![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/d9/098ff95ee2275b82b4d7b0d894f3ea21.jpg)
正式名称は、「札幌作家グループ展」阿部典英+柿崎熙+下沢敏也 帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日。
帯広・真鍋庭園を舞台に週替わりの展覧会が繰り広げられてきたシリーズの最終週は、札幌の現代美術の一線で活動中の男性3人を招いての展覧会となった。
阿部さんは「北海道立体表現展」を組織するかたわら、海外や東京でも個展を開くなど、活発に活動している。ことし5月、北海道新聞夕刊に「私のなかの歴史」が連載されていたのも、記憶に新しい。この3人展と並行して、おなじ十勝の鹿追町にある神田日勝記念美術館でも作品を展示していた。
柿崎さんは現代アートの大規模かつ国際的グループ展「水脈の肖像」の開催に主導的な役割を果たす一方、何度も個展を開いている。
また下沢さんは陶芸家であるが、うつわもさることながら、道内の陶芸家では最も精力的にインスタレーションに取り組み、関西でも数多く発表を重ねている。現在も、札幌芸術の森美術館の前庭と中庭で大がかりな展示を行っている最中だ。
というわけで、札幌のアートの世界で最も忙しいんじゃないかと思われる3人が帯広で顔をそろえたというのは、なかなか壮観であった。
ただし、さすがに忙しい3人とあって、作品が「真正閣」という舞台に対して、完全にサイトスペシフィックなものになっていたかどうかという点になると、いささか疑問が残らないでもない。
とはいえ、ふだんは壁にかけるタイプの作品が中心である柿崎さんが、取り付けられるような壁がないため、床置きの新作を作ってくるなど、特異な会場への対応はそれなりにしていたと思う。
(池のある縁側から陽光が入ってくるため、カメラの露出がむちゃくちゃ難しい…)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/a2/0219d2f55085704f80a6e68b9bd5427f.jpg)
阿部典英さんの「ネエ、ダンナサン…」シリーズ。
宮の森美術館の「SCAN DO SCAN」展で初登場し、その後、北海道立体表現展、ギャラリー「アトリエムラ」での個展、パリや東京での個展などに出品されているシリーズである。
表面に黒鉛を塗りこんであるため非常に重厚に見える。
上部の赤い突起は「ペンは剣より強し」という願いがこめられているという。
世界各地でやまぬ戦火や争いに対する作者の危機感が現れた、それがゆえにこそ重々しく見える作品なのだと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/b0/80f155be9015714de689234dec7d5767.jpg)
柿崎さんの「林縁から」シリーズ。
先にも述べたが、今回はすべて床置きであり、この春の札幌での個展の後に、新たに制作された。
柿崎さんはバードウオッチングが趣味で、近くの防風林によく行くという。そこで見た植物の種子などが作品の着想のもとになっている。
種や果実をそのまま再現するのではなく、生命の核、本質のようなものが、ここには表現されている。
都市でも大自然でもない、そのエッジで繰り出されてきた表現であることが、「林縁から」というタイトルに現れている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/68/42c058a591b0f39045467fca3346e48a.jpg)
下沢さんは、奥にある茶室に2点を展示した。
1点は、最近のインスタレーションによく登場する、磔刑の人物を思わせる縦型の立体を壁に取り付けた。
もう1点が上の画像である。
茶室は日がささないために日中でも暗い。
カメラに露出を任せていると雰囲気を伝える写真がぜんぜん撮れない。上の画像は、目が暗闇にすこしなれてきたころをイメージして明るさを決めて撮影した。
なんだか、人間がうずくまっているようにも見えるし、胎児のようでもある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/c9/812ef0da764b82ed6b33d586d2bea8ee.jpg)
池ごしに真正閣を見たときの図。
阿部さん(左)と柿崎さんの作品が見える。
2011年8月29日(月)~9月4日(日)10~5時(入場~4時)
真鍋庭園(帯広市稲田町東2の6)
□帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日 http://tokachiart.jp/
【告知】阿部典英展 「ネエ、ダンナサン…」 (2011年8~9月)
【告知】第7回 2011新春特別企画展 阿部典英展 TEN-EI ABE EXHIBITION(2011年1~3月)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也(2009年)
■阿部典英 Ten-ei Abe Exhibition(2009年)
■さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年)
■SAPPORO ART PLANETS展 (2009年5月)
■見えるもの⇔見えないもの-イマジネーションのちから- (2009年1-3月)
■交差する視点とかたち vol.2 (2008年7月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■SCAN DO SCAN(07年10-12月)
■企画展「07→08」(画像なし)
■WAVE NOW 06(阿部さんが参加)
■北海道立体表現展(06年、画像なし)
■阿部典英個展(2002年)
■北方圏美術展(2002年、阿部さんが参加)
■SCAN DO SCAN(2007年)
■北海道立体表現展’06
■第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII(07年)
■北海道立体表現展’06
■水脈の肖像2002
=以上画像なし
□下沢さんの陶工房 http://zawa32.com/
■フォールディング・コスモス (2011年7月17、18日、札幌/September3 - 11,NYC)
【告知】フォールディング・コスモス
■中庭インスタレーション 下沢敏也 Re-birth 風化から森へII (2011年10月まで札幌芸術の森美術館で展示中)
■下沢敏也展[陶のオブジェと小品展](2011年6月)
■下沢敏也個展「Re-birth.2010」-起源-(2010年)
■下沢敏也さん 札幌文化奨励賞の受賞お祝いの会
■ARCHAIC FANTASY 土×炎=? つちとほのおで何だろな (2009年12月-2010年2月11日)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也 (2009年7月)
■奥村博美×下沢敏也 陶展 (2009年5月)
■下沢敏也陶展 -RE-BIRTH- (2009年4月)
■下沢敏也陶展-風化から森へ- (2008年8月)
■交差する視点とかたち vol.2(08年7月)
■「響韻と、在る。」石川亨信さんとの2人展(08年4月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■07年4月の個展
■田村陽子さんとの2人展(07年1-2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)
帯広・真鍋庭園を舞台に週替わりの展覧会が繰り広げられてきたシリーズの最終週は、札幌の現代美術の一線で活動中の男性3人を招いての展覧会となった。
阿部さんは「北海道立体表現展」を組織するかたわら、海外や東京でも個展を開くなど、活発に活動している。ことし5月、北海道新聞夕刊に「私のなかの歴史」が連載されていたのも、記憶に新しい。この3人展と並行して、おなじ十勝の鹿追町にある神田日勝記念美術館でも作品を展示していた。
柿崎さんは現代アートの大規模かつ国際的グループ展「水脈の肖像」の開催に主導的な役割を果たす一方、何度も個展を開いている。
また下沢さんは陶芸家であるが、うつわもさることながら、道内の陶芸家では最も精力的にインスタレーションに取り組み、関西でも数多く発表を重ねている。現在も、札幌芸術の森美術館の前庭と中庭で大がかりな展示を行っている最中だ。
というわけで、札幌のアートの世界で最も忙しいんじゃないかと思われる3人が帯広で顔をそろえたというのは、なかなか壮観であった。
ただし、さすがに忙しい3人とあって、作品が「真正閣」という舞台に対して、完全にサイトスペシフィックなものになっていたかどうかという点になると、いささか疑問が残らないでもない。
とはいえ、ふだんは壁にかけるタイプの作品が中心である柿崎さんが、取り付けられるような壁がないため、床置きの新作を作ってくるなど、特異な会場への対応はそれなりにしていたと思う。
(池のある縁側から陽光が入ってくるため、カメラの露出がむちゃくちゃ難しい…)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/a2/0219d2f55085704f80a6e68b9bd5427f.jpg)
阿部典英さんの「ネエ、ダンナサン…」シリーズ。
宮の森美術館の「SCAN DO SCAN」展で初登場し、その後、北海道立体表現展、ギャラリー「アトリエムラ」での個展、パリや東京での個展などに出品されているシリーズである。
表面に黒鉛を塗りこんであるため非常に重厚に見える。
上部の赤い突起は「ペンは剣より強し」という願いがこめられているという。
世界各地でやまぬ戦火や争いに対する作者の危機感が現れた、それがゆえにこそ重々しく見える作品なのだと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/b0/80f155be9015714de689234dec7d5767.jpg)
柿崎さんの「林縁から」シリーズ。
先にも述べたが、今回はすべて床置きであり、この春の札幌での個展の後に、新たに制作された。
柿崎さんはバードウオッチングが趣味で、近くの防風林によく行くという。そこで見た植物の種子などが作品の着想のもとになっている。
種や果実をそのまま再現するのではなく、生命の核、本質のようなものが、ここには表現されている。
都市でも大自然でもない、そのエッジで繰り出されてきた表現であることが、「林縁から」というタイトルに現れている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/68/42c058a591b0f39045467fca3346e48a.jpg)
下沢さんは、奥にある茶室に2点を展示した。
1点は、最近のインスタレーションによく登場する、磔刑の人物を思わせる縦型の立体を壁に取り付けた。
もう1点が上の画像である。
茶室は日がささないために日中でも暗い。
カメラに露出を任せていると雰囲気を伝える写真がぜんぜん撮れない。上の画像は、目が暗闇にすこしなれてきたころをイメージして明るさを決めて撮影した。
なんだか、人間がうずくまっているようにも見えるし、胎児のようでもある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/c9/812ef0da764b82ed6b33d586d2bea8ee.jpg)
池ごしに真正閣を見たときの図。
阿部さん(左)と柿崎さんの作品が見える。
2011年8月29日(月)~9月4日(日)10~5時(入場~4時)
真鍋庭園(帯広市稲田町東2の6)
□帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日 http://tokachiart.jp/
【告知】阿部典英展 「ネエ、ダンナサン…」 (2011年8~9月)
【告知】第7回 2011新春特別企画展 阿部典英展 TEN-EI ABE EXHIBITION(2011年1~3月)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也(2009年)
■阿部典英 Ten-ei Abe Exhibition(2009年)
■さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年)
■SAPPORO ART PLANETS展 (2009年5月)
■見えるもの⇔見えないもの-イマジネーションのちから- (2009年1-3月)
■交差する視点とかたち vol.2 (2008年7月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■SCAN DO SCAN(07年10-12月)
■企画展「07→08」(画像なし)
■WAVE NOW 06(阿部さんが参加)
■北海道立体表現展(06年、画像なし)
■阿部典英個展(2002年)
■北方圏美術展(2002年、阿部さんが参加)
■SCAN DO SCAN(2007年)
■北海道立体表現展’06
■第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII(07年)
■北海道立体表現展’06
■水脈の肖像2002
=以上画像なし
□下沢さんの陶工房 http://zawa32.com/
■フォールディング・コスモス (2011年7月17、18日、札幌/September3 - 11,NYC)
【告知】フォールディング・コスモス
■中庭インスタレーション 下沢敏也 Re-birth 風化から森へII (2011年10月まで札幌芸術の森美術館で展示中)
■下沢敏也展[陶のオブジェと小品展](2011年6月)
■下沢敏也個展「Re-birth.2010」-起源-(2010年)
■下沢敏也さん 札幌文化奨励賞の受賞お祝いの会
■ARCHAIC FANTASY 土×炎=? つちとほのおで何だろな (2009年12月-2010年2月11日)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也 (2009年7月)
■奥村博美×下沢敏也 陶展 (2009年5月)
■下沢敏也陶展 -RE-BIRTH- (2009年4月)
■下沢敏也陶展-風化から森へ- (2008年8月)
■交差する視点とかたち vol.2(08年7月)
■「響韻と、在る。」石川亨信さんとの2人展(08年4月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■07年4月の個展
■田村陽子さんとの2人展(07年1-2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)