トランプ氏は今回の襲撃事件で“目に見えた強さ”を見せた。銃撃されて倒れて、血を出しながら立ち上がって、拳を突き上げて叫ぶ、こうした姿はトランプ氏の“気力と体力”を存分に見せつけたと言える。この姿が中間層や無党派層の投票を、トランプ氏サイドにひきつけていく可能性が考えられます。
一方のバイデン大統領は撤退圧力が強まっている状況で今回事件が起きた。政治的なテロであり、国家の危機とも言える。さらにこの社会の分断が広がっていって、共和党支持者、民主党支持者、暴力の応酬は国として避けなければならない。民主党員の中でも、今のリーダーであるバイデン大統領のもとに集まっていかなければならないとする考えが増えるかもしれない。『負けそうだから撤退せよ』という声を上げにくくなる可能性が高い。関係者の一人は『今回の事件は大統領選をめぐる分断の深さと苛烈さの象徴』『共和党が今後結束してこれまでの支持率の天井を突き破る可能性がある』と話している。すでに共和党からは『トランプ氏を独裁者呼ばわりした民主党のせい』との声。ここは非難の応酬ではなく、むき出しの憎悪と分断の連鎖をまず断ち切ること、お互いが対話をしっかりやることが国難を乗り切る術だと思われる。