(承前)
お待たせしました。
8本目でようやっと「越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭2024」の紹介に移れます。
最初は、越後湯沢でレンタカーを借りて、山を越えて津南町方面に向かう途中にあるこの作品。
土・日・祝日は予約制でなければ入れません。
筆者が越後妻有を回り始めた9月13日は金曜で、しかも朝8時半から開いているので、きょう行っておくのが得策です。
作戦は成功し、第1駐車場に車を止めることができました。
週末に混雑するのも無理はありません。
多くのフライヤーやポスターに、このトンネルの目的地で見ることのできる“絶景”が採用されているのですから。
冒頭画像は、だれもいない時間帯を見計らって撮ったものです。
まだ9時台だったせいか、そういう時間帯がありました(なので、このときほどの「奇跡」ではありません。リンク先は、東京・森美術館の塩田千春展)
入り口です。
中に入ると片道数百メートル歩きます。
筆者は歩きなれているのでなんともありませんが、いずれにしても、芸術祭には履きなれたスニーカーなどで行ったほうが良いです。
すこし行くと、券売機と、受付があります。
この作品(トンネル)に限っては、パスポート持参でも500円かかります。
坑内は、順番に五つの色で照明されています。
特に色自体には意味はなく、気分を高めるための演出のようです。
途中3カ所ほど、左側に、大きな横道があって、端まで行くと、渓流のある景色を望むことができます。
よくこんな険しいところに、トンネルを通したものだと感じます。
地層の模様も目を引きます。
なお、縞模様のスペースは内部がお手洗いになっています。
この横道を過ぎると、ゴールは間近です。
一般のトンネルの待避所にあたるような、幅の広いところが何カ所かあり、清津峡やトンネルの説明が詳しくなされています。
それによると、ここはフォッサマグナにあたり、大昔は海の底だったそうです。
天井に細かい突起がついているところがありましたが、これがアーティストの手になるものか、あるいは自然現象なのか、もとのトンネル工事のころからあったのかは、わかりません。
壁に文字や模様が、角度を変えると浮かび上がって見えることもありました。これも、アーティストの作品というよりも、昔の観光客のいたずら書きを消したあとのように思えます。
この手前はちょっとしたスペースがあります。
トンネルの端までは水のプールです。靴を脱いでも、履いたままでも行くことができます。
筆者は、夕べセブンイレブンで買ったタオルを持っていたので、靴を脱いでいきました。水はとても冷たいです。
記念撮影をするなら、相棒がいたほうが良いですね。
ただし、筆者はこの「作品」には批判的です。
実はこの記事の最初のほうで、塩田千春展の記事へのリンクを貼ったのは意味がありました。美術評論家の椹木野衣氏がこの個展について、アートの展覧会というより訪れた人がインスタ映えを狙って写真を撮るところだ、というような意味のこと(原典が確認できずすみません)を言っていたのです。
この作品もそれと同じか、あるいはそれ以上に、単なる「インスタ映えスポット」になってしまっているような気がしてならないのです。
そもそも逆光なので、他人の顔などはうつらないことも、インスタ映えを計算しているかのようです。
(フィルム時代にくらべ、知らない人を無断で写すことに対する世間の風当たりは、きびしくなっています)
観光地のポスターなどの景色と同じ写真を撮って満足する。
これは昔からありがちな行動様式ですが、このトンネルほどそれがあからさまになるところは少ないのではないでしょうか。
観光地のテコ入れのために、アートっぽい味付けをしてみました~、というのも、アートが世の中に役立つ方法としては「あり」なのかもしれないと思います。
そして、どこもかしこも同じようなデザインで施設などをリニューアルするのにくらべたら、いくらかマシなのかもしれません。
ただ、筆者としては、なんらかの新しい知見なり感覚なりをもたらしてくれる作品のほうが好きです。
お待たせしました。
8本目でようやっと「越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭2024」の紹介に移れます。
最初は、越後湯沢でレンタカーを借りて、山を越えて津南町方面に向かう途中にあるこの作品。
土・日・祝日は予約制でなければ入れません。
筆者が越後妻有を回り始めた9月13日は金曜で、しかも朝8時半から開いているので、きょう行っておくのが得策です。
作戦は成功し、第1駐車場に車を止めることができました。
週末に混雑するのも無理はありません。
多くのフライヤーやポスターに、このトンネルの目的地で見ることのできる“絶景”が採用されているのですから。
冒頭画像は、だれもいない時間帯を見計らって撮ったものです。
まだ9時台だったせいか、そういう時間帯がありました(なので、このときほどの「奇跡」ではありません。リンク先は、東京・森美術館の塩田千春展)
入り口です。
中に入ると片道数百メートル歩きます。
筆者は歩きなれているのでなんともありませんが、いずれにしても、芸術祭には履きなれたスニーカーなどで行ったほうが良いです。
すこし行くと、券売機と、受付があります。
この作品(トンネル)に限っては、パスポート持参でも500円かかります。
坑内は、順番に五つの色で照明されています。
特に色自体には意味はなく、気分を高めるための演出のようです。
途中3カ所ほど、左側に、大きな横道があって、端まで行くと、渓流のある景色を望むことができます。
よくこんな険しいところに、トンネルを通したものだと感じます。
地層の模様も目を引きます。
なお、縞模様のスペースは内部がお手洗いになっています。
この横道を過ぎると、ゴールは間近です。
一般のトンネルの待避所にあたるような、幅の広いところが何カ所かあり、清津峡やトンネルの説明が詳しくなされています。
それによると、ここはフォッサマグナにあたり、大昔は海の底だったそうです。
天井に細かい突起がついているところがありましたが、これがアーティストの手になるものか、あるいは自然現象なのか、もとのトンネル工事のころからあったのかは、わかりません。
壁に文字や模様が、角度を変えると浮かび上がって見えることもありました。これも、アーティストの作品というよりも、昔の観光客のいたずら書きを消したあとのように思えます。
この手前はちょっとしたスペースがあります。
トンネルの端までは水のプールです。靴を脱いでも、履いたままでも行くことができます。
筆者は、夕べセブンイレブンで買ったタオルを持っていたので、靴を脱いでいきました。水はとても冷たいです。
記念撮影をするなら、相棒がいたほうが良いですね。
ただし、筆者はこの「作品」には批判的です。
実はこの記事の最初のほうで、塩田千春展の記事へのリンクを貼ったのは意味がありました。美術評論家の椹木野衣氏がこの個展について、アートの展覧会というより訪れた人がインスタ映えを狙って写真を撮るところだ、というような意味のこと(原典が確認できずすみません)を言っていたのです。
この作品もそれと同じか、あるいはそれ以上に、単なる「インスタ映えスポット」になってしまっているような気がしてならないのです。
そもそも逆光なので、他人の顔などはうつらないことも、インスタ映えを計算しているかのようです。
(フィルム時代にくらべ、知らない人を無断で写すことに対する世間の風当たりは、きびしくなっています)
観光地のポスターなどの景色と同じ写真を撮って満足する。
これは昔からありがちな行動様式ですが、このトンネルほどそれがあからさまになるところは少ないのではないでしょうか。
観光地のテコ入れのために、アートっぽい味付けをしてみました~、というのも、アートが世の中に役立つ方法としては「あり」なのかもしれないと思います。
そして、どこもかしこも同じようなデザインで施設などをリニューアルするのにくらべたら、いくらかマシなのかもしれません。
ただ、筆者としては、なんらかの新しい知見なり感覚なりをもたらしてくれる作品のほうが好きです。
(この項続く)