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■真田由美子展 内+外 (6月2日まで)

2009年06月01日 23時42分05秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 真田由美子さんは、札幌の全道展画家水野スミ子さんの教室にいた人です。
 水野教室は、ギャラリー大通美術館で毎年ひらいている「千展」や「そらいろ展」で、型破りのパワフルな絵画大作をどしどし展示しています。

 今回のは、およそ25年前に、アートギャラリーさいとう(現さいとうギャラリー)の隣室どうしで個展をひらいた吉井光子さんと、ふたたびとなりで開くことになった展覧会。
 「千展」のときとはちょっと異なり、人間のこころというか精神というか、そういうものにねざした絵だという印象を持ちました。

 会場の入り口に、こんなふうに記された紙が貼ってありました(「つつく」は原文は「突付く」)。
 ここに真田さんの思いは凝縮されているように思えます。

 
いつか見たシーンです
母鳥は、生んだ卵がやっと孵化する時に
なぜか時期を悟り、懸命に殻をつつきはじめる
すると中の親鳥もそれを便りに内から衝き
やっと誕生となった   その場面が
この作品たちの出発点なのです

制作は、私の中にいる私をつつくこと
私の属す家族、社会を思う
私の属す地球、宇宙を感じる
どれもが内と外を持つ
内+外=ひとつ そのひとつを守っていきたい
そんな事を考えながら描いていると
こんな弧や円が生まれました




 「心音1」=左=と「心音2」。
 シンプルなカーブです。
 近づいてみると、意外に表面がでこぼこしています。
 こうして見ると、造形性よりも、作者の思いが全面に感じられます。

 また「線に思いを込める」というのは、書のあり方と共通するものがありますね。

 「無限大の記号(∞)が好きなんです」
と真田さん。
 そこになにかを感じるのでしょうか。


           

 手前の作品の支持体は段ボールです。その上にカーテン地の布をのせた作品もあります。
 ここらへんは「千展」っぽい。
 

                

 「波動」。古いキャンバスの絵をアクリル絵の具でつぶし、木のへらのようなものでこすりとって線描をほどこしたユニークな作品。
 線に迷いがないので、見ていて楽しいです。


 出品作は次の通り。
波動
外からノックが聞こえ
地を見ると 2
内+外 在る
地を見ると 1
心音1
心音2
包(ほう)
微音(かすかなおと)
呼気1
呼気2
深く、浅く
内↔外 認める合図
孵化
内+外


2009年5月28日(木)-6月2日(火)10:00-19:00(最終日-17:00)
道新ぎゃらりー(中央区大通西3 北海道新聞社北一条館 道新プラザ内 地図A)


第8回千展 流動…… (2008年3月)
第19回そらいろ展(2007年)
第7回 千展(2007年)
第6回 千展(2006年)


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