夢を見た。しかも、数ヶ月前の夢の続編だった。
しばらく寝付けなくなって、パソコンを繋いで、今、ここに来ている。
学生時代、中国大陸を旅した。
バックパック一つで、大学の学生寮に泊まりながら、2ヶ月ほど。
その時に知り合った女性に恋をした。
東京に住んでいた。僕は、大阪の大学で、下宿をしていた。
同じ船で日本に戻り、再会を誓った。
1年間長距離でのお付き合いだったけれど、彼女はそれに耐えられず、
僕の元を去っていった。
風の噂で、僕と同じ頃に結婚し、名字が変わったことを知った。
つい、何ヶ月か前、その彼女の夢を見た。
同窓会みたいで、当時の共通の友達もいっしょに
2階の座敷のようなところで集まって、お酒を飲んでいた。
僕たちは、なんとなく離れた席に座り、それぞれの友人同士で語り合っていて、
お互い会話をすることなく、時間が過ぎていった。
友人達も僕たちの顛末を知っているから、僕たちの話題に触れようとしなかった。
お開きの時間がせまる直後のことだった。
彼女が僕のところに来た。
”久しぶりね。元気にしている?”
”ああ。まあね。あなたは?”
”元気よ。”
こういうときの僕は、逢いたくて、話したくて、堪らないはずなのに、何気ない返事をしてしまう。
それすら、彼女は知っているように、そのまま会話を続けた。
彼女の左手の薬指の指輪を見て、家庭についてのことは、聞く気になれなかった。
そのくすみ、傷を見るだけで、充分幸せなのだろうと想像はついた。
”どうしているの、今は。”
”仕事でね、海外に住んでいるよ。
今回は、たまたま日本にいるときに、呼ばれて出席したんだ。”
”夢は叶った?”
”あの頃の夢はね。でも、まだまだだけれど、それに向かっていると思える。”
”お母さんや家族はみんな元気?”
”元気よ。”
彼女のお母さんには、当時、僕が東京に行く度にお世話になっていた。
”でもね、お父さんの仕事の調子が悪いみたいで、お金に困っているみたいなの。”
”そうなんだ。大丈夫かい?”
”わからない、わからないの。具体的なことは何も。”
”そっか。心配ないから。”
全く持って、無責任な言葉だろうと思った。
心配ないって?どうして?なぜそれが僕にわかるの?
話を聞きながら、お金のことは大嫌いだと思った。お金が絡むと、人はいつも心が汚くなる。
そして、彼女はそっと僕に小さなメモを渡した。
”連絡先。”
と、一言だけ行った。
そこには、携帯電話の番号だけ、書かれていた。
そこで、目が覚めた。
あまりにリアルすぎて、頭痛がしていた。
ドイツはとても暑くて、寝苦しかった。
冷たい水で顔を洗いにいって、ミネラルウォーターを飲んで、
また、布団に潜り込んだ。
僕は、彼女に、自分の連絡先を渡しただろうか?
なんて、夢に対して、反省をしていた。
夢と現実の判断が未だに付いていなかったのだろう。
そして、今晩。。
また、彼女の夢を見た。
というか、夢の続きだった。
出張中のホテルだった。
その日一日の仕事が終わり、ホテルの電話から、仕事場に報告と、
自宅に無事の連絡の電話をした後、
ふと、カードケースから、彼女から貰ったメモが出てきた。
何を思ったか、電話してみようと思って、ダイアルした。
もちろん、海外からだし、何を思ったわけではなく。。
ダイアルのトーンが聞こえてきた。
”もしもし?”
向こうから、全然違う女性の声が聞こえてきた。
少し、声のトーンが高く、丁寧に、でも、どこか機械的な声だった。”
僕は、
”○○さんに掛けたつもりだったのですが、間違えたようですね。失礼しました。”
と言うと、
”いえいえ、間違っておりません。○○さんは、しばらく前から、いなくなっています。”
”へ?どういう意味ですか?”
”○○さんの周りの人は、みんないなくなりました。”
そこで、やっと意味がわかった。夜逃げだと。
そして、彼女の携帯電話すら、借金取りに電話が転送されるようになっているのだ。
”あなたはどちら様ですか?”
”△△です。○○さんの昔の友人ですが。”
”そうですか、詳しくお話を聞かせて貰っていいですか?”
”いいですよ。”
”それでは、折り返しこちらから電話しますので、電話をお切り下さい。”
そう言った。
海外の、しかもホテルから電話しているのに、こちらの電話番号がわかるのだろうか?
と、思いながら、
”わかりました。一旦切りますね。”
と、言って電話を切った。
そこで、目が覚めた。
あまりにリアルすぎた。
僕は、
もっと早く彼女に連絡すれば良かった。メモを貰ってすぐに連絡すれば良かった。
これで、本当に連絡が取れなくなってしまった。
と、思うと、とても悲しくなった。
相変わらず、夢と現実の違いが付いていなかった。
しばらく寝付けなくなって、パソコンを繋いで、今、ここに来ている。
学生時代、中国大陸を旅した。
バックパック一つで、大学の学生寮に泊まりながら、2ヶ月ほど。
その時に知り合った女性に恋をした。
東京に住んでいた。僕は、大阪の大学で、下宿をしていた。
同じ船で日本に戻り、再会を誓った。
1年間長距離でのお付き合いだったけれど、彼女はそれに耐えられず、
僕の元を去っていった。
風の噂で、僕と同じ頃に結婚し、名字が変わったことを知った。
つい、何ヶ月か前、その彼女の夢を見た。
同窓会みたいで、当時の共通の友達もいっしょに
2階の座敷のようなところで集まって、お酒を飲んでいた。
僕たちは、なんとなく離れた席に座り、それぞれの友人同士で語り合っていて、
お互い会話をすることなく、時間が過ぎていった。
友人達も僕たちの顛末を知っているから、僕たちの話題に触れようとしなかった。
お開きの時間がせまる直後のことだった。
彼女が僕のところに来た。
”久しぶりね。元気にしている?”
”ああ。まあね。あなたは?”
”元気よ。”
こういうときの僕は、逢いたくて、話したくて、堪らないはずなのに、何気ない返事をしてしまう。
それすら、彼女は知っているように、そのまま会話を続けた。
彼女の左手の薬指の指輪を見て、家庭についてのことは、聞く気になれなかった。
そのくすみ、傷を見るだけで、充分幸せなのだろうと想像はついた。
”どうしているの、今は。”
”仕事でね、海外に住んでいるよ。
今回は、たまたま日本にいるときに、呼ばれて出席したんだ。”
”夢は叶った?”
”あの頃の夢はね。でも、まだまだだけれど、それに向かっていると思える。”
”お母さんや家族はみんな元気?”
”元気よ。”
彼女のお母さんには、当時、僕が東京に行く度にお世話になっていた。
”でもね、お父さんの仕事の調子が悪いみたいで、お金に困っているみたいなの。”
”そうなんだ。大丈夫かい?”
”わからない、わからないの。具体的なことは何も。”
”そっか。心配ないから。”
全く持って、無責任な言葉だろうと思った。
心配ないって?どうして?なぜそれが僕にわかるの?
話を聞きながら、お金のことは大嫌いだと思った。お金が絡むと、人はいつも心が汚くなる。
そして、彼女はそっと僕に小さなメモを渡した。
”連絡先。”
と、一言だけ行った。
そこには、携帯電話の番号だけ、書かれていた。
そこで、目が覚めた。
あまりにリアルすぎて、頭痛がしていた。
ドイツはとても暑くて、寝苦しかった。
冷たい水で顔を洗いにいって、ミネラルウォーターを飲んで、
また、布団に潜り込んだ。
僕は、彼女に、自分の連絡先を渡しただろうか?
なんて、夢に対して、反省をしていた。
夢と現実の判断が未だに付いていなかったのだろう。
そして、今晩。。
また、彼女の夢を見た。
というか、夢の続きだった。
出張中のホテルだった。
その日一日の仕事が終わり、ホテルの電話から、仕事場に報告と、
自宅に無事の連絡の電話をした後、
ふと、カードケースから、彼女から貰ったメモが出てきた。
何を思ったか、電話してみようと思って、ダイアルした。
もちろん、海外からだし、何を思ったわけではなく。。
ダイアルのトーンが聞こえてきた。
”もしもし?”
向こうから、全然違う女性の声が聞こえてきた。
少し、声のトーンが高く、丁寧に、でも、どこか機械的な声だった。”
僕は、
”○○さんに掛けたつもりだったのですが、間違えたようですね。失礼しました。”
と言うと、
”いえいえ、間違っておりません。○○さんは、しばらく前から、いなくなっています。”
”へ?どういう意味ですか?”
”○○さんの周りの人は、みんないなくなりました。”
そこで、やっと意味がわかった。夜逃げだと。
そして、彼女の携帯電話すら、借金取りに電話が転送されるようになっているのだ。
”あなたはどちら様ですか?”
”△△です。○○さんの昔の友人ですが。”
”そうですか、詳しくお話を聞かせて貰っていいですか?”
”いいですよ。”
”それでは、折り返しこちらから電話しますので、電話をお切り下さい。”
そう言った。
海外の、しかもホテルから電話しているのに、こちらの電話番号がわかるのだろうか?
と、思いながら、
”わかりました。一旦切りますね。”
と、言って電話を切った。
そこで、目が覚めた。
あまりにリアルすぎた。
僕は、
もっと早く彼女に連絡すれば良かった。メモを貰ってすぐに連絡すれば良かった。
これで、本当に連絡が取れなくなってしまった。
と、思うと、とても悲しくなった。
相変わらず、夢と現実の違いが付いていなかった。