北海道美術ネット別館

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■本田征爾展-Book Bloom Boon (12月27日まで)

2008年12月25日 17時04分08秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 1977年生まれ、北大水産学部を卒業したのち、時にマグロ調査船に乗りつつ、毎年札幌と大阪で個展を開いている本田さん。
 会場になっている札幌・平岸の「ブックカフェ 開化」の近くにお住まいとのこと。いつものギャラリースペースとは、一味違った展覧会になっています。

 冒頭の画像は「内田百(ひゃっけん)全集」のある書架に置かれた小品。
 もちろん、壁にも作品は展示されています。

 本田さんの絵は、想像上の動物が浮かんでいるような、とか、ふしぎな幻想世界、とか、いろいろ形容することはできるのですが、どのようにことばを駆使しても、その独特の世界を言い表すのはむずかしいです。ひょっとすると、わたしが知っているうちでいちばんことばにしづらい画風の作家かもしれません。


          

 水彩の多い本田さんがひさびさにとりくんだキャンバス作品。アクリル絵の具です。
 抽象風から幻想的なものまでさまざま。


          

 右下の「幻空街」を拡大してみました。
 これは、まだことばにしやすい作品だなあ。

 自転車のかぎみたいななぞの生き物がうかんでいます。こういう、一種の風景を感じさせる作品は本田さんとしては珍しいかもしれません。


          

 画像では見づらいと思いますが、この一角には、色鉛筆で描いた作品や、写真の上にアクリル絵の具などで着彩した作品(右の3点)などがならびます。
 右上は、この夏に閉店した札幌の「BAR十蘭堂」の室内の写真に色を塗ったそう。言われないとまったく気づきませんが…。
 黄色い骸骨や、右側には女性の立像などが、じっと見ていると、斑点のなかから浮かび上がってきます。小品ながらも、広がりのある世界を持った作品だと思います。

          

 夕暮れの平岸街道をのぞむ窓際に置かれたコラージュなど。
 手前のミシンは、もとから店にあるもの。
 そのそばに「図鑑」と題したユニークな本形式の作品がありました。コピーにコピーを重ねておなじような画像を反復させたもので、「てづくりベッヒャー」みたいです。

 お店も作品もなかなかいい感じです。行ってみてくださいね。

 大阪・乙画廊で、来年1月に個展がありますので、関西方面の方もどうぞ!


 出品作は次のとおり。
Antarctic
幻生生物
金蝙蝠は藪の中
つかまえられた
CHERRY
夢卵
花の時の花(夢は化けて開く)
青い脳髄
空蜻蛉
十蘭夢降
雲々廻々
floating grapes
coccon
幻空街
stone calm
チェリーの穴
曼荼羅華

 ほかに「黒灯人」などオブジェや、ポストカードなど多数あります。


2008年12月4日(木)-27日(土)12:00-20:00、月・火(23日を除く)・水曜休み、12:00-20:00
Kissa Kaika(豊平区平岸3の9 第一恵信ビル2階)

・地下鉄南北線「平岸」駅徒歩5分

□Seiji Honda WEB Exhibition http://www6.plala.or.jp/seiji_honda2008/
□ブログ http://pub.ne.jp/whisperinstone/

□artscapeの関係記事 http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/review/080415_01.html#t02

本田征爾展 なるこれぷし(2004年)




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
本日は (本田征爾)
2008-12-25 22:54:26
荒天の中ご来場くださりありがとうございます。

加えて拙展示を丁寧に紹介してくださり嬉しく思います。

また機会がありましたら宜しくお願いします。

それでは良いお年を!

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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-12-26 19:48:00
本田さん、こちらこそどうもありがとうございました。

あの空間と本田さんの絵がとても合っていると思いました。

年明けの個展、タイヘンでしょうが、良いお年をお迎えください!
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