きみやこし われやゆきけむ おもほえず ゆめかうつつか ねてかさめてか
君や来し 我や行きけむ 思ほえず 夢かうつつか 寝てかさめてか
よみ人知らず
あなたが来たのか私が出かけて行ったのかも、夢だったのか現実だったのかも、寝ていたのか起きていたのかもわかりません。
次の 0646 とともに伊勢物語第69段に載る歌。詞書には、「業平が伊勢の国に行った時、斎宮(伊勢神宮に奉仕する女性)であった人に密かに逢い、次の朝に人を使って連絡をとる手段もなく思い悩んでいる間に、相手から寄せられた」とあります。