北海道美術ネット別館

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■allo? 写真展「ひかり」 (5月7日まで)

2009年05月11日 22時55分24秒 | 展覧会の紹介-写真
 副題は「Mayumi Watanabe("allÔ?")Photo Exhibition」。「Ô」は「o」の上に山形の記号です。「allÔ」はまゆみさんの別名というか、サイト上の名前(ハンドルネーム)です。(小文字にしたいのだけど、うまくいかない。すいません)
 札幌に住みながら、ポストカードの制作やロゴのデザインといった活動を地道に続けており、昨年は共著で本も出しています。

 ひさしぶりの写真展にはカラー23枚が並びました。
 いずれも、題はついていません。このうち15枚がキヤノンEOSで、8枚がミノルタオートコード(二眼レフ・フィルムカメラのようです)で撮影されています(フィルムはコダック400NCとのこと)。
 まるで異なる種類のカメラですが、うつりぐあいにそれほどのちがいは感じられません。

 技法的には、露出オーバー気味、彩度抑えめといったあたりが、最近の若い女性が撮る写真と共通しています。
 また、モティーフになっているのは、札幌や東京、名古屋、渡島管内八雲町の、何気ない風景や、雑貨屋の店頭などです。

 また、静物を撮るときに、「写したい対象」を中心から微妙に外してフレーミングするのは、まゆみさんならではの技術です。
 2個のグラスがテーブルの上に載っていて、いずれもフレームから半分ほど外れている写真がありました。「思い切ったことするなあ」と感服しました。とても余韻を漂わせる1枚になっていたからです。
 

 しかし、そういったことは、おしゃれな写真やはやりの写真を撮りたいから-という理由で手法が選択されているのでは、たぶんないと思います。
 派手な決定的瞬間を狙ったり、物珍しい被写体をさがして遠くへ旅をしなくとも、平凡な日常の中にだって愛すべき被写体があり、ささやかだけど幸せに感じられる瞬間がある…。
 そういう気持ちを、まゆみさんはことばでなく、明るい写真に託しているのではないでしょうか。


 忙しい毎日でも、ふと立ち止まって空を見上げたり、温かいお茶に笑顔になったり。
 そんな小さな幸福をたいせつにしなくちゃ、心が乾いてしまうな。
 そう思わせる写真展でした。


2009年5月2日(土)-7日(木)10:00-19:00(最終日-18:00)
紀伊國屋書店札幌本店2階ギャラリー(中央区北5西5 地図A

□サイト http://www.allo-japon.com/
□blog http://alloblog.exblog.jp/

500m美術館(2008年11月)
 cute photographer おしゃれな写真が撮れる本


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