しかりとて そむかれなくに ことしあれば まづなげかれぬ あなうよのなか
しかりとて そむかれなくに 事しあれば まづ嘆かれぬ あな憂世の中
小野篁
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そうだからといって出家・隠遁することもできないのに、何か事があるとまっさきにため息をついてしまうのだ。ああ、つらい世の中だ、と。
第二句の「そむく」はここでは世の中に背を向ける、すなわち出家・隠遁する意。第二句「そむかれなくに」の「れ」、第四句「まづ嘆かれぬ」の「れ」はいずれも自発の助動詞「る」の未然形で、「自然と~される」「~せずにはいられない」意ですね。