Fukunosukeです。
浜松の翌朝は、電車で移動。
ほらそこの大阪かぶれの人!左だよ、左に寄って!
この人わざとやってるのかな?
hiyoko「ヤー!イズゥ!」
焼津にやって来ました。駅前なのに人気がありません。キリコの絵みたいな風景。
駅から徒歩5分の住宅街。ここが今日の目的地。え?違います、実家とかじゃありません。
ちゃんとお店の風情です。
なかむらという天ぷら屋さんです。
ここは大注目の天ぷら屋さんなのだそうです。
へえ。焼津の住宅街の天ぷら屋さんが?地元で人気の豪快なお料理屋さんとかですか?なんて思うじゃないですか。僕も行くまでそう思っていました。ところがとんでもない。ここは食の最前線らしいです。
新静岡に成生(なるせ)という超有名かつ予約が全くとれない天ぷら屋さんがあり、なかむらはそこで修行をした方が出したお店だそうです。両店に共通するのが魚の仕入れ先。サスエ前田魚店というこれまた日本のみならず海外からも注文が入るという有名な魚屋さんがあり、そこのお魚を使っているそうです。詳しくは調べてみてください。
えーすごいんだー。ワクワクしてきたー!
カリフラワーすり流し。胃袋を温めて食欲を呼び覚まします。
大将が見慣れぬ魚を厚めに切っています。
串打ちをして、40〜50度くらいの低温の油に浸していきます。
チャイロマルハタという魚だそうです。調理法は湯引きならぬ油びきとでもいうのでしょうか。人肌のお刺身という感じですが、これがびっくり。おいしい!先制パンチです。
揚げ物スタート。鍋は二つ。手前のアルミ鍋は高温用、奥の銅鍋は低温用。油は太白ごま油。
何が揚がるかな?
天ぷら1品目はハナダイ。天つゆとおろしをたっぷり乗せて食べます。
口に入れてびっくりしました。これまで食べていた天ぷらと全然違う!!
外はサクッとしていますが、お魚がホワホワです。揚げ物という感じがしません。じゃあ何だと言われるとFukunosukeのバカ舌では分かりません!
静岡の酒くだせい!
朝どれのシラスです。ぴんぴんしています。しかも一匹一匹が大きめ。そのまま食べたいくらい。
揚がってしまったー!
これまた中がほわっほわです。ふっくらしっとりしています。いやあ、こんなの食べたことない。強いて言えばなんだろう。蒸し物に近いでしょうか。
泥付きのレンコン(麻機蓮根)を処理しつつ成形していきます。お客さんが来る前に済ませておくのではなくて、揚げる直前に仕込みます。目の前でかたまりの野菜が天ぷらのネタに変わっていくのを眺めるライブ感がすごいです。でもただの演出ではなくて、究極に美味しい天ぷらを作るためのこだわりなんだと思います。
レンコンはこんな形になりました。噛むと納豆みたいな糸を引きます。麻機蓮根の特徴だそうです。びっくり。
アオリイカ。相模湾のアオリイカというとあさばを思い出します。どれどれ。
食べかけですみません。中ほどはレアです。このレアの部分が口の中で溶けるような印象です。イカってこんなに柔らかくなるんだ。
小カブ。これも溶ける。
シロアマダイ。うろこは松笠に揚がっています。口の中に入れるとカリサクッとした鱗とホロリホロリと崩れる身のコントラスト。味も良い魚です。
人参はお菓子みたいな甘さ。
鯵、ゲソ、白身魚の磯部巻揚げ
ブロッコリーは薄くスライスして揚げてあるので均質な揚げあがりになります。シャクシャクする食感で新鮮。
ここまでで前半戦。しめ鯖、春菊、からし菜の酢の物で口の中をリセットします。
後半戦の最初は富士宮のごぼう。ごぼうの味が濃い。
金目鯛をお皿に取り分けています。
アマダイもそうでしたが、お魚は揚げると身が膨らむ感じです。サスエ前田魚店の魚は身の保水がよいためこうなるのだそうです。そんなことがあるんだ。魚の身の保水なんて考えたこともなかった。
鰆。半分に切って醤油(たれ?)と山椒で味付けをしてあります。この身の厚み、あさばの鰆と一緒です。
新玉ねぎ。何度も言うけど甘い。
カイワレ(ひらあじ)。天つゆの中に配膳されます。「天つゆで食べてください」ってことですね。
身の部分はほとんど火が通らないお刺身のような感じ。新鮮だからできる揚げ方なのかな。
最後はサツマイモ(安納芋)。なんと1時間くらい揚げていました(いつ食べられるのだろうと思って見ていた)。甘くて美味しいです。でも野菜が何でも甘かったのでインパクトが物足りないくらい。
お食事は天丼か天茶を選べます。
うまそうだ。
Fukunosukeは天丼。
hiyokoは天茶。
かき揚げの具に海老が入っていたのではたと気が付きました。ここまで海老が出てきませんでした。そういう天ぷらコースの組み立てって初めてです。サスエ前田魚店は焼津の魚屋なので相模湾の魚が中心。なので、無理して海老は出さないのだそうです。何もかも新鮮で目が覚めるような思いでした。
お食後はお汁粉。
これで一通りです。
hiyoko「美味しかった!はるばる来た甲斐がありました!」
ここはオープンして1年半くらい。既に予約困難店。日本中から美味しいもの好きがやって来るみたいです。
とにかく、これまで食べていた天ぷらとは違います。天ぷらの未来を感じるようなお店でした。
hiyoko「そういう物を食べてみようと思って浜松に泊まったわけよ」
へー そうだったのか。大したもんだ。