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札幌のベテラン陶芸家、タニグチススムさんが、札幌彫刻美術館で個展をひらいている。
団体公募展などには属さず、個人で活動している。
以前、江別市セラミックアートセンターでも個展が開催されている。公立の美術館での個展は2度目ということになり、現役の作家としては異例だが、もっとも今回は貸し館である。
作品およそ80点。器として作られたものも、オブジェとしかいいようのないものもあるが、いずれもダイナミックな造形。花器でも、途中に穴があいていたりして、実用よりも、土そのものが持つ力強さを第一の眼目としているようである。
いずれも釉薬を施さず、薪の自然釉が覆いかぶさっている。
階段を上って最初のスペースにある作品が印象的だ(タニグチさんはめったに題をつけない人である)。さびた金属の細い板が絡まり、重厚な存在感がある。
最後のスペースにある平らな皿?もおもしろい。火山灰の荒れ野を思わせる景色が広がっている。といって、盤景のような写生ではない。大地のエネルギーが凝縮されているように見える。
ただし、この作者が例年、ギャラリー大通美術館を借りて開いている個展とどう違うのかといえば、作品数も規模もあまり変わらないようだ。
せっかく美術館でやるのだからもうちょっと大きな作品を並べるといった仕掛けがほしかったような気もする。そもそも、美術館が個展のために館を貸し出すこと自体、異例である。そう思うのは、美術館というハコを特別視しすぎているのだろうか。
2009年10月28日(水)-11月11日(水)10:00-5:00(最終日-4:00)、月曜休み
本郷新記念札幌彫刻美術館(中央区宮の森4の12)
■タニグチススム展-Porcelainの誘惑(2008年)
■タニグチススム陶展(2002年)
団体公募展などには属さず、個人で活動している。
以前、江別市セラミックアートセンターでも個展が開催されている。公立の美術館での個展は2度目ということになり、現役の作家としては異例だが、もっとも今回は貸し館である。
作品およそ80点。器として作られたものも、オブジェとしかいいようのないものもあるが、いずれもダイナミックな造形。花器でも、途中に穴があいていたりして、実用よりも、土そのものが持つ力強さを第一の眼目としているようである。
いずれも釉薬を施さず、薪の自然釉が覆いかぶさっている。
階段を上って最初のスペースにある作品が印象的だ(タニグチさんはめったに題をつけない人である)。さびた金属の細い板が絡まり、重厚な存在感がある。
最後のスペースにある平らな皿?もおもしろい。火山灰の荒れ野を思わせる景色が広がっている。といって、盤景のような写生ではない。大地のエネルギーが凝縮されているように見える。
ただし、この作者が例年、ギャラリー大通美術館を借りて開いている個展とどう違うのかといえば、作品数も規模もあまり変わらないようだ。
せっかく美術館でやるのだからもうちょっと大きな作品を並べるといった仕掛けがほしかったような気もする。そもそも、美術館が個展のために館を貸し出すこと自体、異例である。そう思うのは、美術館というハコを特別視しすぎているのだろうか。
2009年10月28日(水)-11月11日(水)10:00-5:00(最終日-4:00)、月曜休み
本郷新記念札幌彫刻美術館(中央区宮の森4の12)
■タニグチススム展-Porcelainの誘惑(2008年)
■タニグチススム陶展(2002年)