(承前)
出品者のみなさんにも読者にも申し訳ないですが、筆者が「札幌ミュージアム・アートフェア」を見たのは正月休みの間でした。
このときに撮った写真をアップします。すべてのギャラリーをカバーしてはいませんのでご諒承ください。
まず、札幌芸術の森美術館。
冒頭画像は、CIA03 現代芸術研究所のブースにあった、上遠野敏さん(右)と岡部昌生さんの作品。
上遠野さんのはフェルトを用いた新機軸の作品。
エイのように見えるのは「Mother」。
これまでの、例えば昨年、紅桜公園で展開していたインスタレーションとはかなり違うのがおもしろい。
一方、フロッタージュで世界的に活躍する岡部さんの作品は、新聞の最終面(テレビ欄)を加工した1970年代初期の版画で、もはや北海道美術の古典ともいえるものです。
これと同一かどうかわかりませんが、札幌市西区の「ちえりあ」に「時の記憶-1971年8月12日朝刊16面」の常設展示があります。
こういうものが並んでいることが、今回のフェアのおもしろさだと思いました。
作家は他に、風間天心、伊藤隆介、鈴木涼子、端聡、笠見康大、斉藤幹男の各氏。
伊藤隆介さんの映像作品の設置位置が高すぎて、女性が中をのぞいて見られなかったのが残念。
次の画像は、CONTEXT-S(協力:エフロクブンノイチ展示室)。
出品者は齋藤周 / 滝花保和 / 原田楓居 / 北川陽稔 / 松原成樹 / 石神照美の各氏で、画像は石神さんが作り続けている陶の家「君のいた場所」など。
背後に松原さんの陶によるオブジェが見えています。
次は北川さんの写真冊子作品やアクリルで加工した作品。
次はギャラリー門馬。
札幌のアートファンにはなじみの深いギャラリーですが、今年は改築中です。
唯一、両会場にブースを構えており、札幌芸術の森美術館は川上りえ / 葛西由香 / クスミエリカ / 久野志乃 / 松浦進 / 山岸靖司の6氏。
次に挙げる2枚の画像のうち、1枚目(パソコンでは左)は川上さん。
ダイナミックな鉄の彫刻で知られますが、今回は透明な樹脂を用いた小品もあって、ぐっと作風の幅が広い感じでした。
2枚目(右)は山岸さん。
いつもながら、心が癒やされる抽象的な写真の世界です。
「kita:kara Gallery/kanata art shop」は、以前、札幌市中央区大通西5の大五ビル(ギャラリー大通美術館のあるビル)3階で、全国の工芸などを紹介してきました。
場所としては閉まっていますが、活動は続けています。
今回の紹介は、岩見沢市の美流渡地区に昨年転居してきたばかりの MAYA MAXX さんひとりだけ。
展示全体で「Blue Landscape」という題がついています。
マヤマックスさんの引っ越しについてはこちらに書いてあります( MAYA MAXX(マヤマックス) さんが岩見沢に移住していた )。
円山公園の近くで意欲的な展開を続け、国際交流にも力を入れている Gallery Retara(ギャラリーレタラ)。
参加作家は會田千夏 / 阿部典英 / 上嶋秀俊 / 柿﨑熙 / 小林麻美 / 白鳥洋一 / 髙橋靖子 / 吉田茂 の各氏。
画像で手前に見えるのは、ギャラリー主宰者でもある吉田さん。
絵の具のひび割れという「時間」の要素を取り入れた平面作品を作っています。
奥に見えるのは、會田さんと白鳥さん。
中央区南9西6で、建築を含む道内外作家の意欲的な企画展を組んでいるGALLERY創。
浅井憲一 / 大泉力也 / 岡本和行 / 前澤良彰 / 結城幸司 / 渡邊希 の6氏。
浅井さんは鉄の彫刻、渡邊さんは漆のオブジェ、岡本さんと前澤さんは写真、というように、ジャンルは多彩です。
左側の壁面に見えるモノトーンの平面は大泉さんと結城さんの版画。
北区の北24条界隈からちょっと離れたところにある salon cojica。
武田浩志 / 国松紗智子 / 風間雄飛 の3氏。
画像は武田さん。右側の平面も左側の立体も。
平面のおそろしいほどのレイヤーの重なりがすごいです。
しかし、こうしてみると、武田さんは学生の頃から或る意味で一貫しているような感じです。
札幌最古のギャラリーの大丸ギャラリーの系譜を継ぐ大丸藤井スカイホールからは、前期が、阿部典英 / 伏木田光夫 / 鉾井直作 / 渡会純价の4氏。
後期は小笠原み蔵 / 植田莫 / 清水宏晃の3氏です。
スカイホールは基本、貸しが多く、また、書道展もよく開かれています。
前期を見ましたが、全員80代というのが、なんかすごいな。重鎮感でぐいぐいきます。
右側の壁や台上にユーモラスな立体がいくつも並んでいますが、いずれも阿部典英さんです。
阿部典英さんが、ギャラリーレタラからも出品していることからも分かるとおり、道内では、首都圏ほど「ギャラリー専属」という意識が強くないようです。
このほか
釧路の「おたのしけギャラリー」から
千葉 健 / ふかだけんじ / コローン麻紀
旭川の「ギャラリーシーズ」から
荒井善則 / 板谷諭使 / 板津邦夫 / 椎名澄子 / 高橋三加子 / 百瀬寿 / 千葉美香 / 盛本学史 / 安田律子 / 版画集「北の調べ」(1996年刊行)※難波田龍起、一原有徳、遠藤享、百瀬寿、小林敬生
札幌の「ギャラリー閑」から
金渕浩之 / 増田寿志 / 三谷佳典(前期)
小川豊 / 紅露はるか / 山田恭代美(後期)
札幌の「GALLERY円山」から
下沢敏也 / 大石俊久 / 井川ゆきな
の各氏が出品しています。
ギャラリーシーズは旭川に根を下ろした老舗で、幅広く活動しています。
GALLERY円山は、下沢さんらの陶芸活動の拠点になっています。
あとの二つは今回初めて知りました。
出品者のみなさんにも読者にも申し訳ないですが、筆者が「札幌ミュージアム・アートフェア」を見たのは正月休みの間でした。
このときに撮った写真をアップします。すべてのギャラリーをカバーしてはいませんのでご諒承ください。
まず、札幌芸術の森美術館。
冒頭画像は、CIA03 現代芸術研究所のブースにあった、上遠野敏さん(右)と岡部昌生さんの作品。
上遠野さんのはフェルトを用いた新機軸の作品。
エイのように見えるのは「Mother」。
これまでの、例えば昨年、紅桜公園で展開していたインスタレーションとはかなり違うのがおもしろい。
一方、フロッタージュで世界的に活躍する岡部さんの作品は、新聞の最終面(テレビ欄)を加工した1970年代初期の版画で、もはや北海道美術の古典ともいえるものです。
これと同一かどうかわかりませんが、札幌市西区の「ちえりあ」に「時の記憶-1971年8月12日朝刊16面」の常設展示があります。
こういうものが並んでいることが、今回のフェアのおもしろさだと思いました。
作家は他に、風間天心、伊藤隆介、鈴木涼子、端聡、笠見康大、斉藤幹男の各氏。
伊藤隆介さんの映像作品の設置位置が高すぎて、女性が中をのぞいて見られなかったのが残念。
次の画像は、CONTEXT-S(協力:エフロクブンノイチ展示室)。
出品者は齋藤周 / 滝花保和 / 原田楓居 / 北川陽稔 / 松原成樹 / 石神照美の各氏で、画像は石神さんが作り続けている陶の家「君のいた場所」など。
背後に松原さんの陶によるオブジェが見えています。
次は北川さんの写真冊子作品やアクリルで加工した作品。
次はギャラリー門馬。
札幌のアートファンにはなじみの深いギャラリーですが、今年は改築中です。
唯一、両会場にブースを構えており、札幌芸術の森美術館は川上りえ / 葛西由香 / クスミエリカ / 久野志乃 / 松浦進 / 山岸靖司の6氏。
次に挙げる2枚の画像のうち、1枚目(パソコンでは左)は川上さん。
ダイナミックな鉄の彫刻で知られますが、今回は透明な樹脂を用いた小品もあって、ぐっと作風の幅が広い感じでした。
2枚目(右)は山岸さん。
いつもながら、心が癒やされる抽象的な写真の世界です。
「kita:kara Gallery/kanata art shop」は、以前、札幌市中央区大通西5の大五ビル(ギャラリー大通美術館のあるビル)3階で、全国の工芸などを紹介してきました。
場所としては閉まっていますが、活動は続けています。
今回の紹介は、岩見沢市の美流渡地区に昨年転居してきたばかりの MAYA MAXX さんひとりだけ。
展示全体で「Blue Landscape」という題がついています。
マヤマックスさんの引っ越しについてはこちらに書いてあります( MAYA MAXX(マヤマックス) さんが岩見沢に移住していた )。
円山公園の近くで意欲的な展開を続け、国際交流にも力を入れている Gallery Retara(ギャラリーレタラ)。
参加作家は會田千夏 / 阿部典英 / 上嶋秀俊 / 柿﨑熙 / 小林麻美 / 白鳥洋一 / 髙橋靖子 / 吉田茂 の各氏。
画像で手前に見えるのは、ギャラリー主宰者でもある吉田さん。
絵の具のひび割れという「時間」の要素を取り入れた平面作品を作っています。
奥に見えるのは、會田さんと白鳥さん。
中央区南9西6で、建築を含む道内外作家の意欲的な企画展を組んでいるGALLERY創。
浅井憲一 / 大泉力也 / 岡本和行 / 前澤良彰 / 結城幸司 / 渡邊希 の6氏。
浅井さんは鉄の彫刻、渡邊さんは漆のオブジェ、岡本さんと前澤さんは写真、というように、ジャンルは多彩です。
左側の壁面に見えるモノトーンの平面は大泉さんと結城さんの版画。
北区の北24条界隈からちょっと離れたところにある salon cojica。
武田浩志 / 国松紗智子 / 風間雄飛 の3氏。
画像は武田さん。右側の平面も左側の立体も。
平面のおそろしいほどのレイヤーの重なりがすごいです。
しかし、こうしてみると、武田さんは学生の頃から或る意味で一貫しているような感じです。
札幌最古のギャラリーの大丸ギャラリーの系譜を継ぐ大丸藤井スカイホールからは、前期が、阿部典英 / 伏木田光夫 / 鉾井直作 / 渡会純价の4氏。
後期は小笠原み蔵 / 植田莫 / 清水宏晃の3氏です。
スカイホールは基本、貸しが多く、また、書道展もよく開かれています。
前期を見ましたが、全員80代というのが、なんかすごいな。重鎮感でぐいぐいきます。
右側の壁や台上にユーモラスな立体がいくつも並んでいますが、いずれも阿部典英さんです。
阿部典英さんが、ギャラリーレタラからも出品していることからも分かるとおり、道内では、首都圏ほど「ギャラリー専属」という意識が強くないようです。
このほか
釧路の「おたのしけギャラリー」から
千葉 健 / ふかだけんじ / コローン麻紀
旭川の「ギャラリーシーズ」から
荒井善則 / 板谷諭使 / 板津邦夫 / 椎名澄子 / 高橋三加子 / 百瀬寿 / 千葉美香 / 盛本学史 / 安田律子 / 版画集「北の調べ」(1996年刊行)※難波田龍起、一原有徳、遠藤享、百瀬寿、小林敬生
札幌の「ギャラリー閑」から
金渕浩之 / 増田寿志 / 三谷佳典(前期)
小川豊 / 紅露はるか / 山田恭代美(後期)
札幌の「GALLERY円山」から
下沢敏也 / 大石俊久 / 井川ゆきな
の各氏が出品しています。
ギャラリーシーズは旭川に根を下ろした老舗で、幅広く活動しています。
GALLERY円山は、下沢さんらの陶芸活動の拠点になっています。
あとの二つは今回初めて知りました。
(この項続く)