漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0448

2021-01-20 19:59:25 | 古今和歌集

うつせみの からはきごとに とどむれど たまのゆくへを みぬぞかなしき

空蝉の からは木ごとに とどむれど 魂のゆくへを 見ぬぞ悲しき

 

よみ人知らず

 

 蝉の抜け殻は木ごとに残るけれど、その魂の行方を知ることができないのが悲しい。

 人は亡くなってその亡骸は棺にあっても魂の行方は知れない。その悲しみを、蝉の抜け殻になぞらえて詠んでいます。隠し題は「からはきごとに」に詠み込まれた「からはぎ(唐萩)」ですが、どのような植物かはわかっていません。