Fukunosukeです。
「コンニチハ。田中一村展ニイッテキマシタ」
田中一村には以前から興味があり、奄美大島の美術館や旧居も訪ねました。今回東京都美術館で大規模な展覧会が行われていたので行って来ました。幼少期から晩年の奄美大島時代までの作品が一堂に会し見ごたえがあります。田中一村をご存知の方もそうでない方も、おススメです。
田中一村で一番有名な「アダンの海辺」。これは奄美の美術館には展示していなかったのでぜひ見てみたかった。
※展覧会は撮影禁止です。
Fukunosukeは美術オンチなので語る資格もないですが、これはとっても不思議な絵です。一見、静かな海辺の夕暮れという感じですが、妖怪みたいなアダンの木と鮮烈な実が目に飛び込んできて不安になります。さらに目を凝らすと、砂浜の手前の砂礫の驚異的な描き込みや、夕日を遮ってそそり立つ積乱雲など、穏やかな気持ちではいられなくなります。しかし不思議なことに、しばらくすると最初の穏やかな奄美の夕景という印象に戻るのです。子供の頃、岩や壁の染みが一瞬不気味に見えてドキドキしたけど、しばらくしたら何でもありませんでしたーという気分、そういうものに似ている気がします。それが絵の感想というのは変ですが、何度も見たくなる、ずっと見ていたくなる絵です。
不喰芋(クワズイモ)と蘇鐵
ルソーみたいだと言われる絵だそうです。でも個々の植物はデフォルメせず精緻に描き込まれているので、部分毎に目を凝らすと現実感がすごいです。ルソーの絵と並べてみたら、きっと全然違う印象を受けるのではないでしょうか。
枇榔樹(びろうじゅ)の森
Fukunosukeはこの絵に一番惹かれます。最初は余白なくびっちり描き込まれた画面に圧迫され、画面中ほどにある幹と枝の隙間を見つけてようやく息継ぎができる様な感覚。細部に目をやると、枇榔樹の葉の一枚一枚(というか一本一本)の精緻さ、美しさにぞわぞわしてきます。
枇榔樹の森、部分
どうやって描いたんだろう。。。
これらはすべて奄美時代の作ですが、それ以前の時代は全く違う画風です。画風の変遷を見るのもなかなかです。
展覧会の後は、谷中方面へぶらり。わあ。昭和。
と思ったら、古民家を改装したビアバーでした。もちろん吸い込まれてしまいました。
店内はこんな感じです。いいねえ。
「ちっす」
クラフトビールで一村の興奮を冷まします。
壁には昔の新聞が貼られていました。昭和39年4月22日の読売新聞夕刊です。
テレビ欄の下には「売春地下組織」という映画の広告(もう一度言いますが読売新聞です)。
昭和ど真ん中ですね。
ということで、本日のしめは、、、
谷中松寿司。予約の取れない有名店。
今日は4人で伺いました。
おつまみ数品と握り10貫で11,000円(+税)。以前に比べると高くなったそうですが、それでもすごいコスパだと思います。
茶碗蒸しは蟹がたっぷり(ほんとにたっぷり)。
お決まりのアジフライ。タルタルには刻んだたくあんが入っていて独特。
小肌は表裏を逆にするのが流行りだそうです。口に入れた時に小肌の味を感じやすくなるそう。
この値段にして茹で立ての車エビ。おいしいです。
中とろは厚岸で上がったまぐろだそうです。
ウニもバフンウニ。軍艦にはしていません。
という、いろいろ満載充実の週末でした。