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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0440

2021-01-12 06:58:09 | 古今和歌集

あきちかう のはなりにけり しらつゆの おけるくさばも いろかはりゆく

秋近う 野はなりにけり 白露の 置ける草場も 色変はりゆく

 

紀友則

 

 野では秋が近くなってきた。白露の置く草場も色が変わってゆく。

 「近う」は形容詞「近し」のう音便ですが、和歌で音便形が使われるのは珍しいことのようです。そうすることで「あきちかう のはなりにけり」と「きちかうのはな(桔梗の花)」を詠み込んでいますので、物名歌ならではというところでしょうか。(物名歌以外では音便形は使われないという意味ではありません。念のため。)