漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 040

2023-05-26 05:57:16 | 貫之集

つねよりも てりまさるかな あきやまの もみぢをわけて いづるつきかげ

つねよりも 照りまさるかな 秋山の 紅葉をわけて 出づる月影

 

秋の山も紅葉をかきわけるようにして出てくる月の光は、いつにもまして照り輝いていることよ。

 

 山全体が赤くそまったかのような秋の山々、その山間から顔を出す月、息を呑むような美しさが想像できますね ^^

 本歌は拾遺和歌集(巻八 「雑上」 第439番)にも採録されていますが、そこでは第三句「秋山の」は「山の端の」となっています。秋歌ではなく雑歌に分類されているのはそのためでしょうか。「紅葉」という言葉も入ってるんですけどね。。。(謎)