漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0431

2021-01-03 19:18:42 | 古今和歌集

みよしのの よしののたきに うかびいづる あわをかたまの きゆとみつらむ

みよしのの 吉野の滝に 浮かび出づる 泡をか玉の 消ゆと見つらむ

紀友則

 吉野川の滝に浮かぶ泡を、玉が消えるのか驚いて見たことだろうか。

 誰が見たのかが良くわからず、今一つ解釈が釈然としません。意訳のため「驚いて」をおぎなってみましたが、それでも良くわからないですね ^^;;  最後の一節を「見ゆらむ」としている写本も多いとのことです。それならばその主語は友則自身ということになるので、歌意としてはそちらの方がすっきりしますね。
 隠し題は「あわをかたまの きゆとみつらむ」に詠み込まれた「をがたまの木」。「めどに削り花」「かはな草」とともに古今伝授の「三木(さんぼく)」の一つとされています。