漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0447

2021-01-19 19:14:17 | 古今和歌集

ほととぎす みねのくもにや まじりにし ありとはきけど みるよしもなき

ほととぎす 峰の雲にや まじりにし ありとは聞けど 見るよしもなき

 

平篤行

 

 ほととぎすは峰の雲にまぎれてしまったのだろうか。声が聞こえるのでそこにいることはわかるが、姿は見るすべもない。

 ストレートな表現で歌意はわかりやすいですね。隠し題はわかりづらいですが、「みねのくもにや まじりにし」に詠み込まれた「やまし」。キク科の多年草花菅(ハナスゲ)の古名です。
 作者の平篤行(たいら の あつゆき)は平安時代前期の貴族にして歌人。勅撰集には、古今集のこの歌が唯一の入集です。