前野隆司さん慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 は、幸せを科学的に研究する幸福学が専門。研究データから導き出された、「幸せが続く人の共通点」「60歳からも幸せに生きるためにできること」幸福度を上げる10のヒントを掲載します。
幸福度を上げる10のヒント
①姿勢が大事。胸を張って上を向こう
誰しも落ち込んでいるときは肩をすぼめて下を向くし、明るい気分のときは自然と上を向く。この体のクセを利用しよう。
「胸を張って上を向くと、脳が『この姿勢をとっているということは晴れやかで幸せな状態だ』と解釈し、幸せな気分にしてくれるよう体に指令を出します」
②意識的に笑顔をつくると楽しくなってくる
表情も姿勢と同じ。楽しいことがあると人は笑顔になる。逆に意識的に笑顔をつくり、特定の表情筋が収縮すると、脳が「これは楽しいことがあったのだな」と判断して幸せな気分にしてくれる。
「普段から笑顔でいると、いい意味で脳をだませて、幸福度をアップできます」
③感謝は10倍で。「ありがとう」にひと言添えて
つながりを築くうえで「ありがとう」という感謝の気持ちは欠かせない。夫婦でも友人でも、感謝の言葉は10倍、を意識して。
「ありがとう」にもうひと言加えれば完璧。手伝ってもらったら「ありがとう、おかげで助かった」、プレゼントには「私の好み。ありがとう」など。
「ありがとう」にもうひと言加えれば完璧。手伝ってもらったら「ありがとう、おかげで助かった」、プレゼントには「私の好み。ありがとう」など。
④夫婦で家事を分担して夫婦円満と身体機能の維持を
家事の分担が五分五分の夫婦が最も幸福度が高いという調査結果が。何が五分五分かは夫婦によって異なるので話し合って分担を。
また運動で体を動かすことでも幸福度がアップ。家事もかなりの運動量なので、家事の分担で夫婦円満になり身体機能維持もできて、一石二鳥。
また運動で体を動かすことでも幸福度がアップ。家事もかなりの運動量なので、家事の分担で夫婦円満になり身体機能維持もできて、一石二鳥。
⑤年をとってもできる趣味をもつ
スポーツのように年をとるとできなくなる趣味もある。
「体が動かなくなったら新しい趣味を始めればいい、ではなく、俳句や写真、書道、絵画など、年をとってもできる趣味をいくつか見つけておきましょう」。地元のサークル活動などは、人とのつながりも自然と築いていけそう。
「体が動かなくなったら新しい趣味を始めればいい、ではなく、俳句や写真、書道、絵画など、年をとってもできる趣味をいくつか見つけておきましょう」。地元のサークル活動などは、人とのつながりも自然と築いていけそう。
⑥自然豊かな緑のある場所を散歩しよう
自然豊かな環境にいるとメンタルヘルスが増進されて自律神経が整い、血糖値、血圧、心拍数などが正常化していくことが、さまざまな実験で示されている。
近所の公園を歩くだけでもOK。アメリカでは自然豊かな公園で20分過ごすだけで幸福感が得られる、というデータもあるという。
近所の公園を歩くだけでもOK。アメリカでは自然豊かな公園で20分過ごすだけで幸福感が得られる、というデータもあるという。
⑦「やったことがないこと」をしてワクワクする
やったことがないことをする、行ったことがない土地に行ってみるなど、新しいことに挑戦すると心がワクワクして報酬ホルモンと呼ばれるドーパミンが分泌され、心地よさや快感をもたらしてくれる。
⑧学ぶばかりでなく、得意なことを教え合う
教えることには責任が伴うので、緊張感が生じる。また教えることで初めて気づくこともたくさんある。そんな状態の中、言いたいことがうまく伝わると高揚感が生まれ、幸せを感じる。
「得意な料理でも手芸でも、ささやかなことでいいので、近所の人や知り合いを集めて会を開いてみては」
「得意な料理でも手芸でも、ささやかなことでいいので、近所の人や知り合いを集めて会を開いてみては」
⑨植物や動物を育て、日々の成長を感じよう
ペットや植物の世話をし、日々の成長を感じると、愛情ホルモンのオキシトシンの分泌が促される。オキシトシンはストレス中枢の興奮を鎮めてくれるので、幸せな気分で生活ができる。
⑩一日の終わりに、自分への感謝日記を書く
一つでも二つでもいいから、その日、感謝したい出来事を書く「感謝日記」を習慣にしてみる。
「他人や世の中への感謝だけでなく、『頑張った自分の体にありがとう』とか『笑顔で過ごせた自分にありがとう』など、頑張った自分をいたわる言葉を書くと、幸せ度が明らかにアップ」
「他人や世の中への感謝だけでなく、『頑張った自分の体にありがとう』とか『笑顔で過ごせた自分にありがとう』など、頑張った自分をいたわる言葉を書くと、幸せ度が明らかにアップ」