![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/76/6eac873837aa684a62cc5820a928a347.jpg)
(承前)
福住から地下鉄東豊線に乗り、さっぽろで降車。まず、「ギャラリーたぴお」の林教司展に寄る。
林教司さんは、岩見沢市栗沢町美流渡にアトリエを持つ作家で、ギャラリーたぴおの主宰者でもある。
作家としては、北海道抽象派作家協会に籍を置き、抽象のインスタレーションや平面作品を手がけているが、90年代半ば以前には具象画を描いて全道展に出品していた時期もあった(会友で退会)。
今回は、1973年の「月と羅漢」から、近作「種子」までの絵画およそ20点を展示している。
冒頭の画像は、「陀羅尼 DARANI」。96年の作。
ご本人によると、未発表らしい。
1.5メートル四方はありそうな大作だ。
中央の円形は、赤い絵の具の上に、ボンドをぶちまけた。その部分を含め、全画面を、鉛筆の黒鉛で塗りつぶしている。黒鉛の光沢が重厚だ。中心には金物店で買ったちょうつがいが取り付けられている。
古い金庫の扉のようにちょうつがいをひねれば、大きな丸いふたがギギギと開いて、異次元への扉が開かれそうな錯覚を抱く。
題の下に次のような説明があった。
「法華経、陀羅尼:第二十六 教えの精髄を凝縮させて含んでいるとされる言葉。仏教において用いられる呪文の一種」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/52/1a4cd4ceade004523164e88368e7c945.jpg)
「異郷にて」。86年の作。
以前にも拝見したのだが、長年住み慣れた室蘭から空知に移ったさいの作で、室蘭の地球岬を思いながら描いたという。
フォークがいつのまにかガラスを貫通しているのがふしぎ。押さえつけられているアゲハは、三岸好太郎の絵を想起させるが、林さん本人はまったく意識していないという。チョウの羽根もふくめて、いろいろガラクタを所持していたというのだ。
いずれにしても、すがすがしく広がった青い空と海と、自由を抑圧する透明なものとの対比が鮮やかで、林さんの代表作といってもいいのではないかと思う。
90年代以降の、モノトーンの平面やインスタレーションも良いのだけれど。
2013年11月25日(月)~30日(土)午前11時~午後7時
ギャラリーたぴお(札幌市中央区北2西2 道特ビル)
なお、ひきつづき12月3日(火)~15日(月)には、第2弾として、桑園駅近くのダイニングバー「インソムニア」(中央区北10西16)でも開かれる。
午前11時半から午後11時半まで、月曜休み。
関連記事へのリンク
■北海道抽象派作家協会、秋季展(2013年9月)
■summer wave 18th (2013年8月)
■置戸コンテンポラリーアート (2012年8月)
■第37回 北海道抽象派作家協会展
(2010年)
■林教司展(2009年)
■立体四人面白半分展(2009年)
■立体四人面白半分展(2009年4-5月)
■第36回北海道抽象派作家協会展(2009年4月)
■対磁 TAIJI-平面と立体による二人展-鈴木悠高 林教司(2009年2月)
■異形小空間14th(2008年12月-09年1月)
■第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年10月)
■TEN展 II (2008年9月)
■BOOK'S ART展5(2008年8月)
■SUMMER WAVE展 13(2008年8月)
■林教司展(2008年6-8月)
■Film work EXHIBITION 写羅(08年5月)
■第三十五回北海道抽象派作家協会展 (2008年4月)
■BOX ART展(08年3月)
■寒桜忌展「歌人・今井和義 没後4年」 (08年2月)
■KYOCHO展(08年2月)
■たぴお記念25th + 13th 異形小空間 (07年12月-08年1月)
■林教司展(07年)
■自我の形象展 6(07年)
■Octob 1(07年10月)
■LEBENS(人生・生命)展 2 (07年6月)
■非・連結展 vol.8(07年5月)
■第三十四回北海道抽象派作家協会展 (2007年)
■多面的空間展 vol.9(07年4月)
■林教司作品展(07年3月、画像なし)
■寒桜忌展 うただより・今井和義へ<没後3年>(07年2月、画像なし)
■BOX ART展4 閉塞形状展(07年2月)
■林教司展(06年12月)
■2006年6月の「LEBENS展」(画像なし)
■第33回北海道抽象派作家協会展(2006年)
■第三十二回北海道抽象派作家協会展(2005年)
■第31回北海道抽象派作家協会(2004年)
■04年の「多面的空間展」(29日の項。画像なし)
■04年の「今井和義追悼展」(7・8日の項。画像なし)
■第二十七回北海道抽象派作家協会秋季展(2003年、画像なし)
■北海道立体表現展'03(画像なし)
■03年の「SUMMER WAVE」展(7日の項。画像なし)
■03年の「新・素材の対話展」 (22日の項。画像なし)
■北海道抽象派作家協会30周年記念展(2003年、画像なし)
■03年の回顧展(画像なし)
■02年の「閉塞形状展」 (18日の項。画像なし)
■くりさわ現代アート展(2002年、画像なし)
■02年の新道展(画像なし)
■02年の回顧展
■北海道抽象派作家協会第弐拾九回展
■01年の個展
■第二十五回北海道抽象派作家協会秋季展
■01年の「キャバレーたぴお」 (3日の項。画像なし)
■北海道抽象派作家協会第弐拾八回展
福住から地下鉄東豊線に乗り、さっぽろで降車。まず、「ギャラリーたぴお」の林教司展に寄る。
林教司さんは、岩見沢市栗沢町美流渡にアトリエを持つ作家で、ギャラリーたぴおの主宰者でもある。
作家としては、北海道抽象派作家協会に籍を置き、抽象のインスタレーションや平面作品を手がけているが、90年代半ば以前には具象画を描いて全道展に出品していた時期もあった(会友で退会)。
今回は、1973年の「月と羅漢」から、近作「種子」までの絵画およそ20点を展示している。
冒頭の画像は、「陀羅尼 DARANI」。96年の作。
ご本人によると、未発表らしい。
1.5メートル四方はありそうな大作だ。
中央の円形は、赤い絵の具の上に、ボンドをぶちまけた。その部分を含め、全画面を、鉛筆の黒鉛で塗りつぶしている。黒鉛の光沢が重厚だ。中心には金物店で買ったちょうつがいが取り付けられている。
古い金庫の扉のようにちょうつがいをひねれば、大きな丸いふたがギギギと開いて、異次元への扉が開かれそうな錯覚を抱く。
題の下に次のような説明があった。
「法華経、陀羅尼:第二十六 教えの精髄を凝縮させて含んでいるとされる言葉。仏教において用いられる呪文の一種」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/52/1a4cd4ceade004523164e88368e7c945.jpg)
「異郷にて」。86年の作。
以前にも拝見したのだが、長年住み慣れた室蘭から空知に移ったさいの作で、室蘭の地球岬を思いながら描いたという。
フォークがいつのまにかガラスを貫通しているのがふしぎ。押さえつけられているアゲハは、三岸好太郎の絵を想起させるが、林さん本人はまったく意識していないという。チョウの羽根もふくめて、いろいろガラクタを所持していたというのだ。
いずれにしても、すがすがしく広がった青い空と海と、自由を抑圧する透明なものとの対比が鮮やかで、林さんの代表作といってもいいのではないかと思う。
90年代以降の、モノトーンの平面やインスタレーションも良いのだけれど。
2013年11月25日(月)~30日(土)午前11時~午後7時
ギャラリーたぴお(札幌市中央区北2西2 道特ビル)
なお、ひきつづき12月3日(火)~15日(月)には、第2弾として、桑園駅近くのダイニングバー「インソムニア」(中央区北10西16)でも開かれる。
午前11時半から午後11時半まで、月曜休み。
関連記事へのリンク
■北海道抽象派作家協会、秋季展(2013年9月)
■summer wave 18th (2013年8月)
■置戸コンテンポラリーアート (2012年8月)
■第37回 北海道抽象派作家協会展
(2010年)
■林教司展(2009年)
■立体四人面白半分展(2009年)
■立体四人面白半分展(2009年4-5月)
■第36回北海道抽象派作家協会展(2009年4月)
■対磁 TAIJI-平面と立体による二人展-鈴木悠高 林教司(2009年2月)
■異形小空間14th(2008年12月-09年1月)
■第32回北海道抽象派作家協会秋季展(2008年10月)
■TEN展 II (2008年9月)
■BOOK'S ART展5(2008年8月)
■SUMMER WAVE展 13(2008年8月)
■林教司展(2008年6-8月)
■Film work EXHIBITION 写羅(08年5月)
■第三十五回北海道抽象派作家協会展 (2008年4月)
■BOX ART展(08年3月)
■寒桜忌展「歌人・今井和義 没後4年」 (08年2月)
■KYOCHO展(08年2月)
■たぴお記念25th + 13th 異形小空間 (07年12月-08年1月)
■林教司展(07年)
■自我の形象展 6(07年)
■Octob 1(07年10月)
■LEBENS(人生・生命)展 2 (07年6月)
■非・連結展 vol.8(07年5月)
■第三十四回北海道抽象派作家協会展 (2007年)
■多面的空間展 vol.9(07年4月)
■林教司作品展(07年3月、画像なし)
■寒桜忌展 うただより・今井和義へ<没後3年>(07年2月、画像なし)
■BOX ART展4 閉塞形状展(07年2月)
■林教司展(06年12月)
■2006年6月の「LEBENS展」(画像なし)
■第33回北海道抽象派作家協会展(2006年)
■第三十二回北海道抽象派作家協会展(2005年)
■第31回北海道抽象派作家協会(2004年)
■04年の「多面的空間展」(29日の項。画像なし)
■04年の「今井和義追悼展」(7・8日の項。画像なし)
■第二十七回北海道抽象派作家協会秋季展(2003年、画像なし)
■北海道立体表現展'03(画像なし)
■03年の「SUMMER WAVE」展(7日の項。画像なし)
■03年の「新・素材の対話展」 (22日の項。画像なし)
■北海道抽象派作家協会30周年記念展(2003年、画像なし)
■03年の回顧展(画像なし)
■02年の「閉塞形状展」 (18日の項。画像なし)
■くりさわ現代アート展(2002年、画像なし)
■02年の新道展(画像なし)
■02年の回顧展
■北海道抽象派作家協会第弐拾九回展
■01年の個展
■第二十五回北海道抽象派作家協会秋季展
■01年の「キャバレーたぴお」 (3日の項。画像なし)
■北海道抽象派作家協会第弐拾八回展
(この項続く)