登別出身で、千葉県船橋市に住む小笠原緑さんの個展は、グワッシュを用いた水彩画16点がならんでいます。
水彩といっても、道展でよくみられる具象画や、道彩展のフォーブではなく、力のみなぎる抽象画。「騒がしい水辺」と題した大作の連作をメーンに、水をイメージした、勢いと繊細さをあわせもった作品です。
冒頭の画像は、いずれも「騒がしい水辺」。
一般的には青系の絵の具を使えば水のイメージは出せるのかもしれませんが、小笠原さんの絵には、それにとどまらず、動勢と力を感じます。
こちらも「騒がしい水辺」。
3つの支持体からなります(小笠原さんは、水彩なので、キャンバスではなく、厚いパネルを使っています)。
両端のは、なんだか淡墨の墨象や前衛書を聯想(れんそう)させます。
これも「騒がしい水辺」で、ことしの全道展に出品したものと似たタイプの作品です。
弱々しく柔軟な水のイメージとは一線を画した荒削りな感じがあります。
小笠原さんは、おなじ会場で2度、水彩連盟のグループ展に出品しているほか、十勝管内鹿追町で、美術評論家の中野中さんが音頭をとってひらいたグループ展で見た作品も印象的だった記憶があります。
また、全道展で2004年に協会賞(最高賞)を受賞し、現在は会友です。
計5点の「騒がしい水辺」以外の出品作は次のとおり。
「水辺まで」
「棲息」
「棲息・春待つ日」
「早春の水辺」
「雪の日」
「旅立つ日」
「冬日」
「春待ち」
「水辺」(同題2点)
08年6月30日(月)-7月5日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
■水彩連盟作家展(02年、10月25日の項)