最終日にギャラリーにかけこんで、見ることができた。見逃さなくて、ほんとうに良かったと思った。
ギャラリーや美術館で見る絵は、ほとんどが完成したものだが、時に、映画などで、画家が筆を動かしている制作途上のものを見ることがある。しかし、その際、画家の存在を消して、生成しつつある絵そのものを目にしたいと思うことはないだろうか。
石田さんの映像作品は、まさにそういうものだった。室内にカメラを固定し、その前で、青い線がみるみるうちに増殖して、壁や床を一面に塗りつぶしていく。
アニメーションの技法を応用して、すこしずつ描いてはカメラの前から移動し、また描き…といった行為を、延々と繰り返したのだろう。撮る手間は大変なものがあったと想像される。
青が室内にあふれかえったかと思うと、白に戻り、壁が倒れ…、といったぐあいに、映像は刻々とうつりかわっていく。色とかたちの誕生、奔流、消滅が、めまぐるしい速さで、展開される。
鮮烈なイメージは、海外でも高く評価されているというのが、うなずけた。
会場には、現場で制作したドローイングなども展示されていた。
07年8月28日(火)-9月9日(日)11:00-19:00、月曜休み
temporary space(北区北16西5)
http://www.geocities.jp/office_ishidatakashi/
人のなかにある海を見ることが出来た気がして、
茫然と一体感を得ました。