漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0934

2022-05-21 05:30:19 | 古今和歌集

いくよしも あらじわがみを なぞもかく あまのかるもに おもひみだるる

いく世しも あらじわが身を なぞもかく 海人の刈る藻に 思ひ乱るる

 

よみ人知らず

 

 そう長くは生きられないであろうわが身なのに、どうして漁師が刈る藻のごとく思いが乱れるのであろうか。

 余命を自覚したことに伴う心の乱れを詠んだ歌ですが、「乱れ」の比喩として「漁師が刈る藻」というのは少し珍しいでしょうか。刈った藻が海辺に散乱している状態を想定しているのでしょう。



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