北海道美術ネット別館

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■リレー版's展 犬養康太 (4月12日まで)

2009年04月09日 23時17分38秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 4週連続の道都大中島ゼミの展覧会も、これで最後。
 卒業生の犬養さんの個展がひらかれています。


           

                  


 犬養さんといえば、2007年のゼミ展や、翌08年の「版's SEVEN」展で発表された「焼けた妻か子」を思い出します。繰り返しになりますが、すごい題名です。この作品により、彼の名が筆者の脳にインプットされました。
 でもご本人にお会いしたことはありません。


           

 
 今回は、版画もありますが、漫画の断片みたいな作品がたくさん置かれています。
 いわゆるアニメ絵ではなく、どこか子どもが描くような、あるいは「ヘタウマ」というべきか、独特なタッチ。「ケント紙にGペン」といった本格志向ではなく、もっと薄い紙にボールペンのような画材でかかれているように見えます。
 ほとんどは、表紙と、それに続く1、2ページしかありません。続きがあるのにこの会場には持ってきていないのか、中途で放棄されたのか、それともこれでおしまいなのかは、判然としません。
 ファイルには、そもそも表紙と中身が合致しないまま続けて収められている作品も多いです。

 唐突に終わる展開は、カフカの断片的な小説を思い出させます。
 カフカの断片は、どこか変で、魅力的でもあるのですが、その魅力がどういうものなのか、説明するのはむつかしい。
 犬養さんの漫画も、子どもがかきさしたような絵柄ですが、読んだ人をひきつけるふしぎな力があるのです。

 犬養さんの資質は、タブローよりも、漫画形式の表現にあるのかもしれません。もっとも、大衆的な人気を得るような漫画というよりは、ややマニアックではありますが。


2009年4月6日(月)-12日(日)10:30-22:00(月曜13:00-、日曜-20:00)
ト・オン・カフェ(中央区南9西3 マジソンハイツ)


リレー版’s展@to ov cafe 阿部真大、阿部拡、石井誠(2009年4月)
道都大学中島ゼミ 版's SEVEN (2008年2月)




・地下鉄南北線「中島公園」から徒歩3分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの」から徒歩7分
・中央バス「中島公園入口」から徒歩5分


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