漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 064

2023-06-19 04:43:32 | 貫之集

海のほとりに生ひたる松のもとに、道行く人の休みたるところ

いくよへし いそべのまつぞ むかしより たちよるなみや かずはしるらむ

幾代へし 磯辺の松ぞ むかしより 立ち寄る波や 数は知るらむ

 

海のほとりに生えている松の下で、道行く人が休んでいるところ

どんなに長い年月を経た磯辺の松であろうか。昔から寄せ来る波が、その数を知っていることであろう。

 

 拾遺和歌集(巻第十八 「雑賀」 第1169番)にも入集している歌。一体どれほどの樹齢なのかと思わずにいられないほど枝を大きく広げ、従ってその木蔭も広い松の下で旅人が休んでいる光景ですね。もちろん具体的にはわからないその樹齢を、寄せ来る波は知っているであろうという詠歌です。

 



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