「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

想定内でゲストを守った、 東京ディズニーリゾート (2)

2011年05月10日 22時25分01秒 | 東日本大震災
 
(前の記事からの続き)

 震災の日は 1~2月並みの寒さで、 小雨も落ちてきました。

 ディズニーリゾートのスタッフは、 土産物袋やゴミ袋を ゲストに無制限に配り、

 地面に敷いたり、 頭から被って、 雨や寒さから 守ってもらうようにしました。

 マニュアルにはない、 スタッフ自身の判断です。

 使えるものは何でも使い、 普段は絶対表に出さない 段ボールや、

 使い捨てのポリエチレン手袋で 暖を取ってもらいました。

 さらに、 売り物のお菓子などを 無料で配布し、 空腹を満たしてもらいます。

 「必ず皆さんに配りますから、 その場をお立ちにならないように お待ちください」

 行列で混乱しないように との配慮です。

 ゲストから 「お腹がすいた」 という要望が あったのではなく、

 スタッフ自身がお腹が空いたので、

 ゲストはもっと 空いているだろうと思って 配ったということです。

 その結果、 商品棚は全て空になりました。

 「全てはゲストの 安全と安心のために」

 そのシンプルな哲学さえあれば、 アルバイトであろうが マニュアルにとらわれず、

 自分の頭で考えて、 実行することができるのです。

 あるスタッフは、 じっとしゃがみ込んでいるゲストに、

 エコノミークラス症候群に なってしまうかもしれないので、

 少しでいいから体を動かしましょうと 呼びかけました。

 怯える子供たちに、 笑顔でゲームを促す スタッフもいました。

 スタッフ自身も被災者なのに、 嫌な顔もせず、 笑顔を絶やしませんでした。

 客たちからは、 スタッフへの信頼、 

 「ありがとう」 という言葉が 伝えられています。

〔 フジテレビ 「Mr. サンデー」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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