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実験映画を観る会VOL-8 伊藤隆介特集上映ー2024年春東京(22)

2024年06月05日 16時04分59秒 | 音楽、舞台、映画、建築など
(承前)

 前項のアップから3週間もたってしまいました。

 武蔵小金井という、東京の都心から西に離れたマチまで出かけたのは、映像を使ったインスタレーションなどを国内外で精力的に発表している札幌拠点の作家伊藤隆介さんの、実験映画の特集上映が行われるためでした。
 このために、当初は3月29日まで1泊2日の予定だった上京を、もう1日延ばしたのでした。

 近年の伊藤隆介さんは、小型CCDカメラと模型による、立体と映像を組み合わせた作品がメインになっており、16ミリフィルムを映写機にかけて映像をスクリーンに投映する上映会は、じつはひさしぶりのようです。
 昔は公民館での上映でよく使われていた16ミリフィルムもすっかりビデオやパソコンの映像におされて出番が少なく、今回は専門家を招いての上映となりました。
 主催は日本映像学会アナログメディア研究会など。

 こちらのサイトによれば( https://www.muddyfilm.net/event/experimentalmovie8 )、上映作品は次の通りです。

『版 #2, #1 及び#3』(1999/4分)
『版 #9, #6, #7, #11, #5 及び#8』(1999/8分)
『版 #13, #14, #12, #5 及び#10』(2000/7分)
『版 #15-18』(2001/7分)
『版 #19-22』(2003/3分)
『Songs (版 #23)』(2003/3分)
『版 #24 (回転体)』(2004/3分)
『Household Movie』(2005/4分)
『版 #26-29』(2007/8分)
『Flat, Split Reel』(2008/9分)
『版 #43-44(二枚舌)』(2009/9分)
『当映画館にて上映されます(V NASICH KINECH UVIDITE)』(2010/4分)
『悪魔との契約(Zmluva s diablom)』(2014/5分)
『私がスパイだったら(Breakdown; If I Were a Spy)』(2014/7分)
☆ 新作 『段差と性欲(仮題)』(2024/8分予定)

 なお、今回は「実験映画」というくくりなので、おもにこれ以前に撮っていた私小説的なフィルムについては上映していません。
 「版」シリーズは、フィルムという素材の物質性をあえて強調し、フィルムの横についているサウンド用の磁気入力スペースもノイズ発生用(?)に活用した連作。筆者はおおむね見ているようでした。
 2010年代の作品は、東欧のジャンク店で入手した古い犯罪映画などのフィルムをそのまま切り刻んでつなぎあわせるかたちで引用したものです。

 なにがいちばんびっくりしたかというと、会場の最前列に、星槎道都大中島ゼミの中島先生と、シルクスクリーン作家の森迫暁夫さんがすわっていたこと。
 お二人とも実家がこの近くらしいですが、まさかこんなところでバッタリ会うとは!

 飛行機の時間が近づいていたため、上映後のトークは残念ながら聴くことができず、会場を後にしました。


 帰路は、中央線快速で新宿まで行き、山手線に乗り換えたら大崎止まりで、ちょっとガッカリしましたが、品川からは京浜急行の快特に乗れたので良かったです。
 ただし、羽田発エアドゥ35便は、18時50分発の予定が15分遅れ、これならトークを聞けたのに…とも思いました。


 さて、3月末の東京行きを記録した「2024年春東京」シリーズは、この(22)で終わります。
 ただし、現時点で、(17)の中平卓馬展についてまだ執筆が終わっていません。


□Ryusuke Ito http://www.ne.jp/asahi/r/ito/indexjpn.html

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伊藤隆介さんから来ていたメールをわすれていた
SAPPORO ART PLANETS展
(以上、画像なし)

伊藤隆介「Realistic Virtuality」 (2008)

SCAN DO SCAN (07年)

FIX! MIX! MAX! 現代アートのフロントライン(06年11月)
06年の個展(札幌芸術の森美術館)
Interaction ドイツ展帰国展(06年1月)

04年の個展「Japanese Style」
伊藤隆介映像個展(03年)
伊藤隆介展(03年)
ビデオレター sapporo映像短信(03年)
アジアプリントアドベンチャー2003

ぼくらのヒーロー&ヒロイン展(02年)
northern elements (02年)
札幌の美術2002


(この項、了) 


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