漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 018

2023-05-04 05:35:40 | 貫之集

衣うつ

かぜさむみ わがかりころも うつときぞ はぎのしたばは いろまさりける

風寒み わが狩衣 うつときぞ 萩の下葉は 色まさりける

 

衣うつ

風が寒いので、夫への思いをこめて夫の狩衣を砧で打っていると、萩の下葉はいっそう濃く色づいて秋の寂しさを感じさせるのです。

 

「狩衣」は、男性貴族の平服であった「かりぎぬ」のことで、和歌の中では「狩衣」と歌われました。いわゆる「歌語」ですね。拾遺和歌集(巻第三「秋」 第187番)にも採録されています。