自分の国は自分で守れ

Mikuのブログ

日本農業再生への道

2012-09-13 16:20:53 | 貿易輸出入/国際交渉/TPP

 

前回に引き続き、日本の農業問題いついて論じます。


◇日本は農業大国

先週は、カロリーベースでみた食料自給率のからくりを紹介し、米などの高関税や減反などによる生産調整により、割高な農産物が消費者の犠牲のもとに成り立っている点を指摘しました。

この食料自給率は、日本だけが国策で採用している指標であり、世界では全く相手にされていません。生産額でみれば60%を超えています。

例えば、2007年のデータでは生産額ベースの自給率は66%。この数字は、米国、フランスに次いで世界3位です。さらに、農業生産額に占める国内販売シェアは1位となっています。

換言すれば、日本は欧米とは違って食料の輸入依存度が低く、国産比率が高いことを意味しています。

1位と2位の米国とフランスは生産額に占める輸出比率が高く、外需依存型の構造(それぞれ約40%、60%)であるのに対して、日本は国内市場志向が強いために高い自給率となっているのです。(浅川芳裕著『日本は世界5位の農業大国』の議論を参照)。

これまでの議論をまとめれば、日本は生産額では世界5位、生産額ベースの食料自給率では3位の農業大国だということです。

◇日本農業のアドバンテージ

日本の国土は南北に長く、気候も温暖で適度な湿度もあるために、農産物が栽培しやすい環境にあります。この点を強く主張しているのが、『それでも食料自給率100パーセントは可能だ』の著者である永田照喜治氏です。

同氏は、「永田農法」と呼ばれている独自の農業技術を持っており、アイデア一つで農業は再生することができることを指摘しています。

本書を読めば、永田氏の頭の中には農協や政府からの支援は微塵も感じられません。まさに、今後の理想的な農家を体現する一人であると言えましょう。

◇高齢化と後継者不足をどう乗り切るか

ただし、現在の農業人口は減り続けており、農業従事者の高齢化と後継者問題も表面化しています。これは不可避な構造問題ですが、次のように考えることができます。

まず、農業人口減少=農業の衰退ではないこと。

現在の農業人口は約300万人。総人口の5.7%ですが、今後も減少することが予想されます。農業を維持していくためには、人口の減少を補う移民と若者や法人の農業参加が議論されていますが、移民は日本人に抵抗感が強く、現時点では選択肢にはなりそうもありません。

若者や法人の農業参加は、ようやく動き始めたばかりであり、まだまだ軌道に乗るには時間がかかりそうです(参入を促す農地法は09年に改正されたばかり)。

そこで現在ではGPS応用農業ロボットの開発が行われています。ロボットが実用化されれば、必要な作業を24時間ロボットが代替します。

天候に左右されやすい農業が、GPSの機能を応用すれば人間が働かなくとも作業ができるばかりでなく、農作物の情報を収集することもできます。実用化され、コスト面がクリアできれば、大規模化も可能となるでしょう。

しかしながら、ロボットがいつ実用化されるかは不明です。そこで大事になってくるのが、やはり人材の教育です。前述の浅川氏は、質的生産性を上昇させるために必要なことは、まず大規模化ではなく専門家(化)であると指摘します。

作物の知識、土壌の知識に通じる人材が増えれば増えるほど、生産性が上がるシステムが作れるというわけです(浅川芳裕 飯田泰之著『農業で稼ぐ!経済学』参照)。

さらに、現在の農業はものづくりのレベルで終わりません。生産の段階での研究や専門化に加え、販売や市場開拓をする必要があります。最近は交通網の発達とインターネットの普及によって北海道の農産物も容易に購入できるようになりました。

合わせて経理や財務を担当する人を雇って任せ、自分は生産と販売に特化することも可能となります。このように、現在の農業(第一次産業)はモノづくり(第二次産業)に加えてサービス業(第三次産業)の要素があるため、「第六次産業」だと言う人もいるほどです。



最後にTPPによる国際貿易の効果です。

TPP参加によって関税が下がり、海外からも安い農産品が入ってきます。当然、輸入品と競争する農家は苦しむでしょう。ただ、逆に言えば輸入農産物と競争することで、国内の農産物が勝ち残ることもあります。

私たちが「おいしくない」と感じた海外の農産物は、次第に淘汰されます。本当に生き残ることができるか否かは、最後は消費者が決めるので、貿易によって日本の農産物全てが駆逐されるわけではありません。

一方、国内では減反廃止や生産性追求を通じた規模の拡大により輸出産業へと進化し、黒字体質の強い農家が誕生する可能性もあります。要するに、TPPはデメリットばかりではなく、日本農業を活性化させる側面があるのです。

私の知人の農家は、政府の戸別所得補償に頼りません。あるいは、農協に依存することもありません。一方、最近は、「永田農法」のような新しい技術が開発されるなど、農業界にイノベーションが起きつつあるのは朗報です。

要するに、世界から賞賛される技術と品質、味覚を兼ね備えた日本農業の再生とは、農水省や農協による計画経済からの脱却であり、自由競争を通じた農業の飛躍的発展です。これが、幸福実現党が目指す農業政策の要諦です。 (文責:中野雄太)

 

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オスプレイ反対大会10万人の嘘 左翼と自治体とメディアの世論誘導

2012-09-13 16:16:41 | 中国・北朝鮮・共産党・尖閣国防問題

オスプレイ反対大会10万人の嘘 左翼と自治体とメディアの世論誘導
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4853

米軍の新型輸送機オスプレイに反対する沖縄県民大会が、9日に行われ、会場は「日米同盟反対」一色に染まったが、その中で保守系市民団体が中国による軍事的脅威に警鐘を鳴らす横断幕を掲げる一幕があった。YouTubeに掲載された映像によれば、横断幕を掲げた参加者は「中国は県民大会を沖縄独立運動として報じ、『琉球奪還』を主張する口実にしている」などと主張している。

一方、NHK、朝日新聞を含む各メディアは、大会に10万1千人が集まったと、主催者発表をそのまま報道している。しかし主催者情報は事実を歪めている面が多く、世論を誤った方向に扇動しかねない。

まず、県民大会の会場となった宜野湾海浜公園の面積を考えると、10万人を収容すれば1平方メートルあたり4人を押し込まなければいけない計算になるという指摘がある。実際に、警察発表は2万5千人であり、会場が比較的空いていたことから参加者数は1万5千人前後と見積もる関係者もいる。

県民大会をめぐっては、主催者側と地元市町村との癒着も疑われている。市民団体「沖縄の自由を守る会」などによると、台風の影響で中止になった8月5日の県民大会に際し、那覇市は税金を使って15台の無料バスをチャーターする予定だった。他にも、各地域に設置された役所のスピーカーを使って大会参加の呼びかけがアナウンスされていた。

今回の9日の大会に際しても、参加を呼び掛ける文書を那覇市を含む複数の市町村ホームページが掲載している。

特定の政治集会に堂々と肩入れする沖縄の自治体の姿勢は、常軌を逸していると言わざるを得ない。

オスプレイ問題は、左翼団体が沖縄の地元自治体と癒着して反対集会を運営し、それをメディアが誇張して報じて騒ぎを大きくしている面がある。

これらの運動に対する中国の工作もささやかれているが、自治体、メディアともども、職責に則った公正な態度に努めるべきである (呉)

【関連記事】
2012年8月20日付本欄 【雑誌注目記事】オスプレイと原発、日本を危うくする二つの議論
http://the-liberty.com/article.php?item_id=4729

2012年8月4日付本欄 沖縄でオスプレイ「賛成」集会に500人 「反対」集会は台風で延期へ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=4674

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日本TPP参加で、GDPが9.3兆円上昇の試算

2012-09-13 16:11:24 | 貿易輸出入/国際交渉/TPP

日本TPP参加で、GDPが9.3兆円上昇の試算
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4852

日本が環太平洋経済連携協定(TPP)に参加すれば、国内総生産(GDP)を約9.3兆円押し上げるという試算を、日米中韓豪など25カ国のアジア太平洋地域の産官学でつくるシンクタンク「太平洋経済協力会議(PECC)」がまとめた。12日付の日経新聞が紹介している。関税の撤廃に加えて、サービスや投資の自由化、貿易拡大による輸出企業の増加などの効果を想定しての試算だという。

試算によると、日本を含めた13カ国のTPPが実現すれば、世界全体のGDPを0.29%、2947億ドル押し上げる。GDPが増えれば、それだけその国の人々の所得も増えていく。貿易が活発化することによって、各国はより豊かになっていくのだ。

だが、9日に閉幕したロシア・ウラジオストクでのAPECにおいて、日本はTPP交渉への参加表明をしなかった。野田佳彦首相は、昨年11月にアメリカ・ハワイで行われたAPECでカナダ・メキシコとともに事前協議に参加すると表明したが、結局、野田首相は消費税増税法案を成立させることを優先して、TPP参加への国内議論を後回しにしたのである。

日本がTPP交渉に参加できる次のチャンスは、来春以降になる見込みだ。TPP交渉に参加するためには、加盟国参加国すべての同意が必要だが、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドからは、日本の参加に支持を得られていない。しかし、ニュージーランドのキー首相は、11日の会談で「日本がTPP交渉に参加することに期待している」と述べており、日本の参加への期待は大きい。

民主党は、TPP参加に伴う農林水産業への悪影響を懸念し、TPPに参加するならば農業対策の予算が必要だとしている。

しかし、「TPP参加で農業が壊滅する」などということはない。品質の高い日本の農業は、国際競争力が強く、日本産のコメは、中国などの海外の富裕層に大人気だ。

今、日本は「安い賃金でモノを作り、輸出して稼ぐ」という、発展途上国型の経済成長から脱する時を迎えている。円高トレンドを背景にした世界一の購買力を生かし、発展途上国の生産物を買い上げ、他国の経済成長を助けるとともに、自らも高付加価値路線で豊かになることが日本の新たな生き筋である。

日本は、世界経済を成長させる大国としての力をすでに持っていることを自覚し、その責任を負うために一歩踏み出すべきである。(晴)

 

【関連記事】
2012年1月号記事 TPP参加で輸入大国の責任を果たせ "Newsダイジェスト"
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3381
2012年3月号記事 世界からは日本は不況知らずに見えている "Newsダイジェスト"
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3738

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