「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「イネイブリング」 (1)

2011年05月22日 20時34分51秒 | ボーダーに関して
 
 「イネイブリング」 とは、 アルコール依存や薬物依存の 人に対して、

 彼らが飲み続けるのを 可能にしてしまうことを言います。

 英語の動詞  「enable」 から来たもので、

 「誰かが何かをするのを 可能に (able) する」 という意味です。

 依存症者が飲み続けるのを 可能にしてしまう (周囲の) 人は、

 「イネイブラー」 と言われます。

 実は彼らは よかれと思ってやっていることが、 裏目に出てしまっているのです。

 これは 境界性パーソナリティ障害にも共通します。

 ボーダーの人の家族などが、 ボーダーに困って 何とかしたいと思いながら、

 結果的にボーダーの言動を 助長・ エスカレートさせてしまっているのです。

 薬物依存を例に 書いてみましょう。


○ 薬物使用をコントロールしようとする。

 薬物を捨てたり、 隠したり、 使えないようにする。

 その結果、 依存症の人は、 離脱症状や脅迫的薬物欲求があるため、

 巧妙に薬物を手に入れようと 必死になる。

○ 薬物で病んでいる人に 説教する。

 「いい加減にして!」  「まったく情けない」 と責める。

 その結果、 薬物使用中の依存者は、

 選択的記憶システム (自己中心的記憶回路) によって、

 責められた印象だけが残り、 怒りや恨みをためこみやすい。

○ トラブルなどの肩代わりをする。

 「借金」 「窃盗」 「交通事故」 などの 後始末, 尻拭いをする。

 その結果、 依存症の人は 金銭的に困らず、 罪の意識を持たない。

(次の記事に続く)

〔 全国薬物依存症者家族連合会:
 http://www.yakkaren.com/bigina.b/hissatusirinugui.html より 〕
 
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