理化学研究所杉田理論分子科学研究室の杉田有治主任研究員、森貴治研究員らの研究チームは、タンパク質の立体構造をクライオ電子顕微鏡像から計算機シミュレーションを用いて精密化するための「高速並列計算アルゴリズム」を開発した。本研究は、米科学雑誌「Structure(2019年1月2日号)」の掲載に先立ち、オンライン版(10月18日付け:日本時間10月19日)に掲載される。
研究チームは、クライオ電子顕微鏡を用いて得られるタンパク質の近原子分解能の立体像から、原子解像度の分子構造を分子動力学シミュレーションに基づいて精密化する「フレキシブル・フィッティング法」に対して、効率の良い並列計算アルゴリズムを考案した。本手法の適用範囲は広く、ヘモグロビンのような小さなタンパク質から、リボソームのような巨大生体分子複合体に対しても高速計算が可能である。開発したソフトウェアは無償にて公開され、今後、クライオ電子顕微鏡と他の実験手法を組み合わせる統合的なタンパク質立体構造モデリングへ展開されると考えられる。
◆クライオ電子顕微鏡
タンパク質を含む溶液を極低温(液体窒素温度)にまで急速に冷却し、試料を観察する透過型電子顕微鏡。
2017年、タンパク質立体構造解析への応用に貢献したジャック・デュボシェ、ヨアヒム・フランク、リチャード・ヘンダーソンの3氏にノーベル化学賞が授与されている。
クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析法によるタンパク質の立体構造解析が行われる。対象とするタンパク質を含む溶液を極低温(-180℃以下)にまで冷却し、透過型電子顕微鏡を用いて撮影されたタンパク質の投影像から立体像を再構築する方法。タンパク質の結晶化を必要としないため、これまでX線結晶構造解析で解くことが難しかったリボソームなどの巨大生体分子やタンパク質複合体の立体像を、原子分解能に近い分解能で決定できる。
◆単粒子解析法
クライオ電子顕微鏡によって観察される、溶液中にランダムに配向したタンパク質の多数の投影像から立体像を再構築する手法。
◆分子動力学シミュレーション
コンピュータを用いた分子シミュレーション法の一つ。原子間相互作用をフックの法則やクーロンの法則などから計算し、分子系の運動をニュートン方程式 F=ma に基づいて数値的に解くことで、分子の動きを理論予測し解析する方法。
◆フレキシブル・フィッティング法
単粒子解析法によって得られたタンパク質の電顕密度マップに対して、分子構造を当てはめる際、マップと一致するようにバイアスをかけながら分子シミュレーションを行い、一致する構造を探索する方法。このとき、分子動力学シミュレーションが広く用いられる。
◆kd-tree法
k次元空間に存在する点を分類するための空間分割アルゴリズム。例えば、3次元空間の場合、一般的には中間点をまず選び、X軸に対して垂直に分割平面を置く。2分割された空間をさらに分割するには、それぞれの空間の中間点を選び、Y軸に対して分割平面を置く。範囲探索や最近傍探索などに用いられる。
◆ハイブリッド並列計算法
分散メモリ型並列と共有メモリ型並列を組み合わせた並列コンピューティング技法。前者は主にノード間、後者はノード内並列計算に用いられ、それぞれ、MPI(Message Passing Interface)、OpenMPプロトコルが広く用いられる。
◆全原子モデル
分子構造を表現するとき、原子1個を一つの粒子として扱うモデル。原子一つ一つが固有の半径と部分電荷を持ち、それぞれがバネでつながっていると考える。通常、溶液環境を考慮して(水分子やイオンを系に含めて)計算するため、粒子数が多くなり、必要な計算量が膨大になる。
◆粗視化モデル
分子構造を表現するとき、複数の原子を一つの粒子として近似するモデル。一般的に溶媒分子は系に含めず、溶液環境は近似的に扱う。全原子モデルと比べて粒子数を少なくできるため、計算量の削減によく用いられる。
◆ベイス推定
観測された事象からその原因となる事象を確率的に推定するための方法。特にタンパク質の構造決定においては、「実験データDが観測されたときに、分子構造がXである確率 P(X |D)」を推定する際に適用できる。
快晴、秋晴れだ。放射冷却で最低気温は低い、なので、濃霧が発生する。
坂道沿いのお庭で、鉢植えの”トレニア”の花が咲いている。花の形は、口を開けた時の唇を連想させる・・ちょっと魅惑的!。花の色が、赤でなく、赤紫・・チョット残念。
トレニアには約40種程あり、一般に”トレニア”の名前で呼ばれるのは、インドシナ原産の”トレニア・フルニエリ(T.fournieri)”とその変種や園芸品種と言う。
トレニア
別名:花瓜草(はなうりぐさ)、蔓瓜草(つるうりぐさ)、夏菫(なつすみれ)
アゼナ科(ゴマノハグサ科)ツルウリクサ属(トレニア属)
一年草として扱う
草丈は15cm~35cm
開花時期は5月~10月
花は径3cm位
花色は濃い紫色が基本で、赤・白・ピンクなど
研究チームは、クライオ電子顕微鏡を用いて得られるタンパク質の近原子分解能の立体像から、原子解像度の分子構造を分子動力学シミュレーションに基づいて精密化する「フレキシブル・フィッティング法」に対して、効率の良い並列計算アルゴリズムを考案した。本手法の適用範囲は広く、ヘモグロビンのような小さなタンパク質から、リボソームのような巨大生体分子複合体に対しても高速計算が可能である。開発したソフトウェアは無償にて公開され、今後、クライオ電子顕微鏡と他の実験手法を組み合わせる統合的なタンパク質立体構造モデリングへ展開されると考えられる。
◆クライオ電子顕微鏡
タンパク質を含む溶液を極低温(液体窒素温度)にまで急速に冷却し、試料を観察する透過型電子顕微鏡。
2017年、タンパク質立体構造解析への応用に貢献したジャック・デュボシェ、ヨアヒム・フランク、リチャード・ヘンダーソンの3氏にノーベル化学賞が授与されている。
クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析法によるタンパク質の立体構造解析が行われる。対象とするタンパク質を含む溶液を極低温(-180℃以下)にまで冷却し、透過型電子顕微鏡を用いて撮影されたタンパク質の投影像から立体像を再構築する方法。タンパク質の結晶化を必要としないため、これまでX線結晶構造解析で解くことが難しかったリボソームなどの巨大生体分子やタンパク質複合体の立体像を、原子分解能に近い分解能で決定できる。
◆単粒子解析法
クライオ電子顕微鏡によって観察される、溶液中にランダムに配向したタンパク質の多数の投影像から立体像を再構築する手法。
◆分子動力学シミュレーション
コンピュータを用いた分子シミュレーション法の一つ。原子間相互作用をフックの法則やクーロンの法則などから計算し、分子系の運動をニュートン方程式 F=ma に基づいて数値的に解くことで、分子の動きを理論予測し解析する方法。
◆フレキシブル・フィッティング法
単粒子解析法によって得られたタンパク質の電顕密度マップに対して、分子構造を当てはめる際、マップと一致するようにバイアスをかけながら分子シミュレーションを行い、一致する構造を探索する方法。このとき、分子動力学シミュレーションが広く用いられる。
◆kd-tree法
k次元空間に存在する点を分類するための空間分割アルゴリズム。例えば、3次元空間の場合、一般的には中間点をまず選び、X軸に対して垂直に分割平面を置く。2分割された空間をさらに分割するには、それぞれの空間の中間点を選び、Y軸に対して分割平面を置く。範囲探索や最近傍探索などに用いられる。
◆ハイブリッド並列計算法
分散メモリ型並列と共有メモリ型並列を組み合わせた並列コンピューティング技法。前者は主にノード間、後者はノード内並列計算に用いられ、それぞれ、MPI(Message Passing Interface)、OpenMPプロトコルが広く用いられる。
◆全原子モデル
分子構造を表現するとき、原子1個を一つの粒子として扱うモデル。原子一つ一つが固有の半径と部分電荷を持ち、それぞれがバネでつながっていると考える。通常、溶液環境を考慮して(水分子やイオンを系に含めて)計算するため、粒子数が多くなり、必要な計算量が膨大になる。
◆粗視化モデル
分子構造を表現するとき、複数の原子を一つの粒子として近似するモデル。一般的に溶媒分子は系に含めず、溶液環境は近似的に扱う。全原子モデルと比べて粒子数を少なくできるため、計算量の削減によく用いられる。
◆ベイス推定
観測された事象からその原因となる事象を確率的に推定するための方法。特にタンパク質の構造決定においては、「実験データDが観測されたときに、分子構造がXである確率 P(X |D)」を推定する際に適用できる。
快晴、秋晴れだ。放射冷却で最低気温は低い、なので、濃霧が発生する。
坂道沿いのお庭で、鉢植えの”トレニア”の花が咲いている。花の形は、口を開けた時の唇を連想させる・・ちょっと魅惑的!。花の色が、赤でなく、赤紫・・チョット残念。
トレニアには約40種程あり、一般に”トレニア”の名前で呼ばれるのは、インドシナ原産の”トレニア・フルニエリ(T.fournieri)”とその変種や園芸品種と言う。
トレニア
別名:花瓜草(はなうりぐさ)、蔓瓜草(つるうりぐさ)、夏菫(なつすみれ)
アゼナ科(ゴマノハグサ科)ツルウリクサ属(トレニア属)
一年草として扱う
草丈は15cm~35cm
開花時期は5月~10月
花は径3cm位
花色は濃い紫色が基本で、赤・白・ピンクなど