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かげかえのなさについて

2020年06月29日 12時27分57秒 | つれづれ日録
 「少し休んだら? あなたの代わりに仕事をしてくれる人がいるんだから」

 過労死するような長時間労働をしている人や、うつ病なのに無理に出勤しようとする人に対して、上のようなことがよく言われる。

 とりあえず休め! と促すせりふとしては、そのとおりだと思う。

 だけど、短期的にはともかく、中長期的にみると、そういうことばが本人を勇気づけるかどうかはわからないような気がする。

 だれだって、あなたも、私も、世界にひとりしかいない、かけがえのない存在である。

 そんななかで「●●さんがいないと困る」と職場なり地域社会なりで言われるほどの技術や存在感をもっているということは、本人にとってどんなに励みになるだろう。

 逆にいえば、誰だってすぐに交代できるような仕事しかさせてもらえない場合、本人のやる気はどれだけすり減っていくだろう。生きている充実感は満たされないのではないか。


 かつて機械が鉱工業などの現場に入っていくと、人間の仕事が奪われるのではないかと反対された。
 実際には、機械が担った仕事は、単純な作業が多く、失業者があふれかえるような事態には幸いならなかった。
 しかし、人工知能やロボットが普及していくと、どうも人間の仕事のうち、さほど単純ではないが、超知的というほどでもない分野を切り崩していくような予感がする。給料で言うと、機械が奪った低賃金労働というよりもむしろ、中くらいの仕事だ。


 農業や鍛冶屋など、昔の方が、コミュ障でも、それなりに地域社会で一定の存在感を得られた仕事があったんじゃないだろうか。


 この自分でなければできない仕事がしたいと願う。
 だけど、世の中はかならずしも、そういうふうにはできていないようである。


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2 コメント

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こんにちは (ひなた)
2020-07-01 16:16:13
夏のほんの少し前の新緑が眩しいですね。
余計な色がなくて好きです。

自分でなければできない仕事がしたいと願う。
~私もそう願っていた一人でした。今はもうあれですが(;^_^A
これからは「新型コロナウイルスのせい」か「おかげ」か、どう捉えて先を見るかになるのかしらね。
いずれにしても若い人たちが困らない世の中になってほしいものです。

またこれから一年、無事に過ごしましょう(^^)v
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Unknown (h-art_2005)
2020-07-01 20:42:17
ひなたさん、コメントありがとうございます。
また1年、ですか~。まだここにいるのかな。置かれた場所で咲きなさい、というのは美しい言葉ですが、べつにそこに置かなくてもいいよねというのはありますね(笑)。
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