静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

カツオの一本釣りも終盤 漁場調査9-10日目

2016年12月13日 13時13分49秒 | 28乗船実習

予定していたカツオ釣りも終了のようです。
12月10日中に帰路についたようです。
学園生は全員、釣り込みができたのでしょうか?

さて、今回も2日分です。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月9日 主直日誌】
 今日は、操業9日目を迎えました。操業は朝から始まりカツオを釣ることになりました。朝は、調子が良く魚の釣れ具合もとても良かったです。しかし、午後からはあまり釣れなくなりすこし休んだあと夕方から再開しました。夕方の食事あとには、少し釣ることが出来ましたが鮫がいたため、カツオが思うように釣れませんでした。日没近くには、カツオの群れがありましたが、つることはできませんでした。今日で、最後の操業でしたがまだイワシが余っているので終わることは出来ません。明日、もう一日操業になりました。今日はあまり釣ることが出来なかったので明日は、釣れるといいです。
  漁業学園との船内生活では、お互いにいろんなことを話し合い将来の話しや高校時代の話しなどをしています。私は、幼い頃から釣りが好きで漁師になりたいと思っていました。漁業学園の生徒も同じ気持ちでいます。私達専攻科生は三年も前から海のことや魚のことを学んできています。漁業学園の生徒にも負けないようにしたいです。漁業学園の生徒は行動が早く本格的に漁師になりたいと思っている人がきています。私達も学ばなければいけません。
  私達の課業の時間では船でしか学べないことを行っています。専攻科卒業後には三級海技士の口述試験があります。口述試験では船に乗っていた経験が役に立つと聞きました。私達が乗船して五次航海も後半になってきました。船でしかできないことを今行い将来にも活かせるようにしていきます。残りわずかな航海ですが頑張っていきたいです。

先生の報告書から
・本日は朝食後から、特大ガツオを釣った。
 漁業学園の生徒も一本釣りが大分上達した。

【12月10日 主直日誌】
 今日は朝から波の状態があまり良くありませんでした。さらに、風力もかなり高かったため船内は一日中揺れに襲われていました。自分は船酔いをしなかったものの、久々の時化にとても疲労感を感じました。周りの人達も、もう慣れたためか船酔いしている人はあまりいませんでした。また、今日は天候による影響で元々予定していた作業を行うことが出来ませんでした。民間船に今後就職したいと考えている私にとっては、少し揺れていても民間船では作業を行うので作業を行いたかったという気持ちがありました。しかし、生徒の安全のことを考えて頂いているのでそこはあまり触れませんでした。
 午後の課業では三級海技士に必要である計算の授業をしました。公式などを使いながら多くの計算をするので少しでも早く公式を身に付け、二月にある本番の海技士の試験に向けて勉強をしていきたいと思いました。また、午前の課業では今日のような荒天時の航行の方法について勉強をしました。将来船に乗っていつか使うことになると思うので、実技の内容は一つ一つ確実に覚えていきたいと思いました。そして、民間船に就職した際には即戦力になるかは分かりませんが、少しでも足を引っ張らないように自分の出来ることをできるようにしていきたいと思いました。
 明日は今日できなかった作業や船洗いなどの作業があります。どの作業も船にとっては必要なことなので手を抜いたりせずに丁寧に作業に取り組んでいきたいと思います。また、船洗いは船に対しての感謝の気持ちを表す作業でもあるので隅々まで綺麗に出来るように取り組んでいこうと思います。

先生の報告書から
・本日調査最終日の予定だったが、早朝より大時化のため急遽中止とした。
・午後若干風力が低下したので、乗組員と漁業学園の生徒で調査の片付けと凍結シフトの準備を行った。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【海技士試験の計算問題】
主直日誌にあるように、海技試験で計算問題が出ます。
計算が苦手なあなた!安心してください。
試験の時に関数電卓が持ち込みできます。
ですから、計算力より計算方法を理解していることが大事です。
高度な数学の知識はなくても大丈夫ですが、基本的なことを理解しておくのは必要。
学歴は不要でも、最低限の学力は必要なのです。
  
 園長のつぶやき
もともと、学園生は漁村の出身者が多かったのですが現在は違います。
都市部の海から離れた地域からやってくる生徒がほとんどです。
私も漁村の生まれです。「海はあって当たり前」であり、特別な思いはありません。
逆に海から離れた場所で育った人は、海の魅力を知っているのだと思います。

先週、学園見学にきた中学生。学園への進学理由を
「漁師はかっこいいと思ったから」
と言ってました。
漁村の中学生からは、聞かれない言葉です。

彼の動機はすばらしいと思います。
ただし、私から敢えて
「かっこいい漁師になるのは楽じゃない」
こともお話ししました。
さて、彼はこれから「努力を重ねて、かっこいい漁師になる道」を選ぶのでしょうか?

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特大カツオ釣れた!操業7~8日目

2016年12月12日 13時03分39秒 | 28乗船実習

今週末は2組の学園見学がありました。
県内の高校生と県外の中学生です。
学園の見学は随時受付しています。
ご説明と施設見学で2時間が標準コースです。
ご希望の方はメールgyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
あるいは電話054-627-0219
園長にご相談ください。

さて、今回も2日分です。
特大カツオを二丁で釣り上げたり、ジンベイサメを見たり、シフト作業をしたり..
貴重が経験が続きます。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月7日 主直日誌】
 今日は操業七日目でした。昨日たくさん釣れたので昨日よりもたくさん釣るために、色々な工夫をしました。
 午前中の課業は、三級海技士筆記試験が近いということもありブリッジでオートパイロットの勉強をしました。私が今まで見たことのない天候調整、舵角調整、当て舵調整を見ることができました。ただ勉強するだけなら陸でもできますが、実物を見ることで理解が深まり実習船の課業という実感が湧きます。これからも覚えたことを忘れずに勉強していきたいと思いました。
 今日はお昼前から操業をし、その時点から徐々に釣れ始めてきました。昨日の最後は特大のカツオが釣れていたので、最初は大きいバケを使い操業をしていたのですが釣れなかったので、バケを変えたらしっかり喰うようになったのでそこの調整が大切だと改めて知りました。
 午後の課業が終わった15時辺りからだんだん釣れてきました。午前中のバケのまま操業をしようとしたら周りで大きいものが釣れていたので、航海初の二丁釣りをしました。初めてのペアだったので心配でしたが、二人で力を合わせて釣ることができました。
昨日、餌を大分使い、今日も一カメ近く使ったのでこのままだとあと私が今航で釣るチャンスがあるのは一回ほどなので集中していきたいと思いました。

先生の報告書から
・本日も猛暑の中、汗だくになりながら頑張って特大カツオを釣った。
 生徒は皆無我夢中だった。

【12月8日 主直日誌】
 今日は操業8日目でした。凍結シフトで、たくさんのカツオやメジなどをブラインからカメに移しました。朝から大変な作業でしたが、これから自分達が釣るための準備なので快く作業することが出来ました。
 今日の操業は、朝からたくさんの群れに当たるなと感じました。しかし、カツオを長くたくさん釣ることは出来ませんでした。お昼過ぎの群れでジンベイザメを見ました。4次航海の時も大きなジンベイザメを見ました。その時は操業の時ではなくポンペイ入港前の船洗いの時でしたが、親子で泳いでいて、子供のジンベイザメがとても可愛かったです。今回見たジンベイザメは前回よりも大きく更に釣り台という間近な場所から見たため大迫力でした。専攻科の仲間の中には、小さいコバンザメを釣ってしまう人がいました。今回の経験はとても貴重な経験となりました。一昨日は夕方から爆釣することが出来たため、今日も期待していたのですが期待とは裏腹に少ししか釣ることが出来ませんでした。明日も操業は続くので右舷班には自分達の分まで頑張って欲しいと思います。
 操業も大切ですが、私達には3級海技士の免状を取るという大切な使命があります。その為にも課業や自主勉強をする必要があります。試験まで2ヶ月を切っているためできるだけ勉強をしていきたいと思います。

先生の報告書から
・本日も朝から昨日同様凍結シフトを行った。
 皆大汗をかきながら大漁のカツオをシフトした。
・猛暑の中、連日調査実習を行っているが、生徒は大分疲労が蓄積されている様子である。最後まで事故や怪我が無いように注意して調査を終えたい。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【シフト作業】
釣り上げたカツオはブラインと言うマイナス20度近い濃塩水(つまり不凍液)で一気に冷凍します。
急速に冷凍することで高鮮度になります。
しかし、逆に塩水といえども凍ってしまうので、これ以上低温にできません。
そこで、その凍ったカツオをマイナス40度以下の冷蔵庫に移動させるのがシフト作業です。
こんな手間を掛けることで、高鮮度のカツオが水揚げされる訳です。

 園長のつぶやき
さて、前回の続きです。
中学生の場合、漁師になる学校は水産高校も選択できます。
しかし、水産高校に行ってない人...どうしましょう?

海技士資格をとる学校はあります。海事教育機関です。
海上技術短期大学校は清水(静岡市)などにありますが、2年間で航海、機関の両方の4級海技士が取得できます。
乗船履歴もつきますので、卒業時に口述試験に合格すればOK。
9ヶ月の航海も経験できます。女子寮もありますよ。

そうは言っても、漁師は、なるより続けるのが難しい職業です。
実際に漁船に就職し、すぐに辞めないためには海技士資格以外のことが問題です。
漁船生活への適応と、コミュニケーションです。
漁船の居室は、実習船ほど快適じゃありません。
同世代の人は少ないし、多くは年上の先輩船員。

3級、4級を持っていれば、最初から1等航海士、機関士になることもあります。
当然、給料もヒラ船員より何割か高い。
ただし、資格があっても、経験がなければ実際の仕事はできません。
漁業は実力の世界。それは漁労(魚を捕る)作業が勝負です。
こいつは高い給料に見合う働きをするのか
と言う目で見られます。

学園では海技士の筆記試験だけしか合格できません。
3年の乗船履歴を満たし、口述試験に合格するまで海技士資格はなしです。
その代わり、1年間で現場で使う技術やノウハウを叩き込みます。
先輩漁師との付き合い方も教えます。
そして就職して3年の経験を積めば、一通りの仕事は覚えます。
このタイミングで海技士になり、役職を得ていきます。

中学生も、高校生も、それ以上の人も。
漁師になる方法はいろいろあります。
良く考えて、自分に最適な方法を選んでください。

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カツオの大群に当たる!漁場調査5-6日目

2016年12月09日 11時14分46秒 | 28乗船実習

やっとカツオの大群に当たりました!
良かったね。

今回は2日分です。
日誌にもありますが、専攻科生も学園生徒の交流を楽しんでくれていて喜ばしいです。
学園生は県外生も多いし、農業高校の出身者もいます。
大卒者や社会人の経験者もいます。あと剣道の達人も...
専攻科生の刺激になれば幸いです。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月5日 主直日誌】
 今日は、出港から11日目、操業開始から5日目でした。出港してから初めてマンデークリーニングを実施しました。出港してから溜まっていた部屋の汚れを部屋の他の住人と一緒に掃除して、綺麗になったのでとても気持ちが良いです。明日からもこの部屋の綺麗な状態を保っていきたいです。
 自分は今航の操業では、あまり釣れていないので、一本釣り実習に対して貪欲に取り組みたいと考えています。予定ではまだ機会があるので、明後日の調査では一所懸命にナブラを探したいと思っています。
 今航では、今までの本校の本科生とは違い、自分と同年代かそれ以上の年代の人がいる漁業高等学園の生徒が乗船しています。話しをしてみると自分とは全く違う生き方をしている人もいて、聞いていてとても楽しいし、参考になったりします。色々な話を聞くことも良い経験になるので、もっと話したいと思います。まだ話したことがない人も多いので自分から話しかけて行きたいと考えています。
 また、2月には3級海技士の筆記試験が控えています。残り約2ヶ月しかありませんが、試験に向けて一所懸命頑張りたいと思います。専攻科を修了すれば3級の筆記試験は免除になりますが、実力で筆記試験に合格し、実際の現場に於ける実地作業及びブリッジワークに活かしていきたいです。更には、上級試験にも挑戦していきたいと考えています。試験後の結果に対して、後悔しないようにこの2ヶ月を有意義に使っていきたいと思います。

先生の報告書から
・昼食後各居室月曜クリーニング実施
・本日も南洋特有の灼熱猛暑更に強風の中、調査操業実習を行った

【12月6日 主直日誌】
 朝、ラジオ体操で船尾甲板へ出た時「穏やかな平和な朝だ」と思いました。と、思う理由は、連日時化の日々が続いていたからです。波の状態は昨日よりも一昨日よりも良好で過ごしやすい一日でした。午前の課業は、ブリッジにて音響測深器。魚探についての講義を受け、私自身がまだ知らないことも多々ありまだ学ぶべきことが多くあると思いました。
 午後は、六分儀を使った後の海図への記入の仕方を習いました。教官が、分かりやすくマニュアルを作り用意して下さったおかげで分かりやすかったです
 来年の6次航海で3級海技士の筆記試験があり今学んでいる範囲は必ず出るところなので解けるようになりたいです。本来なら、筆記免除ですが筆記試験を受けます。試験を受けることに最初は不満がありましたが、船員さんの話しや教官方から、今後の口述試験に有利になると話しを聞き最善の努力を尽くそうと思いました。
 夕食後カツオの大群に当たりました。私はこの航海で一匹も釣っておらず釣ることが出来て良かったです。私はカツオ船希望なので1丁で釣りましたがパワー不足で一人で釣り上げることが出来ず仲間に助けてもらいました。今後、最終的には一人で釣り上げられるようになりたいです。今回の群れは、入れ食いで休む間はありませんでしたが、私はカツオ一本釣りが好きなので苦とは思わず逆に最高だと思いました。調査も折り返しにきました。まだ、釣れます。
 海技試験まで後2ヶ月弱、この多いような短いような期間の中で筆記試験に受かるように頑張りたいです。「意思(努力)あるところに道は開ける」という言葉を信じるのはもちろん、自分の力で一歩ずつ頑張っていきたいです。

先生の報告書から
・夕刻大きな群れ(ナブラ)に出会う。
 没後も継続し漁業学園、専攻科ともにへとへとになるまでたくさんのカツオを釣った。
 ここまでの苦労が報いる瞬間だ。
 調査終了後は、皆の充実した笑顔と一体感が見られ、更に専攻科生は乗組員と一緒に率先して片付け(カメ換え)作業等を行った。
 残りの調査日数と活餌で更にたくさんのカツオを釣る。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【海技士資格】
主直日誌にも、たびたび海技士試験のことが登場します。
そこで、簡単に説明。
海技士は大型船で必要な資格です。航海、機関、通信があります。
最上位の1級から最下位の6級まであり、大きな船ほど上位の資格が必要です。
また同じ大きさの船でも、沿岸から沖合、遠洋に行くと上位資格が必要となります。

そして、試験は筆記と口述があります。
口述試験を受けるには、決められた乗船経験(乗船履歴)が必要です。
専攻科生の場合、3級の筆記が免除になり、乗船履歴も満たされるので、卒業時に口述試験に合格すれば3級海技士になるわけです。
一方、学園生は在学中に3~5級の筆記を受験します。そして、3年の乗船履歴を満たした後に筆記試験を受けることになります。

大型船で遠洋に行くカツオ一本釣り、マグロはえ縄、海まきで幹部船員にあるには海技士資格が必要です。
多くの大型漁船で、3級があれば船長や機関長になることができます。

 園長のつぶやき
もし、あなたが「将来は大型漁船で働きたい」と言う場合。
船長や機関長になる海技士資格を取るには、専攻科のある水産高校に進学するのが最短コースです。
口述試験に合格する必要はありますが、卒業時に3級海技士が取得できます。
ただし、いくつかの問題があります。
 1 現在、中学生以下であること
 2 通える範囲に専攻科のある水産高校があるか
 3 専攻科修了まで5年かかる
学園はこの3点は大丈夫。
中学から学園への進学も歓迎しますよ。
しかも学費がいらないし、就職も確実にあります。

..ですが、水産高校に進学する方が学園より優れる点は海技士取得だけではありません。
 1 一般科目が勉強できる
 2 大学や専門学校に進学できる
 3 3年間、本当に漁師になるか考える時間がある
「漁船に乗ることに目標を絞る」ことで、さまざま実習、就職先指導を行うのが学園の特徴。
さあ、どうします?

そして、あなたが高校生以上の場合!次回に続きます。

コメント (1)
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漁場調査4日目

2016年12月08日 13時20分23秒 | 28乗船実習

日誌を書いた人はカツオが釣れなかったようですね。
残念...
この人は海まきを希望しているので、実習中に一匹でも多くカツオを釣り上げておきたいのでしょう。
ただし、専攻科生はもう1年ありますが、学園生は今回限り。
たくさん釣って欲しいと思います。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月4日 主直日誌】
 今日の操業は、風がとても強く午前中は外に出ることが出来ませんでした。午後からも、何回か鳥群れなどがありましたがカツオを上げることが出来ませんでした。私は、今航海でカツオをまだ一匹も釣っていないので今日の出来事はとても残念でした。今航海を入れてカツオを釣る航海はあと少ししかないので、出来るだけたくさん釣りたいと思いました。そして、専攻科生として船に乗っている時間も少ししかないので、ワッチやロープワークをたくさん覚えて船を降りていきたいです。
 今航海で、海技士試験まで2ヶ月となってしまいました。私は将来海外巻網船で働きたいと思っているので、なんとしても3級海技士を自分の力で取得していきたいと思いました。そのためにも、少しずつでも毎日勉強していきたいです。

先生の報告書から
・本日も午後より時化模様の中操業となった。
 まとまった漁獲物がなかなか得られないが、その他の甲板作業や当直は一生懸命取り組んでいる。
 そろそろ大きなナブラに出会えればと願う。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【海外まき船への就職】
 この専攻科生は海まき希望のようですね。
 海まきは、このブログでも紹介しています。
 給料は高いですが、厳しい世界です。
 野球で言えば、メジャーリーグって感じでしょうか。
 また、船が大きいので2級海技士がないと船長になれないこともあります。
 給料が高ければ、それに見合う働きぶりを求められます。
 漁船は魚を獲れるかどうかが問題で、漁労作業が最重要です。
 資格も大事ですが、漁労作業をこなせるかが問題です。 
  
 園長のつぶやき
漁師は、なるのは簡単、続けるのは難しい仕事です。
例えばプロのスポーツ選手。
才能に加えて、人並み外れた努力の積み上げが必要です。
好きでなければできない仕事であるのは漁師といっしょ。
しかも、プロになれるのは極わずか。
そして結果が出せなければ、即引退です。
引退後にどんな仕事があるのか...

さて漁師です。
せっかく採用されても、早い人は1航海で辞めます。
しかし、辛いのを乗り越えて3年経つと海技士に必要な乗船履歴を満たします。
海技士資格があれば、多くの船で役職のある船員になれます。
実力があれば、プロ野球選手のフリーエージェントのように移籍もできます。
さらに機関員であれば、陸上の仕事にも就けます。
この点では恵まれた職業かも知れません。

しかし、漁船以外の船に移れたり、陸の仕事があると言っても、魚を獲るのが漁師のやりがい。
主直日誌でもカツオを獲りたい気持ちが伝わってきます。
今回の実習でも、生徒全員に魚を獲る楽しさを経験して欲しいと思います。

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漁場調査3日目

2016年12月07日 13時33分01秒 | 28乗船実習

波で船が揺れる中で操業があったようですね。
日誌にはカツオを釣り上げた喜びが書かれています。
写真にある学園生の表情からも充実した実習になっていることが伝わってきます。

それでは、専攻科生の主直日誌を紹介します。

【12月3日 主直日誌】
 今日は調査3日目で昨日に続きカツオを釣り上げることが出来ました。午前は鳥の姿すらなく今日は釣れないのではないかとも思いました。昼食を食べてから私はデッキで日課の筋トレをして勉強をしていたら甲板長から「鳥群れを見つけた!」と伝えられ、急いでカッパを着てやる気満々で釣り台へ向かいました。船長の合図で餌がまかれると自分の竿に1番にかかれと願いながら待っていましたが、この群れは規模が小さかったようでカツオは船に近寄ってくれませんでした。釣れなくてテンションが低いまま夕食を食べて、双眼鏡を覗きに行く前にバケと呼ばれる疑似餌を新しいものに変えようと準備していたら船のスピードが遅くなって船長から「群れを見つけた!」と連絡が入り私はまたもや急いで準備して釣り台へ行きました。釣り台へ出ると波が大きく船も揺れるので落ちないように気を付けなきゃと思いました。次の群れは最初から船の近くにいたので期待しながらカツオがかかるのを待っていたら1番に私の竿がしなりました。私は大きい声で「喰ったー!」と船長に聞こえるように言いカツオを釣り上げました。今日のカツオは一人でも十分に釣り上がるサイズでした。30分ちょっとの操業で私は5本と決して多くはないですが、釣れない生徒もいたので少し優越感に浸りながら今日の操業を終えました。
 なかなかカツオが釣れないので今航海の水揚げ量が心配ですが諦めずに鳥を探して、釣り落とすのを少なくしてなるべく多くのカツオを釣り上げて焼津へ帰れるように頑張っていきたいと思います。


先生の報告書から
・連日時化の中操業行う。
 危険と隣り合わせだが、皆積極的に取り組んでいる。

なお「主直日誌」については25日のブログをご参照ください。

【双眼鏡】
カツオ漁は群れを見つけるところから始まります。
日誌にも双眼鏡を覗くとあります。
しかし、海面下にいるカツオは船の上から簡単には見つかりません。

まずは海鳥。
海鳥は餌が小魚をなので、海鳥が群れる下には必ず小魚がいます。
それを狙うカツオも高い確率でいる訳です。

そして、なぜかカツオは流木などに集まる習性があります。
カツオは身を守るためにヒゲクジラやジンベイザメ(どちらもプランクトン食)の周辺に集まります。
たぶん、流木をジンベイザメと勘違いするのでしょう。

そんな訳で、カツオ漁では双眼鏡で鳥や流木を探します。
この発見率は個人差があって、見つけるのがうまい人は「目が良い」と言って活躍します。
これは視力と言うより心眼。経験やセンスが勝負です。

カツオの一本釣り船、海まき船には海鳥を探すレーダーがあります。
しかし、レーダーで見つからないカツオの群れもあるし、
レーダーで見つけた反応を、近づく前に細かく判断する必要もあります。
そんな理由で、レーダーがあっても、双眼鏡を使って見張りを行います。

 園長のつぶやき
昨日の続きです。

 

外国人船員がたくさんいる現在、日本人は資格やリーダーになる人材が求められています
仕事でつらいこともあるし、「でもしか」で漁師になっても続きません。
こんな人は、学園に入学しても脱落します。

 

現在中学生の人。
中学卒業後に学園に来ることは歓迎です。
しかし!
「将来は漁師でやっていこう」
と言う決意がないなら高校進学すべきです。
水産高校なら、漁師以外の進路もありますよ。
普通高校に進学して、卒業後に学園に入学しても良いのです。

逆に、漁師になる決意があって、頑張ってみようと言う人。
30歳まで学園に入学できます。
 高校の勉強より、仕事に直結するものを学びたい
 水産高校には行かなかったけど、どうしても漁師になりたい
 実力主義の世界で頑張ってみたい...
学園では漁師になるノウハウや資格、技術が1年で取得できます。
就職後は、がんばり次第で道が開けます。
あなたの意志で学園に来てください。

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