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【告知】野沢桐子展 (2012年5月28日~6月17日、札幌)

2012年05月27日 23時46分51秒 | 展覧会等の予告
 「写真みたい」という言葉が、絵画作品に対する褒め言葉になるのかどうかは時と場合によりけり-と筆者は考えているのだが、野沢桐子さんの場合は、それにまさる形容は見当たらないだろう。まさに、写真と見まがうばかりの、迫真の描写である。

 野沢さんは道展会員。
 これまで、作品を見る機会といえば、道展のほかは、出身の専門学校のOB展と、数少ないグループ展ぐらいしかなかった。
 しかも、昨年の道展には出品していない。
 個展はこれがはじめて。
 STV北2条ビルの発表は、どちらかというと、評価の定まったベテランが多く、ここで初個展という人は、工芸畑の作家をのぞけば、珍しいと思う。

 で、道展には、バリバリの写実派が何人かいるが、野沢さんの特徴は
1.室内の人物を描く
2.ものの質感の描写が目を引く
といったところだろうか。
 人物を写真のように描く人は、道展の一般入選組でも時おり見受けられるが、往々にして背景にまで神経がいきわたっていないことがある。
 野沢さんは、室内すみずみまで手を抜かずに描ききっている。
 ビロードや木、革といった素材の質感の描写も、道内ではほとんど右に出る作家はいないと思う。

 室内にいる人物はどこか怪しげな雰囲気もただよわせていて、ちょっと見ると、香港の犯罪映画の一シーンのようだと、筆者は思ったりした。
 それはそれで、絵からストーリーの空想が広がり、おもしろいのであるが。
 冒頭の画像など、近作は、そのような芝居がかった要素は減り、人物をストレートに描こうという姿勢が感じられる。

 筆者はご本人にお会いしたことはないが、STV北2条ビルのサイトなどによると、彼女は美術系大学などの出身ではなく、普通のOLで、あるとき急に絵が描きたくなって専門学校の門をたたき、習い始めたという。
 あまり量産のきかない画風ゆえ、新作が並んでいるということはあまり期待できないけれど、とにかく、会場に足を運ぶ価値はあると思う。


2012年5月28日(月)~6月17日(日)9:00am~6:00pm(土、日~4:00pm)
STV北2条ビル エントランスアート(札幌市中央区北2西2 地図A



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2 コメント

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Unknown (SH)
2012-05-28 00:33:47
ヤナイさん、こんにちは。
新作、1点くらいないですかね。
今からワクワクしております。
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SHさん、こんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2012-05-29 12:09:24
どうでしょうか。
去年の道展には出していませんでしたが、STV北2条ビルのサイトでは震災について心境をつづっていたので、震災後らしい小品などがあるかもしれませんし。
返信する

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