「キーボー」こと高橋喜代史さん。きのうまで、札幌のCAI02で個展を開いていた。
個展を終わるにあたって彼が書いたブログ「ハイブリッドアート」
http://ameblo.jp/hybridart2/
を読んだ。
最新エントリはこちら。
http://ameblo.jp/hybridart2/entry-10637771320.html
くわしくは、ブログを直接読んでほしいのだが、彼はつぎのように書いている。
(以下引用)
(引用終わり)
これを読んで、正直なところ、すごいと思った。
似たようなことを考えてる人は大勢いるだろう。
自分も含めて。
でも、ここまできっちり箇条書きにするまで、思考を練り上げている人って、そんなにはいないんじゃないだろうか。
彼に「自分で考えたの?」と、ツイッターで聞いたら、そうだとのこと。
もしかりに、だれそれの本にあった-という答えでも、彼を軽蔑する気持ちはまったくなかった。
なぜなら、それはそれで、いろいろ読んで勉強しているという証左だから。
自力で考えたのだとしたら、それはほんとにすごいと思う。
彼の作品のおもしろさは、むしろウォーホルのブリロ・ボックス的なところにあるんじゃないかと、最近考えている。
ただ
「わー、擬音だ、おもしろいねー、すごい迫力だよねー」
でも、まあ、いいんだけどさ。
なんで、
「ギューン」
が、アートになるのか?
自分は、そこを、最近いろいろ考えているのだ。
社会学的にアプローチするのが、いちばんとっつきやすいかな。
つまり、「ギューン」が、現代アートのギャラリーにあるから、現代アートなのだ、と。
どこに展示・設置されているかというのも、りっぱにコンテクスト(文脈)だ。
もし、おなじような表現がスーパーマーケットのチラシにあったら、それは「広告」だし、もちろん「少年ジャンプ」の連載の中にあったら、文字通り「擬音」だ。
JRタワー内での擬音が、おなじ作品にもかかわらず、いまひとつ精彩を欠いて見えたのは、あの場所が「アートを展示するところ」というコンテクストになじんでいなかったからではないかと思う。つまり、他の広告看板と同列の勝負を強いられてしまうのだ(そこで「近隣の広告に勝つ迫力が必要だ」という議論には、筆者はくみしない。だって、もともと、勝負の土俵がちがうんだから)。
カントの3批判書の中で、美について考察した「判断力批判」が、一番脱線が多くて、一番キレがない。
すくなくても「純粋理性批判」でカテゴリーを提示したときの厳密さと自信は感じられない。
それは、そもそも「美とは何か」という問いが、単なるアポリアではなくて、そもそも哲学の問いなのか-という気持ちが、大哲学者の中にあったからじゃないのか。
などと、くだらないことを考えている。
カントの時代には「美」と「崇高」あたりを考えておればよかったが、現代アートはそうではない。
むしろ「美」や「崇高」が作品の妨げになることすらある。
現代アートが目指すものは、上に5項目が挙げられているとおりである。
もしかしたら、ほかにもあるかもしれないし、人によって多少異なるかもしれないが、自分はこの五つの観点には、大賛成だ。
ただ、だからといって現代アートが「美」を有していたらダメ、ということにもならないだろう。
キーボーのブログで見た「ドドドドド」の連作は、「あはは、擬音だ、すごい迫力だよねー」という単純な思いが、ストレートに、抽象画の美につながっている。
これもすごいと思う。
文字でありながら、書でもなく、カリグラフィでもないところで、絵画作品が成立している。
そして、レタリングでもないんだよな、これ。
最近よく耳にする「活版の美」みたいのとは、まったく異なる文脈で「絵画の美」になっている。
というわけで、ぜんぜんまとまらない文章になってしまった。
なんだか、自分のバカさかげんをさらしてしまったみたいだ。
ほんとに言いたかったことは
「五つのルールを読め!」
ということだけだ。
■Sapporo II Project(2009年)
■500m美術館(2008年)
■高橋喜代史個展-現代アートと書道のハイブリッドアーティスト(2007年)
個展を終わるにあたって彼が書いたブログ「ハイブリッドアート」
http://ameblo.jp/hybridart2/
を読んだ。
最新エントリはこちら。
http://ameblo.jp/hybridart2/entry-10637771320.html
くわしくは、ブログを直接読んでほしいのだが、彼はつぎのように書いている。
(以下引用)
でもまぁ僕自身が個展で作品を発表する際、5つのルールを自分に課しているのだが、
今展では、それら5つのルールに関してはクリアできたので良かったと思っている。
その5つのルールとは、、、
・オリジナリティ(独自性、独創性、作品からその人らしさ、その人自身が見えるか)
・チャレンジング(新展開、新機軸へ挑戦しているか、新たなスタイルをうちだせているか)
・コンセプト(背景、必然性、構造がしっかりしているか、作品の思想に現代性、普遍性はあるか)
・コンテクスト(文脈、美術史をふまえ、奥行きや深み参照を感じれるか、議論は可能か)
・レゾンデートル(美術にしかできない表現、体感や体験があるか、美術の存在意義はあるか)
(引用終わり)
これを読んで、正直なところ、すごいと思った。
似たようなことを考えてる人は大勢いるだろう。
自分も含めて。
でも、ここまできっちり箇条書きにするまで、思考を練り上げている人って、そんなにはいないんじゃないだろうか。
彼に「自分で考えたの?」と、ツイッターで聞いたら、そうだとのこと。
もしかりに、だれそれの本にあった-という答えでも、彼を軽蔑する気持ちはまったくなかった。
なぜなら、それはそれで、いろいろ読んで勉強しているという証左だから。
自力で考えたのだとしたら、それはほんとにすごいと思う。
彼の作品のおもしろさは、むしろウォーホルのブリロ・ボックス的なところにあるんじゃないかと、最近考えている。
ただ
「わー、擬音だ、おもしろいねー、すごい迫力だよねー」
でも、まあ、いいんだけどさ。
なんで、
「ギューン」
が、アートになるのか?
自分は、そこを、最近いろいろ考えているのだ。
社会学的にアプローチするのが、いちばんとっつきやすいかな。
つまり、「ギューン」が、現代アートのギャラリーにあるから、現代アートなのだ、と。
どこに展示・設置されているかというのも、りっぱにコンテクスト(文脈)だ。
もし、おなじような表現がスーパーマーケットのチラシにあったら、それは「広告」だし、もちろん「少年ジャンプ」の連載の中にあったら、文字通り「擬音」だ。
JRタワー内での擬音が、おなじ作品にもかかわらず、いまひとつ精彩を欠いて見えたのは、あの場所が「アートを展示するところ」というコンテクストになじんでいなかったからではないかと思う。つまり、他の広告看板と同列の勝負を強いられてしまうのだ(そこで「近隣の広告に勝つ迫力が必要だ」という議論には、筆者はくみしない。だって、もともと、勝負の土俵がちがうんだから)。
カントの3批判書の中で、美について考察した「判断力批判」が、一番脱線が多くて、一番キレがない。
すくなくても「純粋理性批判」でカテゴリーを提示したときの厳密さと自信は感じられない。
それは、そもそも「美とは何か」という問いが、単なるアポリアではなくて、そもそも哲学の問いなのか-という気持ちが、大哲学者の中にあったからじゃないのか。
などと、くだらないことを考えている。
カントの時代には「美」と「崇高」あたりを考えておればよかったが、現代アートはそうではない。
むしろ「美」や「崇高」が作品の妨げになることすらある。
現代アートが目指すものは、上に5項目が挙げられているとおりである。
もしかしたら、ほかにもあるかもしれないし、人によって多少異なるかもしれないが、自分はこの五つの観点には、大賛成だ。
ただ、だからといって現代アートが「美」を有していたらダメ、ということにもならないだろう。
キーボーのブログで見た「ドドドドド」の連作は、「あはは、擬音だ、すごい迫力だよねー」という単純な思いが、ストレートに、抽象画の美につながっている。
これもすごいと思う。
文字でありながら、書でもなく、カリグラフィでもないところで、絵画作品が成立している。
そして、レタリングでもないんだよな、これ。
最近よく耳にする「活版の美」みたいのとは、まったく異なる文脈で「絵画の美」になっている。
というわけで、ぜんぜんまとまらない文章になってしまった。
なんだか、自分のバカさかげんをさらしてしまったみたいだ。
ほんとに言いたかったことは
「五つのルールを読め!」
ということだけだ。
■Sapporo II Project(2009年)
■500m美術館(2008年)
■高橋喜代史個展-現代アートと書道のハイブリッドアーティスト(2007年)
なるほどねー、クオリティね。
でも、それはなんにでも使える言葉で、ほかの概念(というかものさし)と一緒に使うには無理があるかもね。
あと、まあ自分の作品に点数をつけるのはいいけど。
オレは点数、大嫌いです。
学校のテストみたいじゃん。
アートくらい、点数で割り切れないものはないと思う。
みんなテスト嫌いなんじゃないかと思っていたら、RPGってテストみたいだよなあ。
ナントカの力●点、かんとか力▲点とかさ。冗談じゃないよって思います。
もう、なんか、数字とか言葉とかで割り切れない
「なんじゃこりゃ!」
っていうのがイチバンじゃね? って思うのです。
きっと自分は驚きたくてギャラリーや美術館に行くんだと思う。もちろん、それだけじゃないけど。
嬉しさと恥ずかしさが同居していますが、
やはり、単純にとても嬉しいです。
自分で改めて見直してみて、ひとつ足りないなと思ったのは「クオリティ」ですね。
もしかすると何年か後に「クオリティ」と何かを足して7つのルールになっているかもしれません。。。
ちなみに3年前から、一項目ごとに10点満点で
自己採点していって5項目合計して40点以上あれば自己評価で合格にしています。
なんか40点だと低い感じがするんで、合計点を
2倍して100点満点形式をとっていますが(笑
今回の「ギューン」を現時点で自己採点すると
オリジナリティ9点
チャレンジング10点
コンセプト8点
コンテクスト7点
レゾンデートル8点
計42点×2=84点の作品でした。
長文、失礼しました。
今後とも叱咤激励、宜しくお願いします。
ありがとうございました!!