…………残念。
羽生九段が果敢に動いていったが、少し無理気味で、腰が伸び切って攻めているような感じ。
佐々木七段が羽生九段の攻めを受け止めつつ、反撃の態勢を整えており、局勢をリードしている。
ただ、羽生九段もリードを広げさせずに追走している……
そんな中で、佐々木七段が力を見せたのが第1図。
後手の羽生九段が△3九飛と飛車を打ちこんで、次に△3七成銀と懸案だった成銀を活用させようとした。
この成銀は、もともと3九に先手の飛車と金に割打ちの銀を打ったモノ。それが功を奏して飛角交換を果たしたものの、3九→2八→2七と手数をかけた割には活躍できていない。まさに“懸案事項”なのである。
………▲7八玉!
後手の思いを見透かすような一着だ。
以下、△3七成銀に▲5八金。
桂を取られる間に、玉も金もその成銀との距離を保つ。そしてそれ以上に、玉と金が先手の8八と7七の金銀に近づいたことで、先手玉の安全度が高くなったことが大きい。
それでも、将棋というモノは難しいもので、
《もしかしたら、潮目が変わるかも》と感じる局面が訪れた。
ここで△4三桂と銀取りに打つ手があった。
▲6六銀と逃げれば、直前に伸ばされた歩を△6四飛と取り去ることができる。
それが嫌なら、銀を逃げる前に▲7四角△同歩と飛角交換すればよいのだが、それはそれで△6九角が残る。
なので、直前の▲6四歩ではもう一手▲6八金と寄っておくのが正着だった。
しかし、羽生九段は△2八龍?
当然の▲6八金に△4三桂?
△2八龍と▲6八金の手の交換は、後手の大損だ。さらにこの後、8八の銀を7九に引いて6八の金を支えたのが好手で、玉を8七へかわすことを可能にした。
この手を見て、《勝つのは難しいな》と。
………その後、佐々木七段は着実に差を広げ、勝ち切った。
終盤、羽生九段に2枚龍と“懸案”の成銀で迫られた(迫らせた)が、怖がることなくきっちり見切って、踏み込んだ。
綺麗な勝ち方だった。
これで、佐々木七段は棋聖戦と王位戦で藤井六冠とタイトル戦の番勝負を戦うこととなった。
正攻法。
これまで藤井六冠とタイトル戦を戦った誰よりも、将棋の質は藤井六冠に近いような気がする。
だからこそ、佐々木七段なら藤井将棋の隙間も見えるかもしれない。どんな将棋になるか、どんな戦いになるか、非常に楽しみ。
この《五番勝負+七番勝負》を経て、佐々木七段が恐ろしく強くなっているなんてこともあり得る。
羽生ファンとしては、豊島九段、永瀬王座、石井六段、服部六段、徳田四段の非常に険しい山を乗り越えての決定戦だっただけに、残念な敗戦ではある。
それでも、まだまだ、羽生将棋を楽しめる感触を得られたリーグ戦だった。
それにしても、”31年連続リーグ残留以上”と言う記録は凄すぎる。6人で2人しか残留できないリーグを、一度も陥落していないというのは、凄いとしか言えない。
会長職という不安要素……《会長職の激務、さらに連盟百周年もあり、将棋に専念できないのではないか?》いや、《心の中では、“対局・将棋には一区切り”と思っているのではないか?》と心配している。
羽生九段が果敢に動いていったが、少し無理気味で、腰が伸び切って攻めているような感じ。
佐々木七段が羽生九段の攻めを受け止めつつ、反撃の態勢を整えており、局勢をリードしている。
ただ、羽生九段もリードを広げさせずに追走している……
そんな中で、佐々木七段が力を見せたのが第1図。
後手の羽生九段が△3九飛と飛車を打ちこんで、次に△3七成銀と懸案だった成銀を活用させようとした。
この成銀は、もともと3九に先手の飛車と金に割打ちの銀を打ったモノ。それが功を奏して飛角交換を果たしたものの、3九→2八→2七と手数をかけた割には活躍できていない。まさに“懸案事項”なのである。
………▲7八玉!
後手の思いを見透かすような一着だ。
以下、△3七成銀に▲5八金。
桂を取られる間に、玉も金もその成銀との距離を保つ。そしてそれ以上に、玉と金が先手の8八と7七の金銀に近づいたことで、先手玉の安全度が高くなったことが大きい。
それでも、将棋というモノは難しいもので、
《もしかしたら、潮目が変わるかも》と感じる局面が訪れた。
ここで△4三桂と銀取りに打つ手があった。
▲6六銀と逃げれば、直前に伸ばされた歩を△6四飛と取り去ることができる。
それが嫌なら、銀を逃げる前に▲7四角△同歩と飛角交換すればよいのだが、それはそれで△6九角が残る。
なので、直前の▲6四歩ではもう一手▲6八金と寄っておくのが正着だった。
しかし、羽生九段は△2八龍?
当然の▲6八金に△4三桂?
△2八龍と▲6八金の手の交換は、後手の大損だ。さらにこの後、8八の銀を7九に引いて6八の金を支えたのが好手で、玉を8七へかわすことを可能にした。
この手を見て、《勝つのは難しいな》と。
………その後、佐々木七段は着実に差を広げ、勝ち切った。
終盤、羽生九段に2枚龍と“懸案”の成銀で迫られた(迫らせた)が、怖がることなくきっちり見切って、踏み込んだ。
綺麗な勝ち方だった。
これで、佐々木七段は棋聖戦と王位戦で藤井六冠とタイトル戦の番勝負を戦うこととなった。
正攻法。
これまで藤井六冠とタイトル戦を戦った誰よりも、将棋の質は藤井六冠に近いような気がする。
だからこそ、佐々木七段なら藤井将棋の隙間も見えるかもしれない。どんな将棋になるか、どんな戦いになるか、非常に楽しみ。
この《五番勝負+七番勝負》を経て、佐々木七段が恐ろしく強くなっているなんてこともあり得る。
羽生ファンとしては、豊島九段、永瀬王座、石井六段、服部六段、徳田四段の非常に険しい山を乗り越えての決定戦だっただけに、残念な敗戦ではある。
それでも、まだまだ、羽生将棋を楽しめる感触を得られたリーグ戦だった。
それにしても、”31年連続リーグ残留以上”と言う記録は凄すぎる。6人で2人しか残留できないリーグを、一度も陥落していないというのは、凄いとしか言えない。
会長職という不安要素……《会長職の激務、さらに連盟百周年もあり、将棋に専念できないのではないか?》いや、《心の中では、“対局・将棋には一区切り”と思っているのではないか?》と心配している。
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