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■島の結晶学 Shino Hisano × Ai Komori (2017年10月21~29日、札幌)ー10月26日(4)

2017年10月30日 12時00分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 西5丁目通に面したSYMBIOSIS(シンビオーシス)の上のフロアに工房を構える若手ジュエリー作家、小森愛さんと、札幌を拠点に道内外で発表を続けている画家の久野志乃さんの2人展。

 架空の島にたどりついた結晶学者の物語―という設定でつくられた作品世界です。

 個人的には、英国発祥のロックバンド、イエスのアルバム「海洋地形学の物語」とか、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」などを連想させて、なんだか好きな世界観です。

 ステイトメントには、次のようにあります。

日々の発見と研究。
わたしたちの記憶のひとつひとつは、
もしかすると自然と共存する小さな発見から
できているのかも知れない。


はじめて足を踏み入れる島。
見たことのない植生や美しい石…。
symbiosisの空間で”記憶の断片”を表現できたらと思います。


 冒頭画像は、手前が小森さんのジュエリー。ピアスとしても使えます。
 ちょっと見ると、菌類か植物のような有機的な生命の感覚をたたえています。

 奥の壁は久野さんの絵が2点。
 左側は「夜を照らす会話」。
 流氷が残る海岸にたたずむ後ろ姿の女性、空には極光―。というのは、筆者がかってに抱いたイメージに過ぎませんし、女性は半袖姿で、冬の格好ではないのですが、どこか「北方的」なものを感じさせます。

 右側の楕円形の作品は「双子の水平線」。

 反対側の壁には、久野さんが野の草花を楕円形のカンバスに描いた絵と、小森さんのオブジェがセットになって、6組ならんでいます。
 「森の結晶学」no.1~4、「深海の結晶学」「海辺の結晶学」と題されています。
 こちらのオブジェは、まさに結晶のように直線を組み立てたシャープな作風です。

 今夏にギャラリー門馬で開かれた3人展、春に東京・銀座のカメリアギャラリーでの個展など、筆者は近年も何度か作品を見ていますが、久野さんご本人にお会いしたのは久しぶりです。
(2015年にやはりギャラリー門馬で開いた個展「発光する島」以来だと思いますが、このときは、個展の発想の源になった『シベリアに憑かれた人々』=岩波新書=を読んでからブログを書こうと思い、けっきょくそのままになってしまいました。すみません)

 久野さんは11月末に行われる札幌アートフェアに出品する予定です。


2017年10月21日(土)~29日(日)正午~午後7時30分(最終日~午後5時)
space SYMBIOSIS(札幌市中央区南2西4)

http://shinohisano.com
http://dn-o.jp/




第8回札幌国際短編映画祭のポスターを入手! (2013)
【告知】久野志乃展 第22回道銀芸術文化奨励賞受賞記念 (2013)

久野志乃さんに道銀芸術文化奨励賞
久野志乃個展 飛ぶ島のはなし
【告知】久野志乃個展 飛ぶ島のはなし(2012年)

久野志乃と齋藤周展 かるいからだ (2008年)
久野志乃個展「物語の終わりに、」(2008年)
久野志乃個展(2005年)

=以下、画像なし
民宿芸術(2003年)
北海道教育大学大学院美術教育専修修了制作展(2003年)=20日の項
第2回 具象の新世紀展(2002年)=12日の項
ロッパコ報告会(2002年)

久野志乃・遠藤香織展 あいまいなあいま(2001年)
全道展(2001年)
北海道教育大学札幌校美術科卒業生制作展(2001年)

おなか(2001年)=画像あり




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