静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

カツオ水揚げ

2016年12月20日 16時51分04秒 | 28乗船実習

実習船やいづが帰港したことをお知らせしました。
入港から水揚げまでの様子をご紹介します。

朝の4時起きで作業開始です。

冷凍したカツオを持つため、完全防備で臨みます。

冷蔵庫に入り込んでの作業です。

水揚げ後は、船を市場前から碇泊場所に移動し、実質的に乗船実習が終了です。

【焼津漁港の水揚げ】
大きな焼津漁港では水揚げ場所が3カ所あります。
定置網や近海のサバ船などは一番南にある小川漁協魚市場に水揚げされます。
海まきは一番北にある外港と呼ぶ場所で水揚げします。
そして、一本釣り船は中央に位置する新屋売場と呼ばれる新しい市場に水揚げです。
この場所は埋め立てで作られたばかりなので新港とも言います。
ですから、今回の水揚げは新港の新屋売場で行いました。
焼津漁港での水揚げ量は、
1位 海まき、2位 遠洋カツオ一本釣り、3位マグロはえ縄、4位 あじ・さば棒受け網、5位 近海まき網
となります。4位と5位の差はわずか。
これが金額だと2位と3位が逆になります。
  
 園長のつぶやき
中学生、高校生の皆さんは、三者面談をして進学先を決定する時期ですね。
このため、進学先の一つとして、学園にも問い合わせがあります。
同じような疑問をお持ちの方もあると思いますので、お答えをご紹介します。

(質問)併願しても良いか?
(回答)もちろん、大丈夫です。
    学園見学においでになった方には、併願先を紹介しています。
(質問)学園を単独受験するので、合格の確約が欲しい。
(回答)残念ながらできません。ご心配であれば併願を考えてください。
(質問)日本国籍がないが入学できるか?
(回答)過去に入学した事例があります。ご相談ください。
(質問)外国籍で日本語が苦手。入学試験で優遇処置をして欲しい。
(回答)優遇はありません。学園でも日本語で授業、実習があります。
(質問)持病があるが、入学できるか?
(回答)ケースバイケースですので、ご相談ください。
    身体上の入学資格は、ホームページに記載されている身体検査基準を参照ください。
    ただし、入学はできても就職に支障がある場合はあります。
    長期航海が大丈夫か、船主が心配するためです。
    まずは医師に相談することをお勧めします。
(質問)願書などは、いつからは配布するのか?
(回答)すでにインターネットでダウンロードできます。
    ダウンロードできない場合、ご依頼いただければ送付します。
    学園に取りに来る必要はありません。
(質問)合格発表の方法は?
(回答)学園内に受験番号を張り出します。
    遠方の方には、電話でのお問い合わせに対応します。

その他の疑問がある方は、学園にお問い合わせください。

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実習船が帰港しました

2016年12月19日 09時53分56秒 | 28乗船実習

実習船やいづが帰ってきました。
通勤途上に市場の前を通ったら、ちょうど水揚げ中でした。
47期生も全員、元気な笑顔を見せてくれました。
写真が準備できてないので詳しくは、また明日。

今日のブログは沖縄から焼津に帰港するまでの状況です。
なお、乗船実習は明日の下船式で終了です。

それでは、昨日までの専攻科生による主直日誌を紹介します。今回、2日分です。

主直日誌も本日で終了です。

専攻科生のみなさん、実習生の乗組員の皆様、水産高校の先生方、大変ありがとうございました。

【12月16日 主直日誌】
 今日の朝から沖縄の那覇港を出港しました。沖縄に入港して5日間とても有意義な時間を過ごせたと思います。一番印象に残っているのはバス研修です。バス研修では沖縄で起こった戦争のことについてのツアーをしました。平和公園にはたくさんの碑石があり、そこには戦争でなくなった方達の名前が刻まれており、その碑石の数ももの凄く多くて戦争の悲惨さを物語っていました。この出来事は忘れてはならないことだと思います。
 五次航海も残り三日となりました。最後の水揚げが当初遅れるとの事でしたが、通常通り19日の06時からとなり安心しました。そして片付けも含め残された時間を有意義に使っていきたいと思います。
残りの航海も三航海になってしまいましたので漁船に乗る上で何をすべきかなどを残りの航海でいろいろと見つけていきたいと思います。

先生の報告書から
・沖縄出港が1日遅れたが、何事もなく無事に出港することができた。焼津入港まで残り僅か、出港後直ぐに時化模様となったが、学園の生徒と専攻科生ともに頑張っている。

【12月17日 主直日誌】
 一日の感想
 今日で出港してから23日が経過しました。もうすぐ第5次航海が終わってしまいます。この航海が終わったら、残りは6次航と来年度の1次航の2航海を残すのみとなります。思い返すととても長いようで短いようでもある1年でした。専攻科に入学してから今航を含め5回の航海をしましたが、僕は正直入学当初からあまり成長したようには思えません。しかしこのままでは専攻科に入った意味がないので残りの2航海で少しでも成長出来るように日々考えて行動するようにしたいです。
 昨日、漁業高等学園の園長先生から激励のメッセージを頂きました。2月の海技試験はこの1年間の成果を出す場です。僕達のことを応援してくださっている人が多くいることに気づきました。とても嬉しく、またその期待に応える為にも全合格目指し残りの日々頑張らなくてはならないと強く感じました。
 また今日進路希望調査をしました。年明けには海技者セミナーという合同企業説明会もあり、春休みにはインターンシップを行ってくださる企業もあります。もう少しで1年生が終わりますが、すでに就職に向けての準備が始まっています。僕は商船希望なので漁船希望の人よりも早く動き出しどの船種にするか、どこの会社が良いかを考えなくてはなりません。よく考え早めに準備していきたいです。
 今日は漁業学園との兄弟制度の下、ペアで刺し継ぎ実習を行いました。3本刺しアイスプライス、7本刺しアイスプライス、バックスプライスの3種類を教わりました。漁業学園の生徒さんは慣れた手つきでやっていましたが、僕達は慣れていないせいか指がとても痛かったです。明日は僕達がボンデン作りを教える番なのでしっかり教えて良い物を完成させたいです。

先生の報告書から
・毎年恒例の刺し継ぎ合同実習は、漁業学園の生徒が専攻科生へ感謝の気持ちを込めて、色々な刺し継ぎの方法を教えてくれる。下船間近で大分慣れ親しんでおり、とても良い雰囲気で行われた。明日は逆に専攻科生と学園生徒が一緒にビン玉作製を行う予定。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【ボンデン】
漁業用語です。皆さん、ご存じですか?
一般に「浮き玉」と呼ばれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E3%81%8D%E7%8E%89
網の浮きや、海面上の目印に使われます。
かつてはガラス玉が多く、網に包まれた大きなガラス玉を見たことがある人も多いのでは?
「ビン玉」と呼ぶ地域もあるそうです。
最近はガラス製は減って、樹脂製のものが主流です。
ガラス製はインテリアとして人気。
http://www.asaharaglass.com/goods01.html
漁業の現場では、浮き球に漁師が網を作って包みます。
最近は、初めから網に包まれたものを購入することが多いようですが、専攻科生は作った経験があるようですね。
学園では3学期にやる予定になっています。
ボンデンウリに似ているためボンデンと呼ぶみたいですが、由来は諸説あります。

  
 園長のつぶやき
先週も学園見学がありました。
保護者の方からのご質問に対しての、私の回答です。
(質問)学園に来ないで、いきなり漁船に乗ることはできますか?
(回答)未経験者を積極的に歓迎はしませんが、漁業者は著しく不足しています。
    探せば乗せてくれる船もあるし、斡旋してくれるところもあります。
    ただし、すぐに辞めてしまう人がほとんどです。
(質問)技術を身につけてからでないと、漁船ではやっていけないから?
(回答)必ずしも、そうではありません。
    ロープワークにしろ、海技士資格にしろ、漁船員になってから身につけることはできます。
    しかし、漁師になった初期が一番大変で、大きなストレスがかかります。
     ほとんどが初めての仕事で、道具の名前や置き場所も知らない。
     他の船員にどうってことない仕事も、簡単にはできない。
     知らない船員たちと寝食を共にする。人によっては船酔いもする。
     船という限られた空間が何日も続く。土日の休みもない。
    学園で学び、訓練することで、最初の苦労を軽くすることができます。
    そのために、全寮制になっています。
    技術や資格はもちろん大事です。
    でも、漁師になる心構えが最重要。学園では心構えを育てます。
(質問)いきなり漁船に乗るのは無謀ですか?
(回答)人によると思います。
    しかし、若い人には、年配の漁船員とコミュニケーションを取るという課題もあります。
    これができないと、最初の大変さを乗り越えても、漁師を続けていくことができません。
    技術や資格を持っていても、ここでつまづく人は多いです。
    ですから、漁師に必要な心構えだったり、他の漁船員と付き合っていくコツを学園で身につけれもらえればと思います。
    学園は漁師になる専門の学校ですから、これが水産高校や海員学校と違うところです。

さて、漁師をめざす人の参考になったでしょうか。

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沖縄上陸研修終了、焼津へ

2016年12月16日 09時35分33秒 | 28乗船実習

本日も沖縄の上陸研修の様子をご紹介です。
那覇出港が一日延びましたが、ぶじに出港しました。
焼津には予定どおり19日に帰港予定です。
それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。今回、2日分です。

【12月14日 主直日誌】
 今日は、沖縄上陸研修3日目で三線という沖縄の楽器と触れることが出来ました。店の店長さんが「海の声」や「島唄」などの名曲や、「ヒヤミカチ節」という沖縄の曲を弾いてくださり、沖縄の音楽文化について少し知ることが出来ました。私は中学二年生の時に祖父から三線を勧められ始めました。周りに三線をやっている人がいなかったので、教本やインターネットで調べながら独学でやってきました。今回、しっかりと教わることが出来てとても良かったです。また、一緒に行った友達も初めて三線を弾き、楽しかったと言っており、嬉しかったです。
また、沖縄の食にも触れることが出来ました。ソーキソバやゴーヤチャンプル等の郷土料理を食べることが出来て良かったです。ゴーヤチャンプルは、幼い頃に食べた時、苦みがとても苦手で食べられませんでしたが、今日食べたゴーヤチャンプルは嫌な苦みがなくとても美味しく食べることが出来、また食べたいと思いました。
専攻科では様々な寄港地研修があり、見聞を広めるとても貴重な機会を得られていますが、卒業して就職してからも個人的に様々な所に足を運んで、さらに見聞を深めることができるようにしたいと思います。
 明日はいよいよ沖縄を出港します。出港後は3級海技士の受験申請をしていく予定です。そうすれば筆記試験に向けていよいよという感覚になると思います。焼津入港前には下船テストもあるので、筆記試験のリハーサルのつもりで頑張りたいと思います。

先生の報告書から
・本日は自由研修としたが生徒達は、計画を立ててバスに乗り昨日行けなかった観光地等に出かけて行った。
  充実した1日を過ごしていたようだ。
 本日は生徒が主体となったが、良い寄港地研修が行えた。

【12月15日 主直日誌】
 一日の感想
 今日は沖縄研修最終日でした。当初の予定では今日の午後三時に出港する予定でしたが、海況が悪いため明日の朝出港に変更となりました。生徒としては沖縄を最後まで堪能することができるので少し良いことでもあったと思います。しかし、焼津に帰るまでの航海では時化が予想されるので多少不安もあります。漁業学園の生徒さんの中には入港前に「沖縄から焼津に帰るまででまた船酔いしそう」と言っていた人もいました。船酔いをしない為にも今晩は早く寝て体調を整え、明日万全の状態で出港できるようにします。
 沖縄に来たのは専攻科が二度目、漁業学園の生徒さんは何度も来たことのある人もいれば初めての人もいましたが、みんな充実した四日間を過ごせたと思います。専攻科や何度か来たことのある人は前に来た時とは違う目線で見たり、前回には行けなかった場所に行けて沖縄の文化をより広く知ることができました。初めての人は見たことのない風景やものに目を輝かせて沖縄を堪能できたと思います。私は高校生の航海で来ているにも関わらず、その時は体調を崩して何も出来なかったので、今回の寄港をとても楽しみにしていました。バス研修の時に見たエイサーのショーはとても心引かれました。食べ物もアイスやサータアンダギーなど沖縄でしか食べられない物を味わうことができとても満足です。また来ることがあったら行くことのできなかった遠くの方にも行きたいです。
 この航海が終われば二月の海技士の試験まで二ヶ月を切ります。少ない時間を有効活用して勉強を進めていき、合格できるよう最善を尽くしたいです。

先生の報告書から
・本日は15時出港だったため、上陸研修の移動範囲を制限していたが延期の連絡を受け、路線バスを乗り継ぎ残波岬まで出かけた生徒もいた。本日も充実した1日を過ごした。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【寄港地】
専攻科生は寄港地で見聞をしているようですね。
遠洋漁業では遠くの海に出漁しますが、すべて色々な港に寄る訳ではありません。
カツオ船(海まき、一本釣り)は、基本的に水揚げ港と漁場をピストンです。
今回の「やいづ」のように生き餌のイワシを積み込みするために帰港するくらいです。
違うのはマグロはえ縄漁船。
南半球の緯度が高いところに出かけることもあり、航海が長くなります。
さまざま国に寄港し、マグロを運搬船に載せ替えたり、物資を補給します。
寄港地は
ホバート・フリーマントル・オークランド・ウエリントン・ケープタウン・ダーバン・ベノア・ポートエリザベス・ポートルイス・アビジャン・ラスパルマス・ペナン・シンガポール...
マグロ資源が減り、マグロはえ縄もかつてのように高給が期待できる漁業ではありません。
それでも、漁場とピストンするカツオ船とは、別の何かがあります。
今年の47期生でも、たくさんの港を回るマグロはえ縄にあこがれて入学した生徒がいますよ。
  
 園長のつぶやき
14日のブログで、
「漁師になりたい人の多くが、どうしたらよいか知らない」
とお話ししました。
実は、漁業就業支援フェアと言うイベントがあります。
漁師なるための就職相談会です。これに参加するのは良い方法です。

当学園も、東京や大阪で行われるフェアに参加しています。
就職相談した漁業会社から「先に学園で勉強しては?」とアドバイスを受けることもあります。
このフェアで学園を知った人が、毎年数名、入学していきます。

ところが!
今年度はフェアが行われたのは7月に福岡だけ。(東京、大阪は3月でした)
フェアに来るのは大学生や社会人なので、来年の受験生はオーバー高校生が減るかも...
運良く、このブログやホームページを見てくれることを願うばかり。

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沖縄上陸研修

2016年12月15日 15時14分57秒 | 28乗船実習

乗船実習も終盤です。
学園生にとっては、沖縄の上陸研修が、実質的に修学旅行に該当します。
学園生は別コース。
この日は
 美ら海水族館-今帰仁城跡-古宇利島
を回る定期観光バスを使いました。

良い思い出を作って欲しいと思います。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。
主直日誌の内容は、専攻科生の上陸研修の様子です。

【12月13日 主直日誌】
 沖縄上陸研修2日目。今日は、平和学習としてバスツアーに参加しました。
バスガイドの方の説明を聞きながら当時の悲惨な状況や艦砲射撃を受けた地域住民がアメリカ軍に追いつめられ飛び降りた崖等を見てきました。今現在の見た目からすると、とても艦砲射撃を受けたようには見えませんでした。しかし、平和祈念公園内にある資料館の当時の写真や実際に使われていたヘルメットや水筒、機銃などを見ると今では考えられないような当時の状況を知ることが出来ました。自分より小さい子供が亡くなっている写真を見た時はとても残酷だと思いました。外にある戦没者の名前が刻まれた石碑の多さにも驚きました。また、沖縄には今でも地中にたくさんの不発弾が埋まっているそうです。弾頭が一発250キロもある大きなものもありました。現在の処理能力からすると地中に埋まっている不発弾を全て処理するのに70年は掛かるそうです。実際に工事をしている最中に不発弾に触れてしまい爆発して大怪我を負っている人もいます。一刻も早く全ての不発弾が回収されることを願います。
平和祈念公園の次はひめゆりの塔に行きました。塔の前には大きな穴があり当時の人達はそこに避難していましたが、野戦病院の代わりとして使われるようになり避難していた人達は外に追いやられ殺されてしまったそうです。移動する際に自力で歩けなかったり重傷の患者にはミルクに青酸カリを混ぜたものを飲ませて「処置」したそうです。
資料館内に戦争を生き残った人達が当時のことを話しているビデオがありました。怪我をしても薬もない、手当もして貰えない、ただ死を待つだけ。投降することも許されない。今の平和がたくさんの犠牲の上に成り立っていると思うと二度と戦争は繰り返してはいけないと思いました。

先生の報告書から
・今日は沖縄寄港で上陸研修の最大の目的である平和学習を行った。沖縄バス(株)のバスガイド・仲本節子氏が主に専攻科生に対し沖縄戦のことを詳しく丁寧に話してくれた。生徒達も真剣な眼差しで聞いており、各資料館等では悲惨な現実から戦争が絶対にあってはならないことを強く学んだ。
 本日は沖縄での戦争に関することと、琉球文化について深く学べ、乗船実習の寄港地研修ならではの充実した実にいい研修が行えた。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【沖縄県の水産】
沖縄の水産物と言えば...
思い浮かぶものはモズク、クビレズタ(海ぶどう)などでしょうか?
海の生物は、水温が低いところほど量が増え、水温が高いほど種類が多くなります。
県別漁獲量は圧倒的に北海道がトップ。
3位以下も東北が多いです。
東シナ海の水揚げ基地である長崎県が2位だったりしますが...
そんなわけで、美しい海に囲まれる沖縄県ですが、漁獲量はそれほど多くありません。
そのなかで、水揚げの半分以上を占めるのがマグロです。
マグロの仲間は熱帯・温帯海域に広く分布します。
しかも、遠洋漁業ではなく近海物。
もちろん、冷凍されない鮮魚で水揚げされます。
  
 園長のつぶやき
乗船実習に同行している学園スタッフから、生徒の就職先について、最終希望がファックスで送られてきました。
学園では、入学してから何度も就職アンケートをとります。
この乗船実習で最終決定。
1月には面接を受け、就職先が決まります。
そして2月以降は、その就職先にあわせた実習を行います。
乗船実習後に最終決定するのには理由があります。
実際に長期航海や漁労作業をすることで、自分の適性を確認するためです。
ほとんど生徒が、乗船前の希望から変わることはありません。
それはそれで、自分の希望を固める意味があります。
来週は2学期終業式があり、その後、保護者との面談を行います。
この面談で、就職先の最終確認が行われます。

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漁場調査終了、沖縄入港

2016年12月14日 09時07分40秒 | 28乗船実習

さて、今回も2日分です。
漁場調査が終わって、ほっとした気持ちが伝わってきます。
乗船実習を経験し、学園生も就職希望が固まったようです。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月11日 主直日誌】
 今日は朝から凍結シフトと漁具の片付けがありました。昨日と同じ位の波の揺れで少し大変だと感じました。凍結シフトは人が少し多くカツオを入れたボーラの受け渡しがやりにくかったと感じました。もっと効率がいい方法を考えた方が時間短縮にもなり一人一人に仕事が行き渡ると感じました。2日前に調査も終了し今航海では満船にすることが出来なったので少し悔しく思います。初日のナブラで私の周りは釣り上げていたのですが、私のバケには掛からず今航海釣れるか少し心配になりました。今思うとあっという間に時間が過ぎ、後は沖縄での寄港地研修と水揚げだけになってしまいました。一日が早く終わると言うことは充実した日を送れていることではないでしょうか。漁業学園の生徒さんとも仲良くなり私の知らなかったロープワークなどを教えてもらったりしています。
 午後からは船洗いを行いました。毎航海終盤に行っているにも関わらず汚れがひどくみんな一生懸命に磨いていました。綺麗になると頑張った甲斐があったと思います。
 今航海残す所一週間くらいです。前の主直の時に怪我、病気なしと書いたのですが今航海は達成出来ませんでしたが怪我はしないようにしたいです。
 また明日には寄港地に上陸します。気温差などが激しいとは思いますが一枚上に羽織る、うがい手洗いをして体調管理を行い焼津入港までは全員元気に帰港したいです。今航海で今年最後になります。残りの当直等を大切にしていきたいです。帰港したらドック作業があります。夏のドックは見学ばかりで作業があまりなかったので、みんなが作業できるように工夫をしていきたいです。

先生の報告書から
・本日も時化の夜明けだった。船首を下側に向けて、午前中凍結シフト等甲板作業を、午後は船洗いを全員で行った。
  予定時刻に遅れるも、いよいよ沖縄入港である、皆とても嬉しそうだ。

【12月12日 主直日誌】
 乗船実習も操業が終わり、ついに沖縄に入港しました。入港したのは12時頃でした。今日の朝から沖縄に入港出来る嬉しさで心が落ち着きませんでした。沖縄の12月は思っていたよりも暖かく半袖で過ごすのがちょうどいいくらいで、南の島に来たことを実感させられました。本科2年生の乗船実習以来2度目の沖縄でしたが。今の沖縄は気候も良く、とても良い時間を過ごすことが出来ました。
 今日は入港してから自由時間で、専攻科の仲間と一緒に沖縄散策を行いました。最初は特に目的地も決めず港の周辺を歩きました。その後は家族や友達のおみやげを買いに国際通りに向かいました。国際通りには、ちんすこうやシーサーなど沖縄の有名な食べ物や置物などがたくさんあり、見ているだけでも楽しかったです。夕食には沖縄名物のソーキ蕎麦を食べましたが私にはあまり好きになれない味でした。
 明日は専攻科全員が南部戦跡めぐりのバス研修に参加します。なかなか歩いては行くことの出来ない場所なので楽しみです。またしっかり沖縄の歴史と文化も学んできたいです。
 今航海も残り少なくなってきましたが、最後まで気を抜かず乗船実習をやりきりたいです。

先生の報告書から
・念願だった沖縄にやっと寄港できた。
 初日ということもあり、皆元気にまた嬉しそうに上陸研修を行った。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【那覇港】
那覇港も漁港ではなく、港湾です。港湾法上の重要港湾、中核国際港湾です。
さらに港則法上の特定港です。
重要港湾は全国で102港、静岡県では田子の浦港と御前崎港があります。
中核国際港湾は、静岡県では清水港が該当します。
で、特定港は大きな外国船が入港できるところで、田子の浦港、清水港が該当です。
つまりは、多くの役割を担っています。
沖縄県は離島が多く、50以上の航路を抱えています。
30年ほど前です。フェリーで那覇港に来たとき、港内の水が緑色で南国であることを実感しました。
  
 園長のつぶやき

全国的に見ると漁師になりたい若者はたくさんいます。
でも、漁師は本当に不足しています。

私が考える原因。

漁師を志望しても、学園を知らない人がほとんど。
言い換えると、漁師になる手段を知らない。
生徒や見学者に聞くと学園を「たまたま紹介された」「たまたま知った」場合が圧倒的。
漁師になる訓練校として、まだまだ世に知られていません。
中学生、高校生、そして回りの大人も、漁師になる学校があることを御存じないのです。

さらに。
漁師は続けるのが難しい仕事。
いきなり漁船に乗ることも可能です。
しかし、漁師になる熱い志があっても、船酔い、限られた生活空間、コミュニケーション...
ほとんど続けることができずに辞めていきます。
入ってくる人が少ない割に、出て行く人が多いわけです。

本当に残念です。漁業に入る人が、少しでも準備していれば...

この学園の生徒になれば、しっかり事前準備ができます。
準備でもっとも大事なのは「心構え」です。
心構えを養うための、寮生活であったり、実習です。

このブログで、一人でも多くの漁師志望者に学園を知って欲しいと思っています。
今週も学園見学の申し込みがありました。
自分の目で学園を見て、自分の意志で学園に来てください。

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