自閉症児の教育は難しいですが、 以下のような点に注意します。
1.得意・ 不得意のアンバランスが著しいので、
その子の能力を 正しく評価し、 その子に合った 教育が必要です。
2.ただ禁止することは、 かえって問題を増やす 元となります。
替わりに何をしたらよいのか 分からないからです。
3.物事を教えるときに 「構造化」 という工夫が必要です。
「構造化」 とは、 次のようなことを言います。
例えば、 「夜になったらパジャマを着る」 ということを 考えてみましょう。
これを正しく行なうためには、
1.どのタイミングでパジャマを着るか 判断することが必要です。
自閉症の子は 周りの状況から 判断することが苦手です。
また、 言葉による指示も 理解できないことがあります。
→ タイミング, 状況を伝える工夫
2.パジャマを正しい順番で 身に着けなければなりません。
順序立った行動が 苦手です。
→ 段階的に 複雑な手順を習慣づける
以上のことを 自閉症児に教えるためには、
言葉だけに頼らない, 見て理解するのは 比較的得意であること,
習慣づけを利用すること などに配慮が必要です。
構造化には、 以下のような方法があります。
1.物理的構造化 (決まったことを 決まった場所でする)
2.ルーチン化 (課題や指示の手順を 一定にする)
3.一日のスケジュールを一定にして、 見て分かるように示す
4.ワークシステムの確立
5.視覚的構造化 (目で見て 分かるように示す)
治療教育の原則は 次のようなものです。
1.親, 学校が共同で:
学習や習慣づけには 繰り返しが必要ですし、
皆で理解しなければ、 自閉症児は安心して生活できません。
2.個別の評価・ 個別プログラム:
得意不得意がアンバランスなため、 オーダーメイドが必要です。
3.健常者も歩み寄る:
自閉症児の成長はゆっくりなので、
子供だけに修行させるのでは 上手くいきません。
4.構造化:
自閉症児療育の基本です。
5.理解して誉める
6.低刺激:
沢山の情報には 混乱してしまいます。
7.地域の理解・ 協力:
親も子も 気楽に床屋に行ったり、 買い物ができるように。
〔「広汎性発達障害とは」
http://www2k.biglobe.ne.jp/~motoi/lecture/pdd1.html より〕