ここのところ、電車で座れないことが多いので、立っているときにも簡単に読めるもの、ということで 『ことわざの知恵』 をカバンに入れています。
薄手の岩波新書なので、片手で開けるのがポイントです。
これはことわざの解説本ではなく、『岩波ことわざ辞典』の刊行に当たって、編集部員がことわざをめぐる感想・エッセイを1つのことわざについて1ページにまとめたものです。
さすが岩波書店の編集部員だけあって、博学かつ含蓄ある内容を軽妙洒脱にまとめていて楽しめます。
たとえば「天は自ら助くるものを助く」では
自ら助けられるものであれば、天の助けなどほとんど要らないようなものなので、天の神様もずいぶんずぼらだな、という思いがする。
と、いい味を出しています。
また、「少年よ大志を抱け」では
この部分だけがひとり歩きをしているが、実際にはその前段で、何に対して大志を抱くべきなのかを言っている。「それは金銭に対してでなく、また世人が名声と呼ぶあのむなしいものに対してでもない。人間が、人間として当然身につけるべきすべてのものに対して、少年よ大志を抱け」。
と、勉強になるところもたくさんあります。
おすすめの1冊です。
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ことわざの知恵 |
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岩波ことわざ辞典 |