風景が殊の外好かった。日常を撮るのって簡単なようで、平坦になってしまうから難しいのを、自然をさり気なく入れることで、観ていて心が和む。是枝監督の巧さだと思うが、俳優も素晴らしい。再婚も、職なしも、今の世では当たり前のことだが、さらりと言わせることに驚く。いいじゃないの。
働いたことがないというのは、主婦に対する差別かもしれない。家で毎日遊んでいる訳ではない。収入はないかもしれないが、家事全般をしているのだ。働こうにも、給料を貰おうにも、くれないのだから仕方がない。主婦の家事労働を要求したい。医者であっても、患者が居れば仕事なんだから。
息子の危篤にも、と妻になじられた父親が、どんな心境でいたかだが。母親の複雑な心には、息子の臨終の際くらい、という想いも分かる。紋黄蝶が入って来ての、母親の異常な行動にも胸を打たれた。そういった感情の食い違いを、青空が、海がすくい上げていく。自然への描写に胸が一杯になる。
夏の花は、百日紅というのもいいなぁ。白でもなく、紫でもない濃い桃が好い。我が家にも毎夏咲いてくれるが、日本の夏にはよく似あうもの。樹木希林さんの演技にも、存在感があるのに、家族として溶け込んでいる演じ方が上手い。レース編みはプロ級でしょう。誰も知らない、買っておこうかな。
地名を募集しながら、とんでもない名称に決めた話に、馬鹿だと内心思っていた。新聞を読んでいて、笑いながら涙が出た。そうなんだよね。沖縄の事にしても、民意だの話合いだのを掲げて、辺野古移設を強行に押し進め、沖縄県民の意志を外させ、投票できないように仕向ける。これが安倍政権だ。
森加計も、きちんと丁寧な説明は愚か、何も解決さえしないままに、有耶無耶に葬る。オリンピックも、遣ってしまえばいいのだとばかりに、予算を膨大に突破させるばかり。万博だって同じでしょう。消費増税も然り。一体国民の血税を何に使う。初めから国会議員の私欲だと、明らかにすればいい。
今年の一字は、嘘にしたい。災は自然からの警告を、耳に入らないように仕向けた政府かも。人間が太古から行ってきた、天への感謝や祈りを止めさせ、新しい物に走らせ、使わねば損の如く宣伝して、出費を増やす。自動車メーカーの検査も、原発の再稼働にも、私利私欲で突っ張る嘆かわしさだ。
二十四節気の甘露を過ぎた辺りから、少しづつ室内に仕舞っていく。霜が降りると枯れるので。