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【告知】特別展「心の原風景-風土への賛辞 木嶋良治展」(5月26日~7月29日、小樽)

2012年05月25日 21時00分36秒 | 展覧会等の予告
 1936年小樽生まれ、札幌在住の画家、木嶋良治さんの回顧展です。

 木嶋さんは、簡潔な構図と確かな色彩構成で、小樽運河の風景などを描いた作品で知られています。
 それらは、小樽の実景というよりも、引き算に引き算を重ねて、知的かつ叙情的に構築された美しさの小樽風景といえると思います。

 フライヤーの画像は、1981年の「運河(ヴェネツィア)」。
 ほかに、フィレンツェの塔(1976年)、ヴェネツィアの建物(同)、紋別の海(1981年)、雪の街(1984年)、冬の日(1987年)、春(2004年)の計6点の写真が、フライヤーの裏面に掲載されています。

 木嶋さんの作品は、道展を退会されて以降は、意外と見る機会がなかったこともあり、非常に楽しみな展覧会であります。


 フライヤー(ちらし)に印刷されている紹介文から抜粋します。  

 故郷小樽やオホーツク沿岸の海辺など、北海道風景を中心に「北方性」と「雪」をテーマとして描き続けてきた木嶋良治。その作品のなかで、特に小樽運河は大学入学前に結核で胸を病み休学中に観察を重ね、その時代脳裏に焼き付けた風景が制作の強い動機となっています。

(中略)

 原風景として描き続けた運河から、やがて1970年代に至って、水と建物のある風景を描き始めます。水面に映る影は、水そのものの色と、反射で映りこんだ建物などの両方の色が現われています。影はその時々の自身の心のありようを反映するものとなりました。感情や思考を自由に表現できる運河は、木嶋の代表作として連作が続きます。

 30歳代後半からは、長期海外取材や道東への旅を重ねモチーフの広がりを見せました。それらによって、テーマとしての「水辺に落ちる建物の影」は画面の中で緻密に構成され一層完成度をたかめていきます。

(中略)

 本展では、簡潔な構成と詩のような叙情性をあわせもつ独特の風景画を確立した木嶋良治の世界を紹介します。


 
2012年5月26日(土)~7月29日(日)午前9時30分~午後5時(入場~4時半)、月曜休み(ただし7月16日は開館し、17・18日は休み)
市立小樽美術館(小樽市色内1)

・一般500円(20人以上の団体400円)・高校生および市内高齢者250円(同200円)・中学生以下無料



・JR小樽駅から約700メートル、徒歩9分

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