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■ひらひら展 vol.4 北海道教育大学岩見沢校美術文化専攻 現代美術・平面表現研究室による作品展 (2017年2月15~19日、札幌)

2017年02月20日 23時59分59秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 会期中に更新が間に合わなくてすみません。

 まもなく卒業する4年生4人、3年生5人、2年生4人が平面作品を出品していました。
 アクリル、油彩、銅版画、水彩など多彩な素材や技法を用いています。

 冒頭の画像は木村麻衣さんの作品。
 右は「狂信者」という題で、紙をコラージュしてはりつけた上に、油彩やオイルパステル、アクリル絵の具などで描いています。黒い線は墨。直線はテープを用いています。
 左にあるのは銅版画(エッチング、ドライポイント、アクアチント)による連作「オイディプス」です。

 直線による硬い表現と、おもに墨で描かれた人体(の部分)の表現とが、重なり合って、見る者にダイレクトに力強さが伝わってくるようです。
 これはこちらの勝手な見方なのですが、人間の根源的な暴力のようなものが、画面に隠されているような気がしてなりません。

 木村さんは似た画風の「メディア」という作品で、昨秋の学生美術全道展で協会賞(最高賞)を受賞しています。
 会場にちょうどご本人がいらしたので、題の由来をお聞きしたところ、メディアとは媒体とかマスコミとかいう意味ではなく、ギリシャ悲劇の王女だというのです。
 なるほど。いわれてみれば、モノトーンの彼女の画面は、ギリシャ悲劇の有する簡潔さや気高い悲しさに共通するものがあるようにも感じます。

 木村さんはまもなく就職するそうですが、なんらかのかたちでアートにかかわっていってもらえたらな~と思いました。

 ほかに浅野美智雄さん「クライマックス」が面白かったです。
 ちょうちんが並ぶ日本家屋(旅館か何かのイメージ)の屋根の上で和服姿の人物が銃をぶっ放す場面を描いています。日本を舞台にしながら考証が間違っているような、あるいは「キル・ビル」のような世界です。しかも銃は反対向きです。


2017年2月15日(水)~19日(日)午前11時~午後7時(最終日のみ午後5時まで)
HOKUSEN GALLERY ivory(札幌市中央区南2西2 NC HOKUSENブロックビル4階)


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