札幌市の市営地下鉄南北線の起終点である「麻生」駅。
東京の「麻布」は「あざぶ」だけど、こちらは「あさぶ」と読みます。
中学を卒業するまでは、ここが最寄地下鉄駅だったので、土日や祝日はよく利用してましたが、今もたまに来てみると、三十年前とそれほど大きく変わってもいないようなので、当時に戻ったような、大変懐かしい思いがしています。
現在の「麻生町」はこのエリアですが、地名の由来は、かつては亜麻工場の操業用地であったことによるものです。
1887年(明治20年)5月に、現在の麻生町一帯の約八万坪(約二十四万四千平方メートル)の地に製線工場が建設され、1890年(明治23年)に操業が開始されました。
折しも、この周辺に屯田兵が入植してから約三年が経過し、官給が切れて日用経費に困っていた時期だったこともあり、兵村からも多くの人が労働に参加したとされています。
因みに、北海道における亜麻の栽培は、1874年(明治7年)、当時ロシア公使であった榎本武揚が、開拓使長官黒田清隆にロシア産の亜麻種子を送ったのが最初とされています。
こういうところにも榎本武揚の名前が出てくるとは、驚きでした。
市営地下鉄南北線は、この麻生と「真駒内」を結ぶ、延長14.3kmの路線。
もう一つの起終点である真駒内は、北海道日本ハムファイターズの新本拠地の候補に挙がっており、目下、市内でも注目度の高いエリアとなっています。