10日夜、北海道新聞デジタルを見て、驚きました。
岩見沢市栗沢町美流渡に拠点を構え、地域おこしに務めていた画家のMAYA MAXX(マヤマックス)さんが8日夜、肺がんのため死去したというのです。
63歳。早すぎると思います。
最後の個展「みんなとMAYA MAXX 展」を札幌市東区の茶廊法邑で開いたのが昨年2月ですから、まだ1年たっていません。
MAYA MAXXさんは早稲田大教育学部を卒業。有元利夫にひかれ、独学で絵を描き始めました。吉本ばななの本の装丁や、子ども番組への出演など、いわゆるタブローをきっちり作り上げる画家と違い、といってコンセプト重視の現代アート作家とも異なる独自のポジションで活躍していたという印象があります。
2020年に、友人の編集者來嶋路子さんが一足早く移り住んでいた、旧産炭地で、岩見沢市中心部から離れた美流渡地区に移住しました。以前、JR北海道の車内誌で読んだインタビューによれば、当初は東京と2拠点生活を考えていたそうですが、コロナ禍のため思い切って東京を引き払ってきたそうです。
(話はそれますが、北海道への移住を考えているアーティストで、経済的余裕があって可能な方は、2拠点生活をおすすめします。雪かきなど冬の生活が大変だからです)
美流渡地区では、年2回のイベントのほか、街角のシャッターや閉校した学校の壁(冒頭画像は旧美流渡中)、美流渡地区などを走るコミュニティバスの車体など、いろいろなところに絵を描いて、地域を盛り上げようと腐心していました。
岩見沢市の婚姻届・出生届の絵を描いたのも彼女です。
ただ、ここ2年ほどは、それまでの赤を基調とした、元気はつらつとしたウサギなどの動物は影をひそめ、重たい色彩の絵が増えて、教室の壁を覆っていました。
インタビューなどを読む限り、それはウクライナ戦争など悪化していく世界情勢を背景にしたものだと思っていたのですが、ご自身の体調も影響していたのかもしれないかと振り返ると、暗澹たる思いがします。
最後の個展で、仏教的な薫り漂う白象の絵がありました。いま考えると、それは体調の悪化に伴う画家の心境の吐露だったのでしょうか。しかし、見た当時は、そんなことを思ってもみませんでした。
筆者は会社で、記者が書いてきたインタビュー記事などをチェックするのが仕事だったのですが、ご本人と直接お話をしたことはありません。ただ、春の「みる・とーぶ祭」の際には受付にすわって、来場者に元気にあいさつしていた姿を思い出します。
なお、今年2月5日から16日まで、札幌市東区の茶廊法邑で個展「生きる」が予定されています。
ご冥福をお祈りいたします。
自分に近い年齢の人が亡くなると、いささかショックです。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/hokkaido/region/hokkaido-1109857
Twitter(X) @MAYAMAXXLOVE
みる・とーぶ(岩見沢市栗沢町美流渡のプロジェクト) https://mirutobu.studio.site/
北海道新聞のロングインタビュー <聞く語る>MAYA MAXXさん アートで過疎地を再生する画家 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/694625/ (2022年6月) ※無料で会員登録できます
北海道新聞デジタルのロングインタビュー 岩見沢・美流渡から世界を見つめ描いた新作 MAYA MAXXさん4月29日から個展<デジタル発> https://www.hokkaido-np.co.jp/article/833746/
「コロカル」の來嶋路子さんのテキスト・写真 札幌でMAYA MAXXの個展。なぜ白い象が描かれたのか? https://colocal.jp/topics/lifestyle/ecovillage/20240214_162073.html (2024年2月14日)
過去の関連記事へのリンク
旧美流渡中・小校舎にMAYA MAYA (マヤマックス)さんの壁画~2022年7月30日は2カ所(2)
■みる・とーぶ展に行ってきた~2022年7月30日は2カ所(1)
■札幌ミュージアム・アート・フェア2020-21 (MAYA MAXX さん出品)
MAYA MAXX(マヤマックス) さんが岩見沢に移住していた (2020)
岩見沢市栗沢町美流渡に拠点を構え、地域おこしに務めていた画家のMAYA MAXX(マヤマックス)さんが8日夜、肺がんのため死去したというのです。
63歳。早すぎると思います。
最後の個展「みんなとMAYA MAXX 展」を札幌市東区の茶廊法邑で開いたのが昨年2月ですから、まだ1年たっていません。
MAYA MAXXさんは早稲田大教育学部を卒業。有元利夫にひかれ、独学で絵を描き始めました。吉本ばななの本の装丁や、子ども番組への出演など、いわゆるタブローをきっちり作り上げる画家と違い、といってコンセプト重視の現代アート作家とも異なる独自のポジションで活躍していたという印象があります。
2020年に、友人の編集者來嶋路子さんが一足早く移り住んでいた、旧産炭地で、岩見沢市中心部から離れた美流渡地区に移住しました。以前、JR北海道の車内誌で読んだインタビューによれば、当初は東京と2拠点生活を考えていたそうですが、コロナ禍のため思い切って東京を引き払ってきたそうです。
(話はそれますが、北海道への移住を考えているアーティストで、経済的余裕があって可能な方は、2拠点生活をおすすめします。雪かきなど冬の生活が大変だからです)
美流渡地区では、年2回のイベントのほか、街角のシャッターや閉校した学校の壁(冒頭画像は旧美流渡中)、美流渡地区などを走るコミュニティバスの車体など、いろいろなところに絵を描いて、地域を盛り上げようと腐心していました。
岩見沢市の婚姻届・出生届の絵を描いたのも彼女です。
ただ、ここ2年ほどは、それまでの赤を基調とした、元気はつらつとしたウサギなどの動物は影をひそめ、重たい色彩の絵が増えて、教室の壁を覆っていました。
インタビューなどを読む限り、それはウクライナ戦争など悪化していく世界情勢を背景にしたものだと思っていたのですが、ご自身の体調も影響していたのかもしれないかと振り返ると、暗澹たる思いがします。
最後の個展で、仏教的な薫り漂う白象の絵がありました。いま考えると、それは体調の悪化に伴う画家の心境の吐露だったのでしょうか。しかし、見た当時は、そんなことを思ってもみませんでした。
筆者は会社で、記者が書いてきたインタビュー記事などをチェックするのが仕事だったのですが、ご本人と直接お話をしたことはありません。ただ、春の「みる・とーぶ祭」の際には受付にすわって、来場者に元気にあいさつしていた姿を思い出します。
なお、今年2月5日から16日まで、札幌市東区の茶廊法邑で個展「生きる」が予定されています。
ご冥福をお祈りいたします。
自分に近い年齢の人が亡くなると、いささかショックです。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/hokkaido/region/hokkaido-1109857
Twitter(X) @MAYAMAXXLOVE
みる・とーぶ(岩見沢市栗沢町美流渡のプロジェクト) https://mirutobu.studio.site/
北海道新聞のロングインタビュー <聞く語る>MAYA MAXXさん アートで過疎地を再生する画家 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/694625/ (2022年6月) ※無料で会員登録できます
北海道新聞デジタルのロングインタビュー 岩見沢・美流渡から世界を見つめ描いた新作 MAYA MAXXさん4月29日から個展<デジタル発> https://www.hokkaido-np.co.jp/article/833746/
「コロカル」の來嶋路子さんのテキスト・写真 札幌でMAYA MAXXの個展。なぜ白い象が描かれたのか? https://colocal.jp/topics/lifestyle/ecovillage/20240214_162073.html (2024年2月14日)
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旧美流渡中・小校舎にMAYA MAYA (マヤマックス)さんの壁画~2022年7月30日は2カ所(2)
■みる・とーぶ展に行ってきた~2022年7月30日は2カ所(1)
■札幌ミュージアム・アート・フェア2020-21 (MAYA MAXX さん出品)
MAYA MAXX(マヤマックス) さんが岩見沢に移住していた (2020)