トルコとの友好は明治23年、和歌山県沖で沈没したオスマン帝国の軍艦の乗組員を地元住民が救出したことをきっかけにはじまる。
イラン・イラク戦争時、イランに残された在留邦人215人をトルコ政府の命を受けたトルコ航空が救出。救援機には陸路で脱出できるトルコ人よりも日本人を優先して乗せた。
東日本大震災でトルコの救助隊は外国の中では一番遅くまで残って支援を続けていた。その際トルコのエルドアン首相は救助隊に「死ぬまで日本に残って救助を続けろ」と檄を飛ばしたという。
トルコを含めイスラム世界の人々が日本に親愛の情を抱くのはなぜか? 『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』の著者で現代イスラム政治研究の第一人者、宮田律氏はこう分析する。
「イスラムの人々が日本人を評価するのは、彼らが理想とするような心意気や感情を日本人が備えていると見ているからである。」
日本人は嘘を言わない、約束を守る、マナーが良いと評価されているという。
そしてオリンピック招致のプレゼンで一躍脚光を浴びた、見返りをもとめないホスピタリティーの精神「お・も・て・な・し」。この精神もトルコをはじめとするイスラム諸国と共通する姿勢だという。
宮田氏は「概してイスラム世界の人々は人懐っこく、外来の者に親切な人が多い。イスラム世界から来た人々は他人を思いやり、面倒見が良い。酷暑の気候の中で人々が暮らしていくためには、お互いに助け合っていくしかないからだろう。」と語り、美徳とする価値観が似ているからこそ、イスラム諸国での日本の評判はとても良いとのこと。
日本人の悲劇を共に嘆き、東京でのオリンピックの開催を称賛してくれたトルコ国民の姿勢にはそのような背景があったのだろう。
追加 イスラム過激派『ボコ・ハラム』が4月の少女拉致に続き女性20人拉致です。国連はなぜ迅速に動かないのでしょうか?