このエントリのコメント欄をうけて書いたエントリです。
けっこう長文です。
大きな書店の美術書のコーナーで、大きな年鑑タイプで、画家の図版がたくさん載っている本を手に取ったことがある人がいるかもしれない。
●年 日本の美術-などと、あたかも現代の日本の美術家を網羅しているような書名がついているけれど、有名な画家・作家が載っているのは最初の方だけ。あとは、聞いたこともないような人の絵が印刷されている。そこらへんのアマチュア画家の風景画や静物画みたいのも載っている。
ただし、各ページには、美術評論家という肩書の人物が、その作品をほめそやす文章が掲載されている。その評論家というのもよく知らない人だが。それらを読んでいると、へたな絵もだんだんうまく見えてくるから不思議である。
これは、以前からある「掲載商法」で、最初のほうのページの有名画家を除けば、あとはみな、何万円だかの掲載料を払って自分の絵を載せているのである。ふつう、雑誌などは、出版社の側が作品をつくった側にお金を支払うのは言うまでもないが、これは逆なのだ。
べつに、この手の書物や年鑑に自作が載ったからといって、ハクがつくとも思えず、事情を知る側からすれば「ふーん、ごくろうさん」という感じなのだが、それなりに需要があるんだろうな。
ところで、最近、道新などで「掲載商法」が話題になっているのは、これまで美術が専らで、しかも金銭の支払いについては「話が違う」などということのなかったこのビジネスが、悪質化した上に、短歌や俳句にも広がってきたためではないかと推察される。
以下、2010年4月27日、生活面の記事。
だいたい、電話で勧誘してくるのって、アヤシイ。
契約金額の30万円弱、というのも高額である。カラー印刷の必要がない短歌や俳句でどうしてこんな金額になるのか、まったく理解できない。
これは、従来の「図録掲載商売」にダメージを与えるかもしれないな。
あと、芳名帳のこと。
ギャラリーの入り口に置いてあって、名前を書く帳面のことである。
筆者の知ってる範囲でいうと、道内では(札幌以外も含め)、住所と名前を書く人が多いが、東京の画廊では住所を書く人はほとんどいない。
個人情報うんぬん以前からの習慣のようである。
愛知県とか関西でどうなっているのかは知らない。
ただ、これはほんとに、単なる慣習のようだ。東京人が住所を書かないことにおいて徹底しているかというとそうではなく、札幌市資料館に観光で来た人は、住所も書いていることが非常に多い。
まあ、芳名録を住所業者に売り渡している作家さんはいないと思う。
そもそも、作家の名簿ならメリットもあるけど、見に来る人の名簿には、親戚とか会社の同僚とか元教え子みたいな人もかなり含まれていて雑多な集団なので、名簿としては、商売には役に立たないだろうし。
余談だけど、東京のギャラリーでは、住所の代わりに所属(大学、画廊、美術館など)を書く人がかなりいる。札幌では、ときおり「札幌芸術の森美術館」という所属名を見る以外は、あんまりないパターンである。
さすがに東京だけあって、自分の前の方をちらっと見ると、「あ、有名な英文学者だ」などというケースにときおり出くわす。
けっこう長文です。
大きな書店の美術書のコーナーで、大きな年鑑タイプで、画家の図版がたくさん載っている本を手に取ったことがある人がいるかもしれない。
●年 日本の美術-などと、あたかも現代の日本の美術家を網羅しているような書名がついているけれど、有名な画家・作家が載っているのは最初の方だけ。あとは、聞いたこともないような人の絵が印刷されている。そこらへんのアマチュア画家の風景画や静物画みたいのも載っている。
ただし、各ページには、美術評論家という肩書の人物が、その作品をほめそやす文章が掲載されている。その評論家というのもよく知らない人だが。それらを読んでいると、へたな絵もだんだんうまく見えてくるから不思議である。
これは、以前からある「掲載商法」で、最初のほうのページの有名画家を除けば、あとはみな、何万円だかの掲載料を払って自分の絵を載せているのである。ふつう、雑誌などは、出版社の側が作品をつくった側にお金を支払うのは言うまでもないが、これは逆なのだ。
べつに、この手の書物や年鑑に自作が載ったからといって、ハクがつくとも思えず、事情を知る側からすれば「ふーん、ごくろうさん」という感じなのだが、それなりに需要があるんだろうな。
ところで、最近、道新などで「掲載商法」が話題になっているのは、これまで美術が専らで、しかも金銭の支払いについては「話が違う」などということのなかったこのビジネスが、悪質化した上に、短歌や俳句にも広がってきたためではないかと推察される。
以下、2010年4月27日、生活面の記事。
「自作の俳句や短歌を新聞広告やチラシに掲載しないか」と誘い、後で高額な掲載料を請求する悪質商法への相談が全国で増えている。札幌でも1回の掲載で9万円を要求された事例があった。相談者の多くは俳句、短歌を趣味で楽しむ高齢の女性。国民生活センターは「絵や書道、写真でも同様の手口がみられる」として注意を呼びかけている。
「奥さんの俳句を新聞の折り込みチラシに掲載しませんか」
札幌市の70代の男性宅に昨年、突然電話が入った。7年前に亡くなった妻の作品を、「1カ月で4回、チラシに掲載する。料金は9万円」と業者は説明したという。
男性は9万円を支払ったが、その後業者は「掲載は1回につき9万円」と言い、2回目も同額を請求してきた。男性は電話口で業者と交渉、2回分の掲載料として計10万円を支払うことで決着、その後は掲載しなかった。
(中略)
同様の手口の商法は全国的に増えている。国民生活センターによると、短歌、俳句の新聞、雑誌掲載への電話勧誘に関する相談は2006年度は8件だったが、08年度は150件、09年度は356件に急増した。
04~09年度の相談571件のうち、相談者の83%が女性で、70~80代が86%を占めた。契約購入金額は04年度は7万1千円だったが、09年度は29万9千円と高額化している。
手口のパターンは、《1》業者が新聞社からの勧誘と誤認させる《2》掲載料は無料と勧め、承諾後に高額請求する《3》解約を申し出ると「すでに印刷しているので解約できない」などと言う-。(以下略)
だいたい、電話で勧誘してくるのって、アヤシイ。
契約金額の30万円弱、というのも高額である。カラー印刷の必要がない短歌や俳句でどうしてこんな金額になるのか、まったく理解できない。
これは、従来の「図録掲載商売」にダメージを与えるかもしれないな。
あと、芳名帳のこと。
ギャラリーの入り口に置いてあって、名前を書く帳面のことである。
筆者の知ってる範囲でいうと、道内では(札幌以外も含め)、住所と名前を書く人が多いが、東京の画廊では住所を書く人はほとんどいない。
個人情報うんぬん以前からの習慣のようである。
愛知県とか関西でどうなっているのかは知らない。
ただ、これはほんとに、単なる慣習のようだ。東京人が住所を書かないことにおいて徹底しているかというとそうではなく、札幌市資料館に観光で来た人は、住所も書いていることが非常に多い。
まあ、芳名録を住所業者に売り渡している作家さんはいないと思う。
そもそも、作家の名簿ならメリットもあるけど、見に来る人の名簿には、親戚とか会社の同僚とか元教え子みたいな人もかなり含まれていて雑多な集団なので、名簿としては、商売には役に立たないだろうし。
余談だけど、東京のギャラリーでは、住所の代わりに所属(大学、画廊、美術館など)を書く人がかなりいる。札幌では、ときおり「札幌芸術の森美術館」という所属名を見る以外は、あんまりないパターンである。
さすがに東京だけあって、自分の前の方をちらっと見ると、「あ、有名な英文学者だ」などというケースにときおり出くわす。
折角の休みなのに、本業モードで
解説頂き、ありがとうございます。
大手の本屋さんに行ったらそんな
そんな美術カタログがあるなんて、
知りませんでした。
来週実家に帰るので、お向いにある
本屋さん(東京以北最大級らしい)で
捜してみます。
それにしても歌を一首載せて10万は
どう見ても、エグイボリ方ですね。
今小学校では子供の安全のために、
学級名簿の類いを作らない一方で、
歌集には作者連絡一覧なんてのが
載ってますからねえ。
>芳名録を住所業者に売り渡している
>作家さんはいないと思う。
今から十数年前のことですが、どうも
同一の芳名録を使いまわしてるとしか
思えない事かありました。
その時一人暮らしを始めた間もない頃
だったので、住所を記載する際枝番を
間違って書いたようです。
それ以降、知らない作者やグループ展
より、間違ったままの枝番で送られた
DMが数回届きました。
「この人きっと絵が好きだから、
DM送ってみれば」と軽い気持ちで、
芳名録が使われたかもしれません。
送る側は好意だったかもしれませんが
送られた側は、気味悪かったです。
>この人きっと絵が好きだから、
DM送ってみれば」と軽い気持ちで、
芳名録が使われたかもしれません。
あ~、そういうのはあるかもしれないですね。
そして、気味悪さっていうのは、人それぞれですね。
一方で、クラスの名簿が作れないなんていうのは、ちょっと行き過ぎだと思います。
個人情報保護法の拡大解釈としか思えない。
そして、役所とかが、個人情報保護法をタテに必要な情報を出さなくなってたりしてるので、なんとかしてもらわんと。
個展のDMだったら、別にお金払って
見る訳じゃないしいいんですけど?
いろいろな劇団から当日精算券付の
案内状が、よく届いてました。
同じシールタグが貼ってあるので
住所や名前がデータ化されてる?
それを考えるとほとんど劇場には
行きませんでした。
だって旗揚げの癖に、いい値段を
設定してるし(←そこですか?)
そういえばミスターこと鈴井さんが
今年オーパーツとして舞台に復活?
するそうです。
何を今更、社長にもなっていながら
金にならない事やんなかな?
ちょっと醒めた目で見てたんですが
キャストに、元Pプロジェクトだった
増沢望さんの名前が!!
、、、最近ビックリしたことです。
(うまく感動が伝わらなくてすいません)
設定してるし
いや、そこ重要だと思いますよ(笑)。
わたし、演劇を見る習慣がもともとないんですが、それは学生時代に見る習慣がなかったという理由が大きいと思います。なぜ見なかったかというと、単純に、本や映画より高かったからです。