こりずまに またもなきなは たちぬべし ひとにくからぬ よにしすまへば
こりずまに またもなき名は 立ちぬべし 人にくからぬ 世にし住まへば
よみ人知らず
懲りもせず、またもありもしない噂が立つことだろう。人に関心を持たずにはいられない世の中に住んでいるのだから。
「人にくし」は不愛想である意。なので「人にくからぬ世」は人々が不愛想ではないこの世の中ということで、とかく他人に関心を持ち、人の噂話を皆が好むこの世に暮らしているのだから、またありもしない噂が立つことだろう、というわけです。