境界性パーソナリティ障害はじめ、
精神障害の診断基準として 世界的に広く使われている 「DSM-Ⅳ」 です。
DSM-Ⅳでは、 表に現れている 「症状」 を基に 障害を診断します。
身体的な疾患は、 その 「原因(病因)」 を基に 診断するのに対し、
精神疾患は 原因の特定が難しいため、 このような診断基準を採用しています。
また、 症状のチェック項目に照らし合わせて、
患者が幾つ以上 当てはまっているかで 判断をします。
治療者の主観や 経験による差異を できるだけ少なくし、
統一した診断が 下せるようにしたものです。
そのとき大切なのは 「除外診断」 です。
ある診断名に 単純に当てはめるのではなく、
「~ではない」 と絞り込んでいくことです。
ただ 「~ではない」 と断定することは 難しいものです。
DSM-Ⅳのもうひとつの特徴は、
「多軸評定(多軸診断)」 というシステムです。
第1軸から第5軸までの 観点があり、
患者を多面的に 観察することが求められます。
それを記録する 書式のサンプルも示されています。
第1軸 : 臨床的症状に基づく精神障害
第2軸 : 人格障害・ 精神遅滞(知的障害)
第3軸 : 身体疾患
第4軸 : 心理的, 社会的, 環境的問題
第5軸 : 機能の全体的評定
それぞれの軸についての説明を、 次の記事に記します。
(次の記事に続く)