嶋HCが面白かった。
高田真希に、「ローポストでボールをもらうのと、スクリーンを使って入るのと、どっちがいいか」を尋ねて、「スクリーン」という要望に、「今のままのスクリーンではうまく行かないから、スクリーンの角度を変えよう」と指示。
しかし、その後2回のオフェンス(JXも1回オフェンス失敗)はうまく行かなかった(高田真が良い位置でボールをもらえない)が、リバウンドを粘って、3度目の攻撃で伊藤がドライブで切り込んで、サイドの高田真にナイスパス。しかし、あまりにフリーになり過ぎたせいか、高田のジャンプショットが外れる(残り7分29秒)。
JXのオフェンス、吉田からパスをもらった渡嘉敷が、マークするデンソー・吉田を押しのけるようなドライブを決め、45-38(残り7分18秒)。
さらに、ボールを運ぶデンソー・伊藤に対し、ハーフライン付近で間宮と吉田がダブルチーム。苦しいパスを岡本がスティール、そのままドリブルシュート、47-38と瞬く間に9点差(残り7分7秒)。
デンソータイムアウト。吉田と藤原を下げ、牛田と高田汐を投入。
小嶋HC、いろいろ指示を出したが、オフェンスは機能せず、高すぎる位置でボールをもらった高田真がドライブするが吉田がスティール、そのままドリブルシュート。49-38(残り6分44秒)
デンソー・牛田のシュートミス。JX・吉田が中央サークル付近から、虚を突いてゴール下の渡嘉敷にパスを通し、13点差。
デンソー・伊集のドライブも外れ、JX宮澤がゴール下へドライブ&ターンアラウンドシュートで15点差(残り5分40秒)。
デンソー、タイムアウト。
小嶋HC、ディフェンスにオフェンスに関して、あれこれ早口で指示を出すが、おそらく、その前のタイムアウトも、選手は頭に入ってないのだろう。ちょっと、指示が多すぎるのではないだろうか。
JX、吉田をベンチに下げ、新原がコートに。
指示が功を奏したのか、伊集からゴール下にカットインした高田汐にパスが通り、53-40(残り5分30秒)。
JX、岡本ターンオーバー、新原シュートミスと、デンソーにチャンスが来るが、高田汐の3ポイントシュート、高田真のジャンプシュートが外れ、点差が縮まらない。
さらに、JX・新原がターンオーバーを犯し、デンソー・高田汐が3ポイントシュートを決め、53-43(残り4分8秒)。残り4分で10点差は逆転可能だ。
JX、タイムアウト。
吉田をコートに戻す。新原には申し訳ないが、ほとんど、ポイントガードの役割を果たせていない(この試合だけではなく、ここ数年である)。
「ボール運びは岡本に任せ、フロントコートに入ったら吉田にボールを渡す」という指示。さらに、「まだ4分もある。気を抜いちゃダメだ」と締める。
指示通り、岡本がボールを運ぶが、デンソーは岡本に2人で寄りつき、パスを出させない。岡本はドリブルで二人を振り切りドライブシュート。しかし、流石に体勢が崩れミス。
デンソーのオフェンス。JXの激しいプレッシャーの中、高田真に何とかボールを回し、ミドルシュート。しかし、これが外れ、吉田がリバウンド。そのまま、ドリブルでゴール下にドリブルシュート。高田真のファール(4ファール)をもらい、フリースロー。2本目を外したが、渡嘉敷がオフェンスリバウンド(カメラの角度が悪くて見えなかったが、渡嘉敷が牛田を引っ張ったような、牛田の転び方ではあった)からシュートで再び、13点差(残り3分35秒)。
デンソーは高田真がロングシュート(2ポイント)を決め、あきらめない。56-45(残り3分25秒)。
しかし、JXはショットクロックいっぱいまでパスを回し、宮澤がバンクシュート。58-45(残り2分58秒)。
デンソーも、高田汐が3ポイントライン1m後方から、3ポイントシュートを決め、58-48(残り2分50秒)。
さらに、渡嘉敷のゴールが外れた後、デンソー・吉田が3ポイントライン1m後方から、3ポイントシュートを決め、58-51と7点差(残り2分10秒)。
JX、タイムアウト。
「ドライブをされてもいいから、3ポイントを打たせるな」と指示。
試合再開、エンドラインのスローインからボールを受けた吉田が、一気に加速度をつけハーフラインに持ち込み、エンドライン付近の間宮にジャンピングパス。間宮がカットインしてきた宮澤にパスして宮澤がシュート。60-51(残り2分3秒)
デンソー・伊集が3ポイントシュートを放つが外れ、ボールを運んだ吉田がコーナーで待つ岡本にパス。岡本が3ポイントシュートを沈め、63-51(残り1分37秒)。
残り56秒で、高田真がシュートを決め、63-53。
この後、JX吉田が激しいデンソーのプレッシャーを掻い潜ってボールをキープし、2度のファールをもらうが、試合中断時には、足を引きずって、相当きつそう。
JX、24秒ギリギリ使って、間宮がゴール下でシュート。ファールをもらい、3点プレー。66-53(残り17秒)。
最後は、デンソー・吉田のシュートを、渡嘉敷がブロックショット。
JX66-53デンソー、JX2年連続19回目の優勝!
個人スタッツ
JX
得点 宮澤18、渡嘉敷16、間宮14、吉田10、岡本5
リバウンド 渡嘉敷21、間宮13、吉田7、宮澤4、岡本3
アシスト 吉田6、岡本3、宮澤3、(新原0)
スティール 岡本2、宮澤2、新原2
ブロックショット 渡嘉敷2
デンソー
得点 伊集18、高田真14、高田汐11、伊藤5、吉田5、(牛田0)
リバウンド 高田真10、高田汐6、吉田5、伊集3
アシスト 伊集4、伊藤4、高田汐2
スティール 高田汐3、牛田2
第4ピリオド27点と、“勝ち方を知っている”JXの強さを見せつけた試合だった。
デンソーのインサイドを固めたディフェンスに手を焼いたが、第4ピリオドは、それに怒ったかのような気迫あふれる吉田のプレーだった。
渡嘉敷、間宮、吉田が抑えられていた時、宮澤が得点して繋いだのも勝因のひとつであろう。
デンソーは、渡嘉敷、間宮のJXツインタワーに対して、インサイドを攻めることができず、外郭シュートに頼ったが、中盤、これが決まらなくなったのが痛かった。
牛田や高田汐を絡めて、ペイント内での高田真を起点とするプレーが、対JX戦では必要に感じた。牛田がファールトラブルに陥ったせいもあるが、その牛田と高田汐、伊藤の得点が少なくては勝てない。
JX・吉田のプレータイムは27分24秒。
吉田の負担を軽減するポイントガードの育成が急務。
能力のある若手が多数いるのに、育てる意志がないのか、使う度胸がないのか?
最後に、試合後のインタビューで吉田を長時間使ったことに対しての佐藤HCの言葉をバッシングしたい。
「点数が離れるまでは、吉田を使っていこうと思っていたので。あとは、本人が“どうしても無理だ”と言うのであれば、その時に代えようと思っていた」
吉田は限界が来るまで頑張ることを知っているはず。なのに、この言葉………
≪吉田が潰れるまで使い続ける≫……この人がヘッドコーチであっていいものなのか。
(今大会の準決勝はこちら…JX-富士通【その1】・【その2】、デンソー-トヨタ自動車)
この時と比べて、JXは完調ではないが吉田が復帰している点がプラス材料。マイナス材料は寺田が故障中、準決勝を見る限り、大沼が不調、木林は不出場という状態。
デンソーは伊集がチームを引っ張る存在に成長し、高田汐織も成長著しい。他のレギュラーの高田真希、牛田、伊藤も充実している。大庭が故障中、藤原も完調ではないが、チーム力はアップしている。
第1ピリオド
スターティングメンバーは、JX…吉田、岡本、宮澤、間宮、渡嘉敷。デンソー…伊藤、伊集、高田汐織、牛田、高田真希。
立ち上がり、互いに相手ディフェンスを破ることができず、開始2分半余りまで伊集が吉田を振り切ってドライブシュートを決めたのみ。
しかし、その後は硬さが取れ、徐々にオフェンスがディフェンスを上回り始める。JXは渡嘉敷、間宮にマークが集まる間隙をついて宮澤がミドルシュートを決める。それほど楽なシュートではなかったが、タイミングさえ合えばシュートを決める選手だ。
デンソーは伊集を中心に思い切りよく攻める(3ポイントシュート(高田汐、伊藤、伊集)を含む。伊集が7得点)。5分弱経過して、JX8-13デンソー。
この後の5分は、互いのオフェンスが停滞し、JXは宮澤のゴール下のシュートと渡嘉敷のフリースロー1本の3点、デンソーも伊集のミドルシュートの2点のみで、第1ピリオドはJX11-15デンソーで終了。
スチール→ドリブルシュートミス→リバウンド→イージーシュートミスというガックリするJXのオフェンスもあったが、デンソーはツインタワーを、JXは間宮が高田真をよく抑えていた(高田は0得点)。
故障上がりのJX・吉田が6分12秒でベンチに下がった(新原がインコート)。吉田は動きにややキレがなく、フィールドゴールは0/3、アシスト1、リバウンド1。代わって入った新原だが、攻守の切り替えが早かったので、攻撃を組み立てる機会がなく評価は下せない。
宮沢が4/8のフィールドゴール。意識的に宮澤で攻めているのか、デンソーがツインタワーを優先してディフェンスしているのか私には判断がつかない。ただ、ツインタワーの攻撃機会が少なすぎるように感じた(ふたり合わせて1/2)。
デンソーは、伊集がフィールドゴール4/5で9得点を上げたが、2ポイントシュートが0/6と全く入らなかった(3ポイントシュートは3/7)。ディフェンスはよくツインタワーを押さえていた。
JX・佐藤HC
「相手スリーポイントが4本入っている。しっかりチェックに行ってドライブをさせろ。そうすると、シュートのリズムも狂ってくる」
と指示。
いや、第1ピリオドのままでいいのではないだろうか?
そもそも、3ポイントシュートは3本しか入っていない。まあ、ドライブへの対策がしっかりできているのなら、そういう指示もありなのかもしれないが、JXのディフェンスは有効に働いていたように思う。
第2ピリオド
開始直後は、ファンブルなど互いにターンオーバーの後、シュートをミスした高田真が自らリバウンドを取ってシュート。この試合、初得点。
JXは新原が起用されたが、デンソーディフェンス・伊藤は、シュート力のない新原から離れ気味のポジションで渡嘉敷をマークして守る。このディフェンスを打開できず、開始1分17秒で早くも吉田を投入。ここはもう少し新原を使って突破口を探るか、宮崎を投入してオフェンスを変えるかすべきだろう。(JX、新原→吉田、岡本→大沼、 デンソー、伊集→阿部)
吉田に代わっても、デンソーの変わらずペイント重視のディフェンスで得点を防ぐ、この間、高田が24秒ギリギリで3ポイントラインの付近からジャンプシュートを決め、JX11-19デンソー、8点差。JXは開始3分過ぎても無得点。
ようやく渡嘉敷がオフェンスリバウンドからシュートでファールをもらい、2スローを成功させる。高田真の2回目ファール。
この後、互いにシュートが入らず膠着状態。JXは吉田の2本のジャンプシュートは外れ、間宮がようやくペイントでボールをもらいステップで高田をかわしてシュートするが外れる。デンソーはパスを回してフリーでジャンプシュートを放つが入らない。
このピリオド5分経過して、JX2点、デンソー4点のロースコア。JXは未だにフィールドゴールなし。
5分12秒、吉田をベンチに下げる。オフェンスが停滞していたので良い判断。(JX、吉田→新原、阿部→藤原、高田→伊集)
新原がフローター気味のバンクショットを決め、JX15-19デンソー(5分22秒)。
しかし、新原、伊藤のドライブで簡単に置いていかれ、JX15-21デンソー(5分45秒)。
タイムアウト、JX。
「デイフェンスはしっかり1対1で守る。オフェンスはドライブしてキックアウト」と指示。これに対し、解説の萩原美樹子氏か大山妙子氏か分からなかったが、「デンソーはインサイドを固めているので、ドライブするスペースがない」と疑問視。
ゲーム再開、JXはドライブの隙を窺いながらパスを回すが、突破口を見いだせず24秒オーバータイム。
デンソーもオフェンスが機能せず、オーバータイムになりかけたが、伊集が苦し紛れの3ポイントシュートを放ちネットに沈める。
JXも宮澤がデイフェンダーをかわしドライブシュート。JX17-24デンソー(6分54秒)。
ディフェンスリバウンドを取った新原に、デンソー・藤原が衝突(どちらかというと新原の方からぶつかった)。フリースロー2本中1本決める。
デンソーのジャンプシュートが外れ、JXは素早くボールを運ぶ。ペイントゾーンでボールを受けた間宮が高田真をかわしてシュートJX20-24(7分55秒) 。高田は2ファールなので厳しいチェックはできない。だったら、先ほどのタイムアウトで、間宮で高田真を攻める指示を出せばよかったのでは。
今度は高田が間宮と1対1で攻めるが、間宮がこれをよく防ぎシュートミス。
解説者「デンソーは上の方でしかパスを回してばかり。切り込む縦の動きがあれば、オフェンスが機能してくるのでは」と指摘。
この後も、互いにターンオーバーを犯し、デンソーがタイムアウト。(残り1分)
デンソー・小嶋HC
「ボールの逆サイドの選手がもっと動くように。高田のスクリーンを利用してドライブしろ」
ゲーム再開、しかし、デンソー吉田がトラベリング。
JX新原がドライブからサイドの岡本にキックアウト。岡本の3ポイントは外れたが、渡嘉敷がリバウンドからシュート。JX22-24デンソー、2点差(残り26秒)デンソータイムアウト。
ここでJX、吉田を投入。
え?なぜ?残り26秒でデンソーボール。確かにデイフェンスは新原より上手いが、吉田の消耗を少なくする方が重要ではないのか?デイフェンスだけなら宮崎でもいいだろう。
期待に応えて、吉田は24秒バイオレーション間際でボールをもらった伊集を押さえ切ったが……
吉田は前半のプレータイムは10分33秒とほぼ予定通り。佐藤HCにしては辛抱した。
フィールドゴールは0/5で0得点。アシストも1、リバウンド2。動きにキレを書いていた。前半終了後、控室に戻る際、若干、足を引きずり気味だった。
JXオフェンスは、デンソーのインサイドを固めたディフェンスを攻略できず、デンソーオフェンスもパスを回してフリーを作りシュートを放つが、肝心のシュートが決まらない。縦の動きからのインサイドアウトのパスがないのもシュートがずれる一因だろう。
フィルドゴール成功率は、共に約30%、個人スタッツはJXは宮澤10点、渡嘉敷5点・デンソーは伊集12点、伊藤5点。好調の伊集を第2ピリオド、4分間もベンチに下げていたのは疑問。
JX・渡嘉敷と間宮、デンソー高田真、ともに押さえられていた。後半はそれぞれのディフェンスをどう攻略するかが見所である。
第3ピリオド
スターティングメンバーに変更は無し。
開始直後、吉田の機敏なパスを受けた渡嘉敷がゴールを決め、ワンスロー(牛田のファール)。JX25-24デンソー、JXが初めてリードを奪う。
デンソーはペイントで高田真がジャンプシュートを放つが、間宮に加え、渡嘉敷もブロックショットで防ぎ、外れる。
JXは岡本、吉田が3ポイントシュートを放つが外れる。吉田に対してはやはり引き気味ディフェンスでインサイドを固める。これが奏しているが、リバウンドを立て続けに取られてしまう。吉田がシュートを外した後も、渡嘉敷リバウンドからシュート、さらにリバウンドを間宮が取り、結局、間宮に対し牛田がファール、これが牛田3つ目のファール。フリースローは1本成功でJX26-24デンソー(57秒)
ハーフタイム後、デンソー小嶋HCが「リバウンドやルーズボールを取られてしまっているのが気になる」と話していたが、嫌な展開だ。
この後も、互いにシュートミスやターンオーバーを繰り返すが、デンソーオフェンスの方が機能不全の重篤度が大きい。それでも、ディフェンスは間宮にボールが入ると、素早く収縮しスティールするなどして踏ん張る。
互いに辛抱の時間だが、3分2秒、吉田がゴール下の渡嘉敷にパスを高く通したプレーに対し、牛田が4つ目のファール。デンソー吉田をコートに入れるが、スローインにボールを受けた渡嘉敷が難なくゴール。JX28-24デンソー(3分4秒)。
デンソーのオフェンス。しかし、依然、JXのディフェンスを攻略できず、高田の苦しいシュートが外れる。第3ピリオド、4分近く経過して未だに得点なし。
JXは岡本のスリーポイントを間宮がリバウンドからゴール。30-24(4分9秒)、このピリオドここまで、早くもJX6本のオフェンスリバウンド(デンソーは1本)。得点も8-0と、完全にJXペース。
デンソーは高田真がジャンプシュートを決め、ようやく得点。続いて、厳しいディフェンスで伊集がパスをスティール、流れを変えるかと思われたが、吉田が猛追、伊集のシュートを阻止、さらに、フォーローに入った伊藤にも間を詰め、オフェンスファールを取ったかに思えたが、惜しくもディフェンスファール。しかし、この辺りはさすが吉田である。結局、この後のオフェンスはデンソーのターンオーバー。
JXも宮澤がトラベリング。ここで、デンソー・吉田がドライブから逆ステップでの見事なシュートを決め、踏みとどまる。JX30-28デンソー(5分30秒)。
しかし、オフェンスリバウンドを取った間宮に対し、高田真が3つ目のファール。牛田4ファール(ベンチに)に加え、高田真3ファールと苦しい。間宮が2投とも沈め、JX32-28(5分40秒)。
デンソーのオフェンス、ペイントゾーン中央付近でもらった高田真がジャンプシュートを決めJX32-30デンソーと2点差に(5分54秒)。先ほどのジャンプシュートもそうだったが、ゴールを背にしてボールを受け、振り向いてシュートは難しいと思うが、ネットにスポスポ入れる高田、シュートが上手い。
6分36秒、ここまで8本連続シュートを外してきた吉田が、3ポイントを決める。JX35-30デンソー。吉田にシュートタッチが戻ると、デンソーのディフェンスも難しくなる。
この直前、新原が交代の為スタンバイしていたが、吉田のシュート成功を見て佐藤HC、交代を思いとどまる。しかし、ここは5点リード、ピリオド残り3分なので、吉田を休ませるべきだろう。
デンソー、高田が柔らかいタッチでジャンプシュートを決め、JX35-32デンソー(7分22秒)。この直前、デンソーは伊藤に代え阿部を起用。伊集をポイントガードを任せたが、見事なパスだった。
間宮も負けずに高田真を攻める。3ファールの高田は積極的にディフェンスできない。37-32(7分31秒)。
デンソー・吉田の3ポイントシュートが外れ、JXは岡本がペイント内へ巧みなパス。これを宮澤がうまく合わせそのままシュート。39-32(8分2秒)。
デンソー・伊集の3ポイントシュートが外れる。デンソーの外のシュートがほとんど入らない。
8分25秒、JX吉田が新原とようやく交代。デンソーも阿部を下げ、伊藤をコートに戻す。
伊集が、ドライブからバンクシュッとを決め、39-34(8分55秒)。「宮崎でなく新原を使うのは、宮崎の守備に不安があるから」と解説者は言うが、デンソーは新原をドライブで攻めてくる。高田真のスクリーンを利用してはいたが、新原のディフェンスは良くないと思うがどうなのだろう。
JX・岡本がターンオーバー。デンソー・伊集、今度は宮澤相手にドライブを決め、39-36と3点差に詰め寄る(残り35秒)。
さらに、JXゴール下の渡嘉敷への新原のパスがターンオーバーになり、このピリオド、最後のオフェンス、デンソーは伊藤でなく伊集がボールを運ぶ。そして、そのまま、高田真のスクリーンを利用して、またも新原を振り切り、ブザービーターのドライブシュート!JX39-38デンソーと1点差で第4ピリオドへ。
このピリオド、JXは間宮7点、渡嘉敷5点。デンソーは高田真、伊集が6点。
第3ピリオドまでの通算得点は、JXは宮澤12点、間宮11点、渡嘉敷10点、吉田、新原3点。
デンソーは伊集18点、高田真10点、伊藤5点、高田汐3点、吉田2点。
JXでは岡本が無得点、デンソーは牛田がファールトラブルもあって無得点。
それにしても、完全に7点差でJXペースだったが、吉田がベンチに下がった残り1分35秒で1点差に詰め寄られてしまうとは。
第4ピリオド
デンソーは牛田、高田汐に代わって吉田と藤原がコートに。
お互いターンオーバーの後、岡本が3ポイントシュート。しかし入らず、これをJXがリバウンド。吉田がジャンプシュートを決め、JX41-38デンソー(57秒)。
デンソー・藤原が3ポイントシュートを放つが、外れる。そろそろ、3ポイントシュートの優先順位を下げてもいいのではないだろうか。
吉田がボールを運び、マークが甘いのを見て、再びジャンプシュート。43-38(1分24秒)
たまらずタイムアウト、デンソー。
ここでの小嶋HCが面白かった。
高田真希に、「ローポストでボールをもらうのと、スクリーンを使って入るのと、どっちがいいか」を尋ねて、「スクリーン」という要望に、「今のままのスクリーンではうまく行かないから、スクリーンの角度を変えよう」と指示。
しかし、その後2回のオフェンス(JXも1回オフェンス失敗)はうまく行かなかった(高田真が良い位置でボールをもらえない)が、リバウンドを粘って、3度目の攻撃で伊藤がドライブで切り込んで、サイドの高田真にナイスパス。しかし、あまりにフリーになり過ぎたせいか、高田のジャンプショットが外れる(残り7分29秒)。
JXのオフェンス、吉田からパスをもらった渡嘉敷が、マークするデンソー・吉田を押しのけるようなドライブを決め、45-38(残り7分18秒)。
さらに、ボールを運ぶデンソー・伊藤に対し、ハーフライン付近で間宮と吉田がダブルチーム。苦しいパスを岡本がスティール、そのままドリブルシュート、47-38と瞬く間に9点差(残り7分7秒)。
デンソータイムアウト。吉田と藤原を下げ、牛田と高田汐を投入。
小嶋HC、いろいろ指示を出したが、オフェンスは機能せず、高すぎる位置でボールをもらった高田真がドライブするが吉田がスティール、そのままドリブルシュート。49-38(残り6分44秒)
デンソー・牛田のシュートミス。JX・吉田が中央サークル付近から、虚を突いてゴール下の渡嘉敷にパスを通し、13点差。
デンソー・伊集のドライブも外れ、JX宮澤がゴール下へドライブ&ターンアラウンドシュートで15点差(残り5分40秒)。
デンソー、タイムアウト。
小嶋HC、ディフェンスにオフェンスに関して、あれこれ早口で指示を出すが、おそらく、その前のタイムアウトも、選手は頭に入ってないのだろう。ちょっと、指示が多すぎるのではないだろうか。
JX、吉田をベンチに下げ、新原がコートに。
指示が功を奏したのか、伊集からゴール下にカットインした高田汐にパスが通り、53-40(残り5分30秒)。
JX、岡本ターンオーバー、新原シュートミスと、デンソーにチャンスが来るが、高田汐の3ポイントシュート、高田真のジャンプシュートが外れ、点差が縮まらない。
さらに、JX・新原がターンオーバーを犯し、デンソー・高田汐が3ポイントシュートを決め、53-43(残り4分8秒)。残り4分で10点差は逆転可能だ。
JX、タイムアウト。
吉田をコートに戻す。新原には申し訳ないが、ほとんど、ポイントガードの役割を果たせていない(この試合だけではなく、ここ数年である)。
「ボール運びは岡本に任せ、フロントコートに入ったら吉田にボールを渡す」という指示。さらに、「まだ4分もある。気を抜いちゃダメだ」と締める。
指示通り、岡本がボールを運ぶが、デンソーは岡本に2人で寄りつき、パスを出させない。岡本はドリブルで二人を振り切りドライブシュート。しかし、流石に体勢が崩れミス。
デンソーのオフェンス。JXの激しいプレッシャーの中、高田真に何とかボールを回し、ミドルシュート。しかし、これが外れ、吉田がリバウンド。そのまま、ドリブルでゴール下にドリブルシュート。高田真のファール(4ファール)をもらい、フリースロー。2本目を外したが、渡嘉敷がオフェンスリバウンド(カメラの角度が悪くて見えなかったが、渡嘉敷が牛田を引っ張ったような、牛田の転び方ではあった)からシュートで再び、13点差(残り3分35秒)。
デンソーは高田真がロングシュート(2ポイント)を決め、あきらめない。56-45(残り3分25秒)。
しかし、JXはショットクロックいっぱいまでパスを回し、宮澤がバンクシュート。58-45(残り2分58秒)。
デンソーも、高田汐が3ポイントライン1m後方から、3ポイントシュートを決め、58-48(残り2分50秒)。
さらに、渡嘉敷のゴールが外れた後、デンソー・吉田が3ポイントライン1m後方から、3ポイントシュートを決め、58-51と7点差(残り2分10秒)。
JX、タイムアウト。
「ドライブをされてもいいから、3ポイントを打たせるな」と指示。
試合再開、エンドラインのスローインからボールを受けた吉田が、一気に加速度をつけハーフラインに持ち込み、エンドライン付近の間宮にジャンピングパス。間宮がカットインしてきた宮澤にパスして宮澤がシュート。60-51(残り2分3秒)
デンソー・伊集が3ポイントシュートを放つが外れ、ボールを運んだ吉田がコーナーで待つ岡本にパス。岡本が3ポイントシュートを沈め、63-51(残り1分37秒)。
残り56秒で、高田真がシュートを決め、63-53。
この後、JX吉田が激しいデンソーのプレッシャーを掻い潜ってボールをキープし、2度のファールをもらうが、試合中断時には、足を引きずって、相当きつそう。
JX、24秒ギリギリ使って、間宮がゴール下でシュート。ファールをもらい、3点プレー。66-53(残り17秒)。
最後は、デンソー・吉田のシュートを、渡嘉敷がブロックショット。
JX66-53デンソー、JX2年連続19回目の優勝!
個人スタッツ
JX
得点 宮澤18、渡嘉敷16、間宮14、吉田10、岡本5
リバウンド 渡嘉敷21、間宮13、吉田7、宮澤4、岡本3
アシスト 吉田6、岡本3、宮澤3、(新原0)
スティール 岡本2、宮澤2、新原2
ブロックショット 渡嘉敷2
デンソー
得点 伊集18、高田真14、高田汐11、伊藤5、吉田5、(牛田0)
リバウンド 高田真10、高田汐6、吉田5、伊集3
アシスト 伊集4、伊藤4、高田汐2
スティール 高田汐3、牛田2
第4ピリオド27点と、“勝ち方を知っている”JXの強さを見せつけた試合だった。
デンソーのインサイドを固めたディフェンスに手を焼いたが、第4ピリオドは、それに怒ったかのような気迫あふれる吉田のプレーだった。
渡嘉敷、間宮、吉田が抑えられていた時、宮澤が得点して繋いだのも勝因のひとつであろう。
デンソーは、渡嘉敷、間宮のJXツインタワーに対して、インサイドを攻めることができず、外郭シュートに頼ったが、中盤、これが決まらなくなったのが痛かった。
牛田や高田汐を絡めて、ペイント内での高田真を起点とするプレーが、対JX戦では必要に感じた。牛田がファールトラブルに陥ったせいもあるが、その牛田と高田汐、伊藤の得点が少なくては勝てない。
JX・吉田のプレータイムは27分24秒。
吉田の負担を軽減するポイントガードの育成が急務。
能力のある若手が多数いるのに、育てる意志がないのか、使う度胸がないのか?
最後に、試合後のインタビューで吉田を長時間使ったことに対しての佐藤HCの言葉をバッシングしたい。
「点数が離れるまでは、吉田を使っていこうと思っていたので。あとは、本人が“どうしても無理だ”と言うのであれば、その時に代えようと思っていた」
吉田は限界が来るまで頑張ることを知っているはず。なのに、この言葉………
≪吉田が潰れるまで使い続ける≫……この人がヘッドコーチであっていいものなのか。
毎回のことながら、非常に詳細な記述と分析をされています。そして今回は、ほとんどの部分で私の印象、感想と重なっています。ですので、私はコメントしたい部分のみを書きたいと思います。(最近とても忙しくて疲れ気味です)今回私は決勝の録画を残しておきましたので、気になるところはもう一度見直しました。
第1Qで、JXのツインタワーの攻撃機会が少なかったということですが、まずJXのアウトサイドがインサイドにボールを入れることを第1優先にしていませんね。あいていたり自分が1対1ができる状態ならば、自分のオフェンスが優先です。そして、そういう状態が多く現れたし、ツインタワーも早めにポストアップをしていません。で、結果、ツインタワーの攻撃機会が少なかったということだと思います。
佐藤HCの指示ですが、確かに3Pは3本ですね。ですが、7本中3本ですので、確立は4割を超えています。なので、3Pをケアする、という指示はあながち間違ってはいない気がします。また、2Pは10本中3本ですので、3割ですから、英さんがおっしゃるように、他の面ではディフェンスは上手く行っている、とも言えます。1Q15点に抑えていれば、よくやっていると言えると思います。ディフェンスよりオフェンスが問題ですね。
また、ドライブをさせろ、という指示ですが、一般に、オフェンスでドライブが多くなると、パスが回らなくなり、オフェンスが重たくなる傾向があります。「シュートのリズムも狂ってくる」というのは、このあたりのことも含んでいるのだと思います。
第2Qで、「スペースがない」と言っていたのは萩原美樹子さんでした。また、お説の通り、2ファールの高田真を攻める指示を出すべきでしたね。
藤原と新原の接触ですが、新原がリバウンドを取りにジャンプして、着地する地点に藤原がいて、衝突しました。これは藤原のファールです。選手がジャンプして、降りる地点に他の選手はいてはいけない、というのがルールです。(危険なので)
長くなりましたので、一度切って、再度コメントします。
第2Qからは、すでにJXの流れになっていましたね。特にそれを感じるのは、デンソーのオフェンスの動きが止まってしまったことです。第1Qの動きと比べると、それが特によくわかります。小嶋HCも言っていましたが、ボールマン以外の選手がほとんど、あるいは全然動いていません。JXはそうなっても、渡嘉敷や間宮がオフェンスリバウンドを取って、得点につなげていけるところが強みです。第2Qの最後の方では、そういう流れになっていました。
2Q最後の吉田の投入。私も、ここまでやるか、と思いましたが、前半終わりの流れを絶対に渡したくない、という佐藤HCの執念を感じました。吉田のヒザの状態は、後でも述べますが、ここでは無視というか、勝負に徹して非情な采配となっています。勝負の結果としては、成功だったと言えるでしょう。
第3Qからは、「吉田劇場」の始まりでした。前半とは別人のようなプレーぶりでしたね。吉田がいるときは、オフェンスに流れと安定感を生み出し、ディフェンスではチーム全体が締まった固い守備になっていました。シュートもここは、という所で何本も決めましたし、シュートブロックもありました。プレータイムが十分ではなかったにもかかわらず、ベスト5に選ばれていたのも当然だと思います。この試合のMVPでしたね。
逆に新原はオフェンスでもディフェンスでもほとんど貢献できていませんでした。この状態ならば、私もなぜ宮崎を使わなかったのか、疑問です。萩原さんは、「宮崎はディフェンスが」と言っていましたが、新原だってスコスコ抜かれていましたから。7点差が1点差になったのは、全部新原のところですからね。
吉田の3Pを見て、交代をキャンセル、は私も非情だと思いましたが、新原の惨状を後で見れば、それも勝負師としての判断かな、と。ケガ明けの選手にとっては、もちろん望ましくはありません。
第3Qでは、吉田が目覚め、JXのオフェンスリバウンドが増え(7本)、デンソーのインサイド陣のファールが増えるという状況で、点差こそ1点でしたが、流れはJXに傾いていたと思います。JXのマイナスは、はっきり言って新原だけでした。
もう一度切ります。
しかし、新原がつなげない。で、また吉田が出るしかない。最後、時間が少なくなったところで、交代もできたでしょうが、きれいな最後で締めくくりたい、と佐藤HCが考えたのでしょうね。最後まで吉田で押し切りました。
小嶋HCの指示ですが、以前も私のブログで指摘したのですが、まだちょっと、コーチと選手の信頼関係が今一つな気がしています。コーチは信頼を得ようとあせっている感じ。選手はまだ信頼を寄せきれずに様子をうかがっている感じがします。(うがちすぎでしょうか)以前の冷たい空気はないと思いますが、まだ指示が空回り気味に見えます。英さんがおっしゃるように、一度にたくさんのことを言いすぎているように感じます。
また、昨年のファイナルでも高田真はJXに抑えられて、ほとんど得点できなかった記憶があります。デンソーはその解決策というか、対策を練ってきたのでしょうか。私にはそれが感じられませんでした。その場その場の思い付きの指示しかなかったようにしか感じられません。準備をしてこなかったように思います。これではJXには勝てないでしょうね。一昨年、トヨタが半年前から皇后杯決勝でのJX用の戦術を準備して優勝したことを教訓として欲しいです。
吉田の後継者ですが、まず有望選手をスカウトし、何年かかけて育てる、ということになりますが、これまでは吉田がまだ若かったこともあり、ほとんどやってこなかった状態だと思います。大神もいましたし、その必要を感じていなかったのでしょうね。(飼い殺しになる可能性も高いですし、選手自身や指導者も行かない、行かせない、ということもあったかもしれません)そして、ようやく昨年、宮崎と山田を取りましたから、これから2、3年かかるのではないでしょうか。(でも、吉田もまだ27歳なんですよね)また、今季前にベテランを補強する、という手もあったと思いますが、JXは新人を育てることに賭けたのかもしれません。
最後に、佐藤HCのコメントですが、英さんが酷いコメントとおっしゃっていたので、そういうものだと思っていたのですが、最初に聞いたときは、案外自然に聞こえました。選手のケガの状態は、選手に判断させる、ということですよね。(責任逃れで思い切り卑怯だとも言えます)
私が、吉田に関してあまりかわいそうだと思わなかったのは、27歳という年齢と、彼女の豊富なキャリアを考えたからという気がします。つまり、彼女ほどの選手なら、結果を考えられただろうし、ノーということもできたのではないか、あるいは、無理をしても優勝したい、と思ったのかもしれない、ということです。
皇后杯後のリーグ戦に、4試合連続で吉田は欠場しています。先週末のトヨタ紡績戦では、敗戦を喫しました。もしかすると、かなり悪化させたかもしれません。今年の五輪予選には間に合わない可能性があります。
しかし、バスケットボール協会そのものが国際試合を禁止されている状態、そして、昨年の世界選手権でも、吉田はケガのため出場できなかった。運、不運が人生につきものですが、吉田はまずは目の前の試合の結果が欲しかったのかもしれません。
若い選手なら、私も怒りに燃えたことでしょう。しかし、今回は、少し同情する気持ちもありますが、吉田と佐藤HCの意志と運命を見守り、これもひとつの人生、と思う気持ちの方が強いです。でも、英さんのご意見もよくわかります。
まだまだ書くことはできそうな気がしますが、今回はここまでにしておきたいと思います。またコメント返しをするかもしれません。それでは長いコメントで失礼しました。今回の英さんの記事は凄かったので、こちらも力をコメントさせていただきました。
力を込めてくださったコメント、ありがとうございました。
長くなりそうなので(笑)、さっそく本題に入らせていただきます。
>あいていたり自分が1対1ができる状態ならば、自分のオフェンスが優先です
なるほど。
これがベンチの指示なのか、相手ディフェンスに対応した選手の判断なのか分かりませんが(どちらかと言うと後者のような気がします。理由は後ほど)、確かに、インサイド優先のオフェンスではなかったように思います。
>7本中3本ですので、確率は4割を超えています。なので、3Pをケアする、という指示はあながち間違ってはいない気がします
一般的にはこの考えは正しいと思いますが、第1ピリオド開始3分~4分の1分間に立て続けに3本決められただけで、その後は防いでいて、ディフェンスをことさら変更する必要はないと考えます。佐藤HCはその1分間の印象に囚われ過ぎてしまっただけのように思います。
>一般に、オフェンスでドライブが多くなると、パスが回らなくなり、オフェンスが重たくなる傾向があります。「シュートのリズムも狂ってくる」というのは、このあたりのことも含んでいるのだと思います。
そうなんですか。
…ええ、確かに、ドライブシュートやインサイドのパワープレーが多いと、シューターのリズムは狂いそうです。
ただ、インサイドアウトのパスはシュートしやすいと考えます。ゴールと正対してパスをもらうという利点はよく言われています。私はそれに加えて、インサイドのパスは「シュートを打て」という意思を感じるので、シュートの踏ん切りがつくということも大きいと考えます。
外だけ回すパスは、自分の所にパスが来ても、「もっと回した方が良いんじゃないか」という迷いが生じるように思います。ディフェンダーもつきやすいですし。
>藤原と新原の接触ですが、新原がリバウンドを取りにジャンプして、着地する地点に藤原がいて、衝突しました。これは藤原のファールです。選手がジャンプして、降りる地点に他の選手はいてはいけない、というのがルールです
これについてですが、一般的にはそうだと思います。しかし、このプレーの場合は、新原が飛び込んで着地した地点に藤原がいたという状況でした。なので、藤原にとっては“気の毒”だったという意味で「新原の方からぶつかった」と書きました。
あと、接触プレーの場合は、ダメージを与えた方がファールを取られるという傾向もあり、エスカルゴさんの指摘した危険性の問題と加味して、藤原のファールというのは仕方がないと思います。
(私も、いったん切ります)
>デンソーのオフェンスの動きが止まってしまったことです。第1Qの動きと比べると、それが特によくわかります。小嶋HCも言っていましたが、ボールマン以外の選手がほとんど、あるいは全然動いていません
なるほど、オフェンスシステムは変わっていなかったと思いましたが、ボールを持っていないプレーヤーが動いていなかったのですね。そう言えば小嶋HCもそう注意していましたね。
おそらく、第1ピリオドの途中から、シュートが入らなくなって、シュートを成功させるため、待ってパスをもらおうとしたのでしょう。
あと、この試合、デンソーの伊藤が元気がなかったように思います。オフェンスが停滞していたのなら、得点は取れなくても伊藤と伊集で吉田のところを攻めるべきでした。
新原の使えなさ、吉田の敢闘ぶりは全くの同意です。
(今回のレスで、私が言及しないエスカルゴさんのご意見については、上記のように“激しく同感”だと解釈ください)
>昨年のファイナルでも高田真はJXに抑えられて、ほとんど得点できなかった記憶があります。デンソーはその解決策というか、対策を練ってきたのでしょうか。私にはそれが感じられませんでした。
JX対策ですが、本文でも述べましたが、PG(吉田、新原)へのチェックは甘くして、ペイント内を守るという工夫をしており、ある程度効果はありました。(これによって、第1ピリオドはツインタワーのオフェンスがなかったのではと考えました)
ただ、オフェンス面では何も対策を練っていなかったですね。先述したように、吉田をドライブで攻めたり、牛田や高田真をスクリーンに使ってのジャンプシュート(高田の場合はピックアンドロールで高田がシュートしてもよい)で攻めてもよかったと思います。
JX以外だと、高田ひとりで何とかできてしまうので、それに甘えてしまったと言えるでしょう。
吉田の起用法ですが
>27歳という年齢と、彼女の豊富なキャリアを考えたからという気がします。つまり、彼女ほどの選手なら、結果を考えられただろうし、ノーということもできたのではないか
なるほど。
吉田と佐藤HCの力関係は、これまでのJXへの貢献ぶりで、吉田>佐藤HCなのかもしれませんね。
ただ、
>昨年の世界選手権でも、吉田はケガのため出場できなかった
を考えると、だからこそ、無理をさせてほしくなかったです。
いやあ、ここ数年そうですが、全日本総合バスケットの記事は大変です。
今回は、準決勝第1試合でかなり精力を使ったので、決勝はほどほどにしようと思ったのですが、書いているうちに力が入ってしまいました(第1ピリオドは抑制できたのですが)
これと言うのも、エスカルゴさんのプレッシャー(笑)、いえ、応援の力です。
力のこもったコメント、本当にありがとうございました。